北陸電力(本店富山市)は11月30日、家庭向け電気料金の規制料金について、平均45・84%の値上げを経済産業省に申請した。一般家庭のモデルケースで月2696円の増額となる見通し。国審査を経て来年4月からの実施を目指す。⇒2023年3月期は過去最悪1000億円赤字…「対処可能な範囲を大幅に超えた」 北陸電力は今年10月、2023年3月期の連結経常損益が過去最悪の1千億円の赤字になるとの業績予想を発表。純損益は900億円の赤字を見込むとしていた。
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町職員同士が結婚すると夫婦どちらかに退職を促す慣習がある池田町。背景には町民の意見や人事上の制約などがあるという=福井県池田町稲荷 役場内で結婚した夫婦はどちらかが退職するべき―。福井県池田町では、町職員同士が結婚した場合、夫婦どちらかに退職を促す慣習が残っている。町側は、職員の高い給与水準を批判する町民感情や人事ローテーションの制約などを理由に「撤廃する予定はない」との考え。「時代にそぐわない」との指摘もある中、なぜこのような慣習が今も続くのか探ってみた。 ■町民の意見から誕生 この慣習は、前町長時代の1993年に誕生した。当時の町職員は町内の民間事業者と比べ給与水準が高く、家族内から複数人が公職に就くことに対して町民から疑問や批判の声が上がっていた。町はそれらの意見を踏まえ、町議会の理解を得て夫婦に退職を促すルールを設けた。現在も服務規程とは別に、人事上の内規として文章化されたものが残
【越山若水】「自然」はよくよく考えれば不思議な言葉である。「自」のつく単語はたくさんあるのに「シ」と読むのは「自然」ぐらい。ほかは「自分」「自信」などほとんどが「ジ」と発音する▼その理由を高島俊男さんが「漢字雑談」(講談社新書)で解説している。シは漢音で、ジは呉音である。古くはシと読む単語もあったが、次第にジに落ち着いたらしい。ではなぜ「シゼン」だけが残ったのか。それは「ジネン」と読む別の言葉があったからだという▼平安時代の物語には「じねんに恥づかしき」とあり、夏目漱石は「頬骨の下が自然(じねん)と落ち込んで」と書いている。これは「ひとりでに」の意味。一方、鎌倉時代の平家物語にある「自然(しぜん)の事のあらん時」は「もしも」の意味。江戸初期の日葡(にっぽ)辞書も両方併記している▼ただし明治になって、英語「nature」の訳語に「自然(しぜん)」が充てられ、こちらは「ジネン」が淘汰(とうた)
関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)から多額の金品を受け取っていた問題で、森山氏が福祉行政や嶺南振興担当の福井県幹部にも贈答品を渡していたことが10月2日、分かった。森山氏が住んでいた京都府京都市内まで出向いて直接あいさつすることが一部で引き継がれていた。森山氏は47年にわたり県の客員人権研究員を務めており、県当局に対しても存在感を持っていたとみられる。 ⇒【特集】関電幹部に巨額金品 関電は同日公表した報告書で森山氏の人物像に関し「原子力事業本部が主催する幹部人権研修に県幹部を招聘(しょうへい)している。県幹部も森山氏を丁重に扱う一方、森山氏が県の職員を叱責(しっせき)するなど、県との関係も特別な者である」と説明。歴代の社内引き継ぎの中で伝達されていたとしている。 贈答品を受け取っていたのは複数の部長級経験者。ある元幹部は「就任あいさつで京都を訪れた際に何かの詰め合わせ
幸福度日本一の社会は「嫁の犠牲の下に成り立っている」、3世代同居が多く地縁・血縁が強い一方で「近所や親戚に見張られている感じがする」―。福井新聞と日立京大ラボの共同研究プロジェクト「ふくい×AI 未来の幸せアクションリサーチ」で募集している、福井の暮らしで感じる「不幸せ」に切実な声が続々と寄せられている。データ上の「幸せ」だけでなく、幸せを実感できる社会を目指すには、こうした住民の痛みや生きづらさに向き合っていく必要がある。 ▽「無償の労働」前提 「幸福度日本一の福井県。聞くたびに違和感しかありません」。ある60代女性は「女性が一生懸命働いて、家計を支えて、家のことをするのが当たり前。女性にとっては不幸度日本一の県」と「男女不平等」を痛烈に批判した。共働き率日本一の福井を支える女性たちからの「不幸せ」の訴えが目立った。 福井市の30代女性は「夫や子ども、義理の両親、家、地域のためならば、嫁
