(Dir. Derek Clanfrance, Blue Valentine, 2010. アメリカ) あるカップルの一日を、結婚するまでの数ヶ月と離婚するまでの24時間と交差させて描いた映画。二人の始まりと終わりが叙情的な映像で描かれる、とても美しい映画だった。以下、ネタバレ感想。 朝の風景から見られる夫婦の関係: ある夫婦の朝の風景から映画は始まる。妻のシルヴィが仕事前の忙しい時間に鬼気迫る表情で娘のフランキーに食べさせるオートミールを用意しているあいだ、夫のディーンは子供の相手をしている。娘の面倒を見ているようで、ディーンは遊び相手になっているだけである。ここに、ディーンの人生すべてに対する姿勢が凝縮されている。 ディーンに任せるといつになっても出られるかわからないから、シルヴィが準備していることが、映画が進みディーンという男を知るにつれ、観客にもわかってくる。子育てを手伝っているよ