いま、実際に長生きの現場では何が起きているのか? ノンフィクション作家・松原惇子さんは、著書『長生き地獄』(SB新書)で、延命治療、在宅医療、有料老人ホーム、孤独死など、さまざまな長生きの現場を徹底取材し、その実態を書いた。松原さんは現場取材から、日本には“死にたくても死なせてもらえない高齢者”が大勢いることを知り、愕然(がくぜん)としたと言う。そんな松原さんが見た“死ねない現場”とはーー。 「死なせてくれ!」の声なき叫び 和男さん(仮名)の父親は80歳のとき、脳出血に見舞われ、救急搬送された。ICUに運ばれ、すぐに手術が行われたが、父親が一般病室に戻ってきたときは、意識のない状態だった。 現在は、日本尊厳死協会にも加入し延命治療の知識もある和男さんだが、当時は延命に関する知識もなく、自分の無知さに腹が立つと話す。 「親父が倒れたことだけで、わたしたち兄弟は動転してしまい、すべての判断は医
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