「いまこの教室にいる100人のうち、25人は結婚しません。そして、結婚した75人のうち35人は離婚します。つまり結婚して離婚しないのは4割だけ。大学では学生たちにそのように話します」と切り出したのは、山田昌弘中央大学文学部教授。 去る11月30日に東京国際フォーラムで開かれた「日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2019」の「家族を、問う」分科会。「日本家族の現状とこれから」というテーマで講演した山田教授によると、高度成長期に形成された「夫は主に仕事、妻は主に家事で、豊かな生活をめざす」という家族観は、オイルショック以後の低成長期に入って、若年男性の収入の伸びが鈍ったため、男子の収入が高くなるのを待つことによる晩婚化や既婚女性のパート労働者化、またパラサイトシングルの出現と増大という現象を生み出しました。 そして、1995年以降のIT産業を中心としたニューエコノミーの進展やグローバル