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EUROに関するoyoyomのブックマーク (370)

  • 浮き彫りになったECBとドイツの軋轢 ドイツ出身の専務理事の辞任でユーロ圏に衝撃

    欧州中央銀行(ECB)とドイツとの契約が書き直された。9月9日、ただでさえギリシャのデフォルト(債務不履行)に対する不安が金融市場の神経をすり減らしている中でのユルゲン・シュタルクECB専務理事の突然の辞意表明は、ユーロ圏に激しい衝撃を与えた。 また、ECBが当初モデルとしたドイツ連銀とECBとのつながり(あるいは手かせ足かせ?)も断ち切った。 ユーロ圏の債務危機が激化しており、ジャン・クロード・トリシェ氏が総裁の座をイタリアのマリオ・ドラギ氏に引き継ぐまであと数週間というところで、ECBはドイツ政治家および有権者との極めて重要な関係を急ぎ改めることになった(ドイツ側も同様)。 創設以来ECBを形作ってきたドイツ連銀出身者 1998年の創設以来、ECBの役員会には有力な元ドイツ連銀高官が名を連ねてきた。当初は、経済学の教授として評価の高いオトマー・イッシング氏が、例えばマネーサプライの指

  • 欧州の銀行に忍び寄る資金調達難という不安

    ユーロ圏の銀行の財務担当者に、金融の混乱が続く中で、この1週間どんな問題に対応していたか聞けば、彼らは恐らく、当座の資金繰りだと答えるだろう。 だが、何が当に彼らの安眠を妨げているのか聞いてみれば、その答えは多分、より長期の資金調達だろう。 ユーロ圏の銀行にとって、満期を迎える債券を新たな資金に借り換える見通しは確実と言うには程遠い状態となっている。何カ月も続く市場の乱高下が旧来の投資家を遠ざけているからだ。 銀行が日常的に資金を借りる短期金融市場の緊張が世間の注目を集めてきた。だが、欧州の銀行、ひいては経済全体にとってより大きな懸念要因になりかねないのは、より長期の資金がゆっくりと干上がっていく動きだ。 拡大する信用スプレッド 調査会社ディールロジックのデータによると、銀行の債券純発行額は今年に入ってからこれまでで45億ドルに上っているが、最近は3カ月連続で純発行額がマイナスとなってお

  • 社説:景気が減速しているのに動かないECB

    (2011年9月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 9月8日に任期内で最後から2番目となる記者会見を行ったのは、威勢のいい欧州中央銀行(ECB)総裁だった。ジャン・クロード・トリシェ総裁は別れの言葉のように、ECBのインフレ抑制の実績と危機対応を擁護した。 それでも、トリシェ総裁と同僚たちは4月と7月に誤って引き上げた金利を据え置くことで、犯したミスに輪をかけてしまった。 誤った利上げを据え置いたのはなぜか トリシェ総裁は成長とインフレの予想を下方修正し、世界経済の減速を指摘する人々の合唱に加わった。 同じ日、経済協力開発機構(OECD)も大幅に下方修正した経済見通しを発表した。OECDは今春、成長見通しは利上げを正当化していると述べたが、今では先進工業国では年末まで景気が停滞し、ドイツでは経済が縮小すると予想している。 同じような悲観論から、イングランド銀行の金融政策委員会も政策金利

  • 大収縮への処方箋、カネを借りて使え! 債券市場の声に耳を傾けるべき理由

    (2011年9月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) なすべきことは何か。その答えが知りたければ、市場の声に耳を傾ければいい。市場はこう言っている。「どうかカネを借り、それを使ってほしい」 しかし市場の魔法を信奉していると公言している人々が、誰よりも頑なに市場の叫びを無視している。財政が破綻しそうになっているのだと彼らは主張する。 HSBCは、高所得国の2011年の経済成長率を1.3%、2012年で1.6%と予測している。債券市場も、少なくともこれと同じくらい悲観的だ。 米国の10年債利回りは9月5日に1.98%となり、60年ぶりの低水準を記録した。ドイツ国債の利回りは1.85%。英国でさえ2.5%の金利で資金を借りられる。 各国の国債利回りは急速に日の水準に近づいている。信じがたいことに、物価連動債の利回りは、米国がほぼゼロ、ドイツが0.12%、英国が0.27%となっている。 市場は

