広島で被爆した北朝鮮の娘、カメラマンが追う 映画公開2010年2月27日 1960年の帰国直前に李さん一家が撮った家族写真などをすり込んだ映画のチラシを持つ伊藤さん 海外の原爆被爆者の中で唯一、日本政府の支援が行われていない北朝鮮在住の被爆者を追ったドキュメンタリー映画「ヒロシマ・ピョンヤン 棄(す)てられた被爆者」が名古屋市中村区の映画館「シネマスコーレ」で公開中だ。企画から撮影、ナレーションまでこなしたのは、30年来、在外被爆者や慰安婦問題を取材している三重県在住のカメラマン伊藤孝司さん(58)だ。 被爆後、韓国、米国、ブラジルなどで暮らす人たちは長い運動のすえ、日本政府から被爆者健康手帳を取得し、健康管理手当などを受け取ることができるようになった。国交のない台湾も対象だ。だが、2007年現在で少なくとも382人の被爆者が生存する北朝鮮は唯一の例外だ。 07年、平壌に住む被爆者、李桂先