インターネット上のヘイトスピーチは、対策法から3年がたった現在も後を絶たない。対策法には禁止規定や罰則がないため、加害者の罪を問うには刑法を適用する必要があるが、大半は処罰されていないのが現状だ。被害者が尊厳回復のために民事訴訟を起こしても、被害を追体験して苦しむことになる。 ▽難しい刑事事件化 「良い朝鮮人も悪い朝鮮人も追い出そう。李さんは殺ろう」。2013年2月、フリーライターの李信恵さん(47)=大阪府=を名指しした差別投稿が、ツイッターに書き込まれた。 李さんはヘイトデモの現場に駆け付け、抗議や取材をする中でさまざまな中傷や脅迫を受けていた。直接的な殺害予告に恐怖を感じ、大阪府警に相談した。 府警は、書き込んだ東京都の男性会社員を脅迫容疑で書類送検。しかし、検察は不起訴にした。 他の投稿についても府警に相談したが、なかなか取り合ってもらえなかった。差別表現については「売り言葉に買い