  • ユーロ救済、ドイツ頼みが不当な理由 メルケル首相よ、自国のサイフをしっかり守れ

    「彼女が部屋に入って来ると、皆が黙り込む。まるで校長先生がやって来たような感じだ」。あるベテラン政治家によると、これが、欧州の保守派指導者の定期会合に姿を現した時にドイツのアンゲラ・メルケル首相が与えるインパクトだ。 ドイツの首相の登場で場の空気が凍り付くことは容易に理解できる。会合の出席者たちは、ユーロ、そして欧州連合(EU)全体の運命が今やドイツ政府の決断にかかっているということを知っているのだ。 国内外から批判されるメルケル首相だが・・・ メルケル首相について、想像力と温情と度量に欠け、腰が重く慎重すぎると批判する人は多い。ドイツ国内でさえ、欧州統一を支持する人々からの攻撃にさらされている。メルケル首相が師と仰ぐ、ドイツにユーロを導入した張人であるヘルムート・コール氏は最近、「ドイツが今どこにいて、どこに向かおうとしているのか」全く分からないと不満を口にしている。 批判の趣旨は明確

  • ユーロ危機の最悪期はまだこれからだ

    ユーロ圏に関する現時点で最大の不安要素は、危機解決に向けたすべての戦略が、経済がある程度堅調に回復するという前提で立てられている点だ。 ギリシャの救済プログラムは、合意に達した6週間前の時点で既に困難に陥っていた。 公式の予測数値はすべて間違っていた。救済対象のギリシャは不況に陥り、新たに結成されたギリシャ議会の専門家委員会によれば、その債務力学は「制御不能」だという。 一方、イタリアでは中央銀行が、同国の緊縮財政が景気後退効果を持つ可能性に懸念を表明している。 欧州の銀行の資再編戦略(そう呼びたければ、の話だが)も景気の減速のあおりを受け、ほころびを見せ始めている。先週は、欧州の銀行に必要とされる資増強額を巡って、国際通貨基金(IMF)とユーロ圏の各国政府の間で激しい議論が交わされた。 経済が再び後退局面へと転じれば、最終的に資再編に必要な額はIMFの算定値をも大幅に上回る恐れがあ

  • 社説:ユーロ圏の銀行を「誤診」する危険性

    ユーロ圏の銀行の株価が急落し、この地域の銀行セクターに異変が生じているという警報が鳴り始めたが、これは――今のところ――間違いである。 局地的な例外はあるものの、欧州の銀行は資金不足に陥っていない。こうした誤診めいた判断のために各国政府は銀行自身が掘った穴に国民の血税をつぎ込んできたが、根拠のない騒ぎが広がれば、そうしたミスに拍車をかけてしまう恐れがある。 2008年当時とは異なり、今回の株価下落は信用市場の機能停止を伴っていない。欧州中央銀行(ECB)は期間6カ月の流動性供給を再開したが、銀行がこの制度を利用しようと殺到した様子はない。 民間銀行によるECBへの預金――余剰資金を他行に貸し出さない時に使われる代替手段――が心配になるほど大きく積み上がったわけでもない。 翌日物金利の向こう3カ月間の市場予想値に対する3カ月物銀行間金利のスプレッドは拡大しているが、これは市場が翌日物金利の低

  • ECBのトリシェ総裁の遺産 ユーロを救った男として歴史に名を残せるか?

    危機というものは、名声を築くこともあれば、名声を台無しにすることもある。ジャン・クロード・トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁の場合、自分の評価を定める時間はもうほとんど残されていない。 トリシェ氏は今週、世界の中央銀行幹部を集めて年に1度開催される会合に出席するため、米国ワイオミング州のジャクソンホールという山あいのリゾート地を訪れる。ECB総裁としての参加はこれが最後だ。 トリシェ氏が10月31日の退任をもって後に残すユーロ圏は急速に変わりつつある。ドイツのアンゲラ・メルケル首相とフランスのニコラ・サルコジ大統領は先週、ユーロ圏の「経済政府」創設に向けた試験的な措置を発表した。またECBは、ユーロ圏の国債を220億ユーロ買い入れたことを明らかにした。1週間の購入額としては過去最大だ。 金融市場は非常に神経質になっており、向こう数日から数週間でより大胆な追加策が必要になる可能性もある。 大