福井県高浜町議会の児玉千明議員(30)がSNS(会員制交流サイト)フェイスブックなどに掲載していた、獣肉や自身を写した写真や文章が「命を軽視するような行為」で不適切だとして、東京の動物愛護団体が3月13日までに、児玉議員の辞職を求める要望書を同町議会事務局に送付したことが団体への取材で分かった。また、この写真などが別のSNS上で頒布されたことなどから、同町議会事務局に8日以降、100件を超す抗議のメールが送られる事態となっている。 児玉議員は1期目。県猟友会高浜支部に所属しているなど、獣肉を解体する機会がある。 要望書を送付したのは公益財団法人「動物環境・福祉協会Eva」。女優の杉本彩さんが代表理事を務める。問題視しているのは、児玉議員が昨秋までにフェイスブック(FB)に投稿した自身の写真や文章。獣の肉塊がぶら下がった前で包丁を持ったり、鹿の革製のちょうネクタイを身につけたりして、ともに白
監視員配置の経費削減のため、今夏の中止が検討されている学校プール開放事業=2013年8月、福井県福井市内の小学校プール 大雪対策の影響で財政難に陥っている福井県福井市は、本年度約150事業の縮減、中止、先送りを検討している。市民への影響は最低限に抑えたい意向だが、見直し対象事業には夏休み期間に行っている学校プール開放の中止や、街中にぎわいイベントの回数減、敬老祝い金の削減など身近な事業が入っている。市民もじわりと我慢が必要な一年となりそうだ。 毎年夏休みに合わせ、市内50の小学校で実施している学校プール開放事業の中止検討は、子育て世代に影響。市から説明を受けた市議会のある会派では、中止の是非をめぐって議論になったが、各校に2、3人配置する監視要員について「かなり負担のようだ」と一定の理解が示されたという。 小学生の子どもが2人いる母親(44)は「去年も友達と連れだって学校プールに結構行って
人気のペット犬であるチワワや柴犬、ダックスフントが、繁殖のためにすし詰め状態で飼育されていた。一斉にほえだすと、けたたましい鳴き声が耳をつんざく。飼育員は無数の犬から1匹ずつ無造作につかむと、狭いケージに押し込み餌をやった。「まるで地獄」。福井県坂井市郊外で2017年12月、商品を大量生産するように子犬を産ませる「パピーミル(子犬工場)」に視察に入った県内の動物愛護グループは、あまりに悲惨な光景に目を覆った。 数年前から「おびただしい数の犬の鳴き声がする」との情報が愛護グループに寄せられていた。経営者と従業員の間でトラブルが発生したと聞きつけ、愛護グループは2017年12月に2回、地元の県健康福祉センター職員とともに視察に入った。 愛護グループによると県内の動物販売業者は、廃業した平屋建て宿泊施設を改装して“工場”として使用。▽メス部屋▽オス部屋▽妊娠した犬の部屋▽子犬部屋-などに分かれて
「家庭訪問で登校刺激を行う→お願いしていない」「就寝時間がなぜそうなったのか本人に確認させる→プレッシャーになります」…。 「学習障害(LD)」がある佐藤駿さん(16)=仮名、福井県内在住=のために、保護者と教師らで作成する「個別の支援計画」には、母・美穂さん(45)=同=の意見が随所に記されている。 中学最後の計画にもかかわらず、特性が理解されていないと感じた。誤字やコピペ(文章の切り貼り)も散見され「真剣に考えてくれていない」と美穂さんの不信感は消えなかった。 駿さんは字を書くことが苦手。一方で、駿さんが友だちとSNSでするやりとりは普通の若者と何ら変わりない。「書こうとすると『書くことだけ』に意識がいってしまう」(美穂さん)。解決策として学校側に授業中のタブレット使用を求めてきたが実現しなかった。 「視力の弱い子が眼鏡をかけるみたいに、その子に応じてデジタル機器を使うのがどうしてダメ
日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉を巡り、原子力規制委員会の更田豊志委員長は29日の定例会見で、「1次系ナトリウムの取り出しは難しい」との認識を示した。もんじゅの設計段階では、炉心からの全量抜き取りを想定しておらず、約5年半かかる燃料取り出し後の検討項目の一つとなっている。 もんじゅは燃料の冷却材に液体ナトリウムを使用しており、1次系には約760トンが存在する。水や空気と激しく反応するため、取り扱いが難しい。 原子力機構によると、もんじゅは運転時、炉心に常に燃料を置いておく仕様であるため、配管破断時にも燃料が露出しないよう、炉心のナトリウム液位は常に燃料の上にくる設計となっている。このため、通常点検時の抜き取り方法では、数百トン程度が炉心に残ったままになるという。さらに1次系全体には液漏れ対策の保護容器がかぶせられており、改造も容易ではない。 ただ原子力機
