防犯カメラ、顔認証、SNSの分析…、犯罪捜査はテクノロジーの力でここまで進化した!「犯罪ビッグデータ」を用いて犯人を追い詰める専門部隊、「警視庁SSBC」の知られざる実態を、『警視庁科学捜査最前線』の著書もあるジャーナリスト、今井良氏が解説する。 座間事件にも投入された「警視庁SSBC」 捜査員が踏み込んだ部屋は異様な雰囲気だった。室内に点々と置かれたクーラーボックス。目を開けているのも苦痛な異様な臭い。百戦錬磨の捜査員もボックスを開けた瞬間、思わず顔をしかめたという。 2017年10月。男女9人が男に相次いで殺害され、遺体が神奈川県座間市内のアパートの1室に遺棄された事件が発覚した。社会的反響も大きかった事件の捜査に当たったのは実は地元の神奈川県警ではなく警視庁だったのだ。 警視庁はいわゆる東京都警察であり、東京23区と多摩地域、それに三宅島など島しょ部を管轄している。その守備範囲は東京