Windowsのソフトの一部がついにオープンソースになった。Windows躍進のきっかけとなった、1990年のWindows 3.0から使われているファイル管理ソフト「ファイルマネージャー」だ。古くて新しいソースコード以上に興味深かったのが、開発コミュニティーでの米マイクロソフト(Microsoft)の立ち振る舞いだ。
WebアプリケーションサーバーソフトのNode.jsには、これまでのWebアプリケーションサーバーとは全く異なる四つの特徴がある(図1)。(1)多くのアクセス要求を処理できること、(2)JavaScriptでアプリケーションを開発できること、(3)アドオンが充実していること、(4)様々な種類のサーバーとして動作すること、である。これらの特徴を順に見ていこう。 一つめの特徴は、ピグライフのように1万台規模のクライアントからのアクセス要求をさばけることだ。従来のWebサーバーとは異なる「ノンブロッキングI/O(インプット/アウトプット)」と呼ばれる考え方を取り入れることで、これを実現する。 この考え方は、スターバックスの接客方式をイメージすると分かりやすい。客はレジで注文と支払いを済ませると、配膳口近くで注文した飲み物ができるのを待つ。飲み物ができたかどうかに関係なく、レジでは次々と注文を受け
なぜ、こうなった――フジテレビの人気番組「ほこ×たて」で2013年6月9日、ハッカーとセキュリティ技術者が攻撃、防御の腕を競う珍しい企画があった。「どんなパソコンにも侵入する世界最強ハッカーVS絶対に情報を守るネットワークセキュリティー」という触れ込みである。 IT記者として、これを見ないという選択肢はない。何より、難解なハッキングの世界を、テレビというメディアがどのように料理し、分かりやすく紹介するのか、興味があったのだ。 結論からいうと、番組を視聴した後、何ともいえない違和感が残ってしまった。「『ほこ×たて』といえど、やはりハッキング勝負の映像化は難しかったのか…」と考え込んでしまった。 今回の「ほこ×たて」の事態は、日々セキュリティ関連の記事を書いている筆者にとっても、無縁ではいられない。防御側であるネットエージェントの説明、攻撃側である楽天所属のヴィシェゴロデツェフ・マラット氏への
勤務していた会社を辞め、たった一人で「達人出版会」という電子書籍専門の出版社を作ったソフトウエア技術者がいる。 高橋征義氏は達人出版会の代表取締役を務めるとともに、プログラミング言語Rubyの利用者や開発者の支援組織「日本Rubyの会」の代表理事という顔も持つ。 出版社を作ろうと思ったきっかけは「技術者がきちんとビジネスやマネタイズを意識するための勉強会」を準備するために、とある飲み会に参加したことだった。 「どんなビジネスをすればいいか」と他の技術者と話し合っているうちに、「良質な技術コンテンツを電子書籍として提供するサービスが日本にも欲しい」という話になった。 既存の出版の枠組みの中で出版社が電子書籍に注力しようとしても簡単ではない。こう考え、高橋氏は自分でやってみることにした。 当初はソフトウエア開発会社に勤めながら、電子出版サービスを検討した。しかし、同氏は昼の仕事に加えて、Rub
まずは国内企業におけるHaskellの事例をみていく。 Haskellは、多くの関数型プログラミング言語の中でも、関数型らしい特徴を最も豊富に備えており、関数型プログラミング言語の王道とも呼べる言語だ(表1)。関数型プログラミング言語の研究者らが中心となって言語仕様などをメインテナンスしている。 「Haskellなど全く知らなかった10人のSEが一から勉強を始め、金融機関が求める水準の高品質なパッケージソフトをつくり上げることができた」。新日鉄住金ソリューションズの内田康夫金融ソリューション事業本部シニア・マネジャーは胸を張る。 同社は金融機関向けの時価会計パッケージ製品「BancMeasure」をHaskellで開発した。HaskellではJavaなどと比べて短い記述が可能なため比較は難しいが、コード行数は約2万3000ステップである。プロジェクト発足時にはJavaのスキルしか持たなかっ
ニフティは2012年8月20日から22日までの3日間、都内で同社がかつて(1987~2006年)提供していたパソコン通信サービス「NIFTY-Serve」のサービス提供開始から25周年を記念するイベント「NIFTY-Serve大同窓会」を開催している(写真1、関連記事1、関連記事2)。 初日となる20日夜の「第1夜」は“やっぱりパソ通が好き。パソ通マニアが一挙集結”と題して、NIFTY-Serveと縁の深い有名シェアウエア作者らによるトークイベントや、人気フォーラムのシスオペ(SYSOP)による当時の思い出語り、パソコン通信に関連する80~90年代の懐かしいデバイス類の展示(写真2、写真3)および参加者による懇親会などが実施された。