    oyoyom
    oyoyom 2011/08/23
  • 欧州はドイツを待つ必要はない ユーロ圏11カ国で共通債市場を創設できる

    (2011年8月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 規模は重要である――。これが、債務上限を巡るワシントンの議論とスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による米国債格下げから学ぶべき教訓だ。どちらも米国債の利回りを高騰させることはなかったからだ。 規模の重要性は、世界一低い国債利回りと世界最大級の公的債務残高を兼ね備える日から得るべき教訓でもある。 ユーロ圏が米国と日から学ぶべき教訓 この教訓はユーロ圏諸国にとって明白な意味合いを持つ。ユーロ圏は、ドイツが参加するか否かにかかわらず、債務を共同でプールすべきだ、ということだ。 米国や日の国債市場に匹敵する規模の債券市場を創設すれば、その利益は明らかにコストを上回るだろう。 規模は、各国が借り入れを行う際の手頃さを裏づける。米国債の発行残高は9兆5000億ドル(6兆6000億ユーロ)。日の数字は875兆円(7兆9000億ユーロ

  • ECBの大規模介入は朗報か? 国債購入を巡る市場との攻防はまだ続く

    市場は先週いっぱい、欧州中央銀行(ECB)によるイタリア国債やスペイン国債の購入を巡る推測に明け暮れた。 8日月曜日の購入額は50億ユーロだったのか、100億ユーロだったのか。9日火曜日はいくらだったのか。買い入れの効果は果たしてあるのか、といった具合だ。 その答えの一部が15日に明らかになり、大半のアナリストや投資家はその規模に驚いた。ECBは先週、9日の取引が終わるまでにユーロ圏の国債を計220億ユーロ購入していたのだ*1。1週間の購入額としては、昨年5月の国債購入開始以降、最大となった。 割れる市場参加者の意見 しかし、先週の購入額が発表される前から意見がばらばらだったように、このサプライズが「ポジティブ」なのか「ネガティブ」なのかについても、市場参加者の見方は分かれている。 英国の資産運用会社ヘルメスのチーフエコノミスト、ニール・ウィリアムズ氏は、この数字に勇気づけられ、「ECBが

  • ユーロ危機、非常時には非常手段を ECBの介入は危機封じ込めの第一歩にすぎない

    ユーロ圏の指導者たちは、ユーロ圏の安定を守るために「必要なことはすべてやる」と誓った。イタリア国債とスペイン国債の購入を決めた欧州中央銀行(ECB)は、そうしたスローガンに見合う行動を取っている唯一の機関だ。 その他のユーロ圏の統治機構、中でも選挙で選ばれた政府の代表は今、この実存的危機を解決するためにECBに匹敵する決意を示さなければならない。 ECBが以前ギリシャ、アイルランド、ポルトガルの国債買い入れに利用した証券市場プログラム(SMP)を再開させたのは正しかった。ECBは国債利回りの抑制ではなく、金融政策の波及メカニズムの効力を保護するという観点から、SMP再開の判断を正当化している。 それも無理からぬことだ。借り入れによる資金調達の支援と異なり、金融政策を機能させるECBの権限には法的に疑わしい点がないからだ。 金融政策を機能させようとするECBの努力は間違いなく公共の利益にかな

  • ユーロ圏の暑い、暑い8月 首脳もバカンスどころではない?

    (英エコノミスト誌 2011年8月6日号) 欧州の首脳は夏季休暇に入っているが、市場は休まない。 暖かく、けだるく、それでいて秋を予感させる8月は、多くのヨーロッパ人にとって心配事を忘れる季節だ。欧州大陸では、工場や企業の大部分が休業する。閣僚が休みに入り、政府機能もほぼ停止する。コラムでさえ、少しの間ペンをおきたいところだ。 また8月は、欧州統合へのためらいを感じてきた市民も、それを考え直す時期と言えるかもしれない。 休みになると呪いから恵みに変わるユーロ 1年以上続くソブリン債務危機で欧州北部の国民に重荷を負わせてきた地中海地域だが、夏になるとこの地域特有の喜びが再発見される。ゆっくりとした経済成長も、トスカーナの太陽の下でスローライフを楽しめるなら、そう悪くもないように思えてくるのだ。 南欧諸国の生産性の低さも、これらの国々がこれまで伝説や歴史に貢献してきたものと比べれば、にわかに

