国債を流通市場で無制限に買い入れるという欧州中央銀行(ECB)が先週下した決断は、必要であると同時に大胆なものだった。 ドイツの名高い中央銀行ドイツ連銀を率いるイェンス・バイトマン総裁が投じた重要だが唯一の反対票を抑えて、この議論を呼ぶ施策への同意を取りまとめたマリオ・ドラギ総裁は称賛に値する。 ソブリン債務危機がスペインとイタリアに及ぶ前にECBがこの手を打たなかったことは残念だ。だが、その遅れ自体は特に意外ではない。ユーロ圏の政策立案者によるこれまでの対応は、恐らく避けられないことだったのかもしれないが、小さすぎるし遅すぎたのだ。 今回の行動が小さすぎることもECBの落ち度ではない。ECBの狙いは、市場の圧力によりユーロ圏が崩壊するリスクを取り除くことにある。しかし、それはECB単独では成し得ない仕事だ。ユーロ圏の存続を確実にするのは政治判断だ。ECBはその結果に影響を及ぼせるだけで、