<パンデミックの脅威は2008年の世界金融危機に匹敵する不況の引き金を引いた――予想される今後の各国経済のシナリオと、賢明な生き残り策とは> 新型コロナウイルスは、その致死性をはるかに上回る反応を世界中で巻き起こし、2008年の世界金融危機レベルの不況の引き金を引いた。いくつかの国では、これは政権にとって致死性のものとなるだろう。 日本では、7年に及ぶアベノミクスが振り出しに戻ろうとしている。これまで日本経済を大きく支えた円安は、わずか2週間で約10円も円高へ逆戻りとなった。アメリカで金融恐慌が生じて経済が縮小すれば、日本の輸出減少は決定的なものとなる。株価は下がり、またデフレ経済が戻ってくる。 しかも今回は、もはや日銀と政府に金融緩和や財政拡大の余力がない。それでも、今の野党には総選挙を迫る力はないため、もっぱら自民党内の力学が安倍政権の去就を決めることになる。 アメリカでも株式市場の崩