  • ユーロ圏の未来:不確かな財政同盟へ

    7月21日に開かれたユーロ圏首脳の緊急サミットで、欧州中央銀行(ECB)のジャン・クロード・トリシェ総裁は、過去1年間にわたってサミットが開催されるたびに、その後、国債のスプレッド(利回り格差)が急拡大したことを示すグラフを配布した。 併せて、市場が最もデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高いと見ている国のランキングも配った。上位に名を連ねたのはギリシャ、ポルトガル、アイルランドで、ベネズエラとパキスタンよりもリスクが高いとされていた。また、スペインは革命が起きたエジプトより安全性が劣ると見られていた。 トリシェ総裁の言いたいことは明白だった。これまでの危機対応は不十分で、むしろ事態を悪化させることが多く、市場は欧州のことをアフリカ以上に無力だと見なしている、ということだ。 7月のサミットでは決意を示したが・・・ 指導者たちはこの容赦ない傾向を覆す決意を固めていた。そこで、ユーロ圏で最も

  • 危機脱出からほど遠いユーロ ユーロ圏に連邦制の未来はあるか? JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2011年7月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 止むを得ない事情でコラムの執筆を休んでいる間、筆者は、最近の出来事に後れを取らないよう努めた。膨大な数のや分析、講演の原稿に目を通すというよりも――それでは肝心の事や睡眠と両立しなかった――、むしろギリシャが2001年にユーロに参加していなかったらどうなっていたかを熟考してみた。 同じような省察は、ポルトガルのような他の周縁国にも当てはまるかもしれないが、スペインやイタリア、アイルランドに関しては修正が必要になるかもしれない。 ギリシャがユーロに参加していなかったら、どうなっていたか まず言っておきたいのは、ギリシャ政府もギリシャの民間部門も、これほど長い間、ドイツの金利で借り入れを行うことはできなかっただろうということだ。 ドラクマの割引率は1990年代に14.5~21.5%で推移していた。それに取って代わったのが、2002年

    oyoyom
    oyoyom 2011/08/02
  • 欧米コンビが演じる「自ら招いた危機」  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2011年7月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 金融危機のない時期が2年以上続いては観客が飽きてしまうと思ったのか、欧州と米国というベテラン漫才コンビはバラエティーショーを1演じることにした。 欧州では、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に向かいつつあることを遅まきながら理解したユーロ圏が2度目の救済措置を発表した。米国では、支払い能力のある政府をギリシャのように見せようとして連邦議会が奮闘している。 ちゃんと機能している政治はどれも同じようなものなのかもしれないが、機能していない政府は、それぞれ違った形の機能不全に陥っている。今回の双子の危機からは、欧米の2つの政治システムがどのような過程を経て役に立たなくなってきたかがうかがえる。 欧州の「ポルダー(干拓地)政治」 欧州の問題は、いくぶん成功した政策決定モデルが、このモデルがますます適さなくなっている環境で利用されているとこ

  • 欧州は救われたのか 財政同盟に対する国民の不安に要注意 JBpress(日本ビジネスプレス)

    7月21日にブリュッセルで開かれたユーロ救済サミットの途中で、欧州の政府高官らはギリシャのための「欧州マーシャルプラン」に言及したコミュニケ(共同声明)の草稿を配布した。 サミットが終わった時、この仰々しいフレーズは静かに最終コミュニケから落とされていた。 それは賢明な判断だった。というのも、17カ国から成るユーロ圏が即座に共通通貨を補完する全面的な財政同盟を築こうとしていないように、ギリシャのパートナーである欧州連合(EU)諸国は1948~51年の西欧のマーシャルプランに匹敵する復興策を計画していないからだ。 久しぶりのポジティブサプライズ とはいえ、ユーロ圏諸国の指導者たちはなかなか見事な成果を収めた。彼らは多くの金融市場参加者が予想した以上に踏み込んだ合意をまとめ、2010年5月以来初めてポジティブサプライズをもたらした。この点については、ドイツのアンゲラ・メルケル首相の功績だ。 メ

