◇明治の「流星刀」参考に 「星の村天文台」(田村市)の大野裕明台長(61)が、隕石(いんせき)で作った「隕星剣(いんせいけん)」を福島市本内の自宅で所蔵している。隕石をもとにした刀剣は珍しく、国内では明治時代に作られた「流星刀」などが知られる。来年にも同天文台で公開する予定だ。 剣の制作は、「いつか隕石で刀剣を作りたい」という大野さんと福島市の刀匠・藤安将平さん(63)との40年来の約束だったという。米国アリゾナ州の砂漠に約3万年前に落下した「キャニオン・ディアブロ隕石」の一部30キロを大野さんが購入し、藤安さんに制作を依頼した。 明治時代に富山県で発見された隕石を政治家の榎本武揚が引き取り、溶かして刀にしたという「流星刀」の文献を参考に、藤安さんが92年に作り上げた。 剣の名前は、有名な流星刀にあやかり、藤安さんが付けた。刃渡り40センチの両刃で、刀身には隕石特有の波模様が浮かび