前回のエントリーに続けて、原子力発電のコストについて考えてみましょう。 原子力発電と火力発電、ともにうまく動いている時のコストで比べたときには前者の方が有意に低い。これが、「原子力発電を停止して火力に切り替えた場合は、株主代表訴訟」論の前提となっているのだと思います。 ただ、今回の福島第一原発の事故によって、原子炉で大きな事故が起こったときにどのくらいの規模の損害を発生させることになるのかということが何となくわかってきました(詳細はこれからですが)。また、そのような事故に発展する危険というのは、「想定される東海地震に十分対応できるよう防潮堤の設置など中長期の対策」を講じない場合には今まだ思っていたほど低くないのではないかと認識されるようになってきました。そうすると、想定される損害の大きさと事故の発生確率とを基準に算定される「あるべき保険料」は、現在原子力損害賠償責任保険契約に基づき支払って