  • 単一通貨の運営に関する米国の教訓  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2011年7月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 欧州の通貨統合が計画段階にあったが、まだ実現していなかった1990年代のこと。教壇に立っていた筆者*1は学生たちに、通貨統合が実現すれば為替リスクが信用リスクに置き換えられると説明していた。 自由変動相場制の下では、緩和的な金融・財政政策を採用した国の通貨は遅かれ早かれ下落する。そして、そうした予想がなされれば、その国の金利は上昇する。従って、悪い経済政策が行われる余地は為替市場によって制限されることになる。 為替市場に代わって信用市場が悪しき経済政策を防ぐはず 一方、通貨統合が実現すれば、各国の政府はもう紙幣を印刷できなくなる。政府はほかの借り手と同じ立場に置かれることになり、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性が大幅に高まる。 各国政府は一般の企業や家計と同じように、浪費をしていれば借り入れコストが高くなって容易にお金を借りられ

  • 社説:ユーロを救い、欧州を救う時が来た  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2011年7月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 欧州の政策当局者たちは今年の初め、ソブリン債務危機の封じ込めは困難ではあるものの手に負えない課題ではないと語っていた。 巧みに対処すれば、この危機はギリシャ、アイルランド、ポルトガルという経済規模の小さな国に閉じ込めておける。ユーロ圏の他の国々については、緊縮財政や経済統治改革、欧州連合(EU)の統治に関する条約の小幅な改正などを注意深く組み合わせて行えばうまくいくだろう――などと考えていた。 危険な局面に入った戦い しかし今、ユーロを巡る戦いがこれまで以上に危険な局面に入りつつあることは明らかだ。 18日にはイタリアとスペインの国債利回りが再び上昇し、1999年のユーロ導入以降の最高水準を更新した。両国の国債を購入する投資家が要求する上乗せ金利(最も質が高いドイツ国債の利回りとの差)も同様に、ユーロ導入後の最高値を記録した。 イタ

  • イタリアとユーロ:いよいよ崖っぷち  JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2011年7月16日号) ユーロ危機はイタリアをも飲み込み、危険をはらんだ新局面に突入した。単一通貨そのものが危うくなっている。 ユーロ圏の債務を巡るドラマは1年以上にわたり、手に汗握る場面を繰り返してきた。 最初はギリシャ、次にアイルランド、ポルトガル、そして再びギリシャが主役に躍り出た。政策立案者たちの対応はいつも同じで、現実を否定し、ためらった揚げ句、土壇場になって時間稼ぎのための中途半端な救済策をまとめた。 7月第3週、その場しのぎで切り抜ける対応の綻びが露になった。金融市場がいきなり、ユーロ圏で3番目の経済規模を誇るイタリアに照準を定めたのだ。 イタリアの10年物国債の利回りは2営業日で1ポイント近く上昇。12日には6%を突破し、ユーロ導入以降、最高の水準となった。 スペインを飛び越してイタリアに波及 ミラノの株式市場は2年ぶりの安値を記録した。結局、国債の利

  • 債務問題を巡る「空想」と「現実」の衝突 米国とユーロ圏は恐ろしい過ちを犯そうとしている JBpress(日本ビジネスプレス)

    ユーロ圏では、財政危機がイタリアの海岸に打ち寄せている。片や米国では、連邦債務の上限が引き上げられなければ来月初めにも資金が枯渇するとホワイトハウスが明言している。 公的セクターのデフォルト(債務不履行)が利益をもたらすと考えているヨーロッパ人は、そう考えている米国人よりもはるかに少ない。しかし欧州の要人たちは、米国の共和党支持者たちと同様に、デフォルトよりも悪い結末があると考えている。 他国の支援に消極的なヨーロッパ人は、ユーロ圏は「所得移転同盟」になってはならないと考えており、頑固な共和党支持者は、増税は絶対にダメだと考えている。 両者はともに「Fiat justitia, et pereat mundus(正義はなされよ、たとえ世界が滅びようとも)」をモットーとしているのだ。 信用バブルの後遺症、デレバレッジングが成長の足かせに 我々が目の当たりにしている財政危機は、欧米の民間セクタ