2012年の固定価格買取制度が施行されて以来、日本では太陽電池の導入量が大きく伸びている。かつて住宅の屋根の上に設置するケースが中心だったが、昨今はメガソーラーに代表される、広い面積の平地などに太陽電池を敷き詰める事例が珍しくなくなった。太陽電池の設置の仕方は変わってきているが、一方で変わらないところがある。それは太陽電池がシート型(平板型)であることだ。 太陽電池の形状を円筒形に変えることで、太陽電池の設置自由度を高めようとしているのが、色素増感太陽電池を研究開発する九州工業大学 大学院 生命体工学研究科 教授 早瀬修二氏である。垂直に立てて無理なく使うことも可能という。早瀬氏に、円筒型色素増感太陽電池の利点や研究の狙いを聞いた。(聞き手は、大久保 聡=日経BP半導体リサーチ) ――色素増感太陽電池を研究開発する意図は? 早瀬氏 今後の電力供給状況を考えると、再生可能エネルギー、中でも太