福井県坂井市の東尋坊で自殺防止活動に取り組むNPO法人「心に響く文集・編集局」は、小型無人機ドローンによるパトロールで、自殺しようとしていたとみられる20代女性を19日夜に保護した。空からの監視による保護は初めて。 同NPOによると、同日午後4時半ごろ、マスクやサングラスで顔を隠した女性が岩場の先端にいるのをメンバーが発見。ドローンで監視を開始した。 別のメンバーが声を掛けたところ、女性はカメラを持っていないにもかかわらず「夕日を撮影したい」と答えた。不審に思い、空からの監視を続けたところ、岩場から下をのぞきこんだり寝そべったりしていた。 午後7時すぎ、遊歩道に戻った女性に同NPOの茂幸雄代表が声を掛けた。女性が逃げ出したため、追いかけて近くの雑木林で保護した。顔を隠したり、長時間岩場から海面をのぞいたりする行為から自殺を図っていたと判断、坂井西署に引き渡した。 茂代表は「死角になる岩場の
記事一覧 国内発見の宮内和也さんが心境 19年間悩み葛藤、福井新聞に語る (2017年2月26日午前7時20分) 失踪当時の状況などを語る宮内和也さん=25日、福井県敦賀市内 北朝鮮による拉致の疑いが濃厚な特定失踪者としてリストに挙がり、昨年6月に19年ぶりに国内で発見された福井県旧三方町職員の宮内和也さん(52)が25日、同県敦賀市内で福井新聞のインタビューに応じた。失踪当時の状況、19年間の深い悩みや葛藤を打ち明け「二度と古里には戻れないと思った。迷惑を掛けて申し訳ない」と頭を下げた。 ■失踪の状況 失踪した1997年4月24日夕、カヌーで海に出て、ロシアタンカー重油流出事故の影響がないか調べていた。インストラクターとして子ども向けのカヌー研修を夏場に控えていたためだ。海は荒れていたが、沖縄ではもっと大きな波を経験しており、大丈夫だと思った。 途中で転覆。カヌーとパドルを引っ張っ
記事一覧 高浜原発の劣化予測、正確さに不安 高浜1、2号機の運転延長を認可 (2016年6月21日午前8時26分) 使用前検査で耐震試験を行う高浜原発1号機の蒸気発生器=福井県高浜町田ノ浦の高浜原発 「相当困難」とされていた原発の40年超運転が、全国初申請の関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)で認められた。原子力規制委員会は「劣化を予測し、更新すべき部分は更新して、新規制基準を60年間維持できる」と判断した。ただ焦点となった原子炉圧力容器の劣化に関し、予測値が正しいか未知数という不安が残る。耐震試験の一部は未実施のままだ。原子炉等規制法が定める「40年」の制限は、早くも骨抜きとなった。 ■原子炉容器の脆化 運転延長審査で議論の一つになったのが、原子炉容器が中性子の影響を受けてもろくなる現象(脆化(ぜいか))だ。温めたガラス容器が急に冷えると割れてしまうようなことが、もろい原子炉で
記事一覧 大飯原発判決、司法の姿勢転換点か 福島原発事故後、審理に改革論 (2014年5月23日午前7時10分) 大飯原発3、4号機運転差し止め訴訟の判決を前に、横断幕を掲げる原告ら=21日午後、福井地裁前 大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向け原子力規制委員会の審査が続く中、司法から「運転は認められない」との判断が突き付けられた。2基の危険性、構造的欠陥を指摘した福井地裁判決の影響を探る。 × × × 東京電力福島第1原発事故を受け、原発の危険性を訴えてきた住民の思いを司法がくみ上げた。関西電力大飯原発3、4号機運転差し止め訴訟の原告側は、主張がほとんど認められた判決に勢いづき、上級審での勝訴確定へ全力を挙げる決意だ。 福井地裁の樋口英明裁判長の訴訟指揮は、過去の原発訴訟と明らかに異なっていた。「学術的議論を繰り返すと何年たっても(裁判は)終わらない」と指摘
記事一覧 国の原発シンポ、不満の声相次ぐ 重要性国民理解へ立地道県初開催 (2016年3月17日午前7時20分) 原子力エネルギーなどについて意見交換したパネルディスカッション=16日、福井市のアオッサ県民ホール 経済産業省資源エネルギー庁は16日、原発の国民理解を進める一環で「資源のない日本、将来のエネルギーの姿に関するシンポジウム」を福井市のアオッサ県民ホールで開いた。大津地裁の仮処分決定で関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)が運転差し止めとなった中、経産省側はあらためて政府の再稼働方針を強調。参加者からは終了後「この内容では理解は深まらない」「立地県の立場を考えた安全優先の説明がもっとほしかった」などと不満の声が相次いだ。 シンポは、昨年12月に林幹雄経産相が西川一誠知事と面談した際、原発の重要性に対する国民理解に向け全都道府県で説明会などを開くとした方針を受けたもの。原発立
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