「新皿屋舗月雨暈(しんさらやしき つきのあまがさ)」 というのがもともとのタイトルです。 このお芝居の中の、魚屋の宗五郎を中心とした部分のみを今は出すので、「魚屋宗五郎」というタイトルのほうが有名になってしまっています。 宗五郎は町の棒手振り(ぼてふり)の魚屋さんでした。 天秤棒で魚の桶を担いで街中を売り歩く商売ですから、あまり安定した職業ではありません。 大酒飲みなので貧乏で、借金もあります。 妹のお蔦ちゃんが美人なので、とあるお旗本、磯部主計之助(いそべ かずえのすけ)さまから、お妾(めかけ)奉公の声がかかります。 お妾奉公というのは、お金をもらっての愛人契約ですが、 昔のお武家さまは、正式な結婚相手は家のつながりで決まってしまうのです。そこにあまり愛はありません。 それとは別に、好きになった女性を「お妾」として囲って一緒に暮らすというかんじです。 心情的にはわりと結婚に近いです。 こ
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