「海外アニメーション」に、実は戦争や難民の姿、社会の実態を描いた作品が多いことは知られていない。実写映画では描けないアニメの世界こそが社会の実態をリアルに表現できるのだ。 ◆ ◆ ◆ 2010年代、世界の長編アニメーション・シーンは一気に成熟し、表現の多様性を獲得した。表現手法も、絵柄も、取り上げるテーマも様々で、しかし共通して、現実社会への確かな眼差しと態度を持った「大人向け」の作品が増えてきている。それに伴走するかのように、日本のミニシアターで配給される海外長編作品の数もまた増えてきたが、一方で、観るべき人に、まだまだ届いていないとも感じる。この原稿はなによりも、それがアニメーションであるからという色眼鏡があるせいで「生涯の一本」になりえる作品に出会いそこねているあなたに向けて、書いてみたい。海外アニメーションの世界は、いま、映画表現全般でみても、相当エキサイティングな時期を迎えつつあ
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