「アプリケーションを開発し、それが動作する際にCPUやメモリーをどう使うのかが想像できる」。Linuxカーネルの開発に“メンテナー”として加わっている富士通の亀澤寛之氏は、OS作りに携わるメリットをこう語る。この能力があれば、情報システムの性能チューニングやトラブル対処に大きな武器となるのは間違いないだろう。 ただ、簡単にLinuxカーネルのメンテナーになれるわけではないし、OSを自分で作れるわけでもない。そこでLinuxディストリビューションを作ってみることを、お勧めしたい。Linuxディストリビューションは、Linuxカーネルを中核とし、各種システムソフトやアプリケーションをひとまとめにしたもの。GUI環境やパッケージ管理、起動関連のソフト、コマンド群やシェルなどを含んでおり、機能範囲でいえばWindowsに相当し、広い意味の「OS」といえる。 Linuxカーネルを開発するように内部ま
日本のIT現場で、日々当たり前に進められているシステム開発。そのやり方に、疑問を抱くことはまずないだろう。しかし、第三者の目で見ると、そこには世界の常識とは異なる部分がある。 別のやり方を知る外国人の目を通して日本のシステム開発を眺めることで、日本のやり方の良い点や他国に見習うべき点が浮かび上がってくる。日経SYSTEMS 2012年9月号の特集1「ここがヘンだよ 日本のシステム開発」の取材活動で、日本のIT現場で活躍する外国人エンジニアや、グローバルなシステムの開発に携わることが多い日本人エンジニアに、日本と外国のシステム開発の違いについて聞いた。取材を通じて、日本のシステム開発で独自性の高いところが多数明らかになった。ここでは、複数の人から「これはおかしい」と指摘された3点に絞って紹介する。 開発者は常に文句を言われる立場 香港出身で中国と米国、日本においてシステム開発経験が豊富なある
「クラウドは産業革命にも比肩し得るパラダイムシフト」---米Red Hat 社長兼CEOのJim Whitehurst氏は、米国ボストンで2012年6月26日から29日まで開催された同社のイベント「Red Hat Summit and JBoss World 2012」の基調講演でこのような認識を示した(写真1、関連記事)。その認識どおり、Red Hatはクラウドに向け全力を投入している。IaaS管理ツール「CloudForms」、開発者向けPaaS「OpenShift」の提供を開始。分散ストレージソフト「Red Hat Storage Server」やKVS「JBoss Data Grid」もリリースした。
日本マイクロソフトは2012年6月8日、米国で6月6日に発表したクラウドサービス「Windows Azure」の機能拡張について説明会を実施した。新しい仮想マシンサービス(IaaS)では、OSとしてWindowsのほか、Linuxも提供(写真1)。今年夏から秋に開始する正式サービスでは、Windowsが10.06円/時であるのに対し、Linuxが7.43円/時と26%安価にする予定だ(マシンが共有型で、CPUが1.6GHz、メモリーが1.75Gバイト、ディスクが225Gバイトの場合)。6月6日に開始したプレビューサービスでは、どちらも7円/時である。 提供するLinuxは、CentOS 6.2、Ubuntu Server 12.04 LTS、OpenSUSE 12.1、SUSE Linux Enterprise Server 11 SP2の4種類。どれも、Linuxディストリビューションを
大量の名刺がたまっているがデジタル化して一発で検索できるようにしたい。市販の名刺管理ソフトよりも、手間も費用もかけずにできないだろうか――。こんなとき、クラウドサービスの「Evernote」を活用すれば、一気に解決するでしょう。 Evernoteは、テキストや画像といったデジタルデータをサーバー上に保管し、いつでも簡単にアクセスできるクラウドサービスです。名刺データの保管と検索が無料で実現できます。EvernoteはOCR機能も備え、文字を読み取り可能。手書きのメモをスキャンしたものまでOCRで文字認識し、語彙(ごい)検索を可能にしています。 既に100枚以上の名刺がたまっているとしましょう。Linuxを導入したパソコンにスキャナーを接続。自動紙送り装置(ADF)付きのスキャナーであれば、どんどん名刺を読み込めます。読み込んだ画像をEvernoteのサービスに送信するだけで、名刺管理システ
アシストは2012年5月14日、尾家産業がOpenOffice.orgを標準オフィスソフトとして採用したことを明らかにした。アシストのOpenOffice.orgサポートサービスを採用する。ユーザーは約900人で、移行により約3000万円のコストを削減できるとしている。 尾家産業は大阪に本社を置く食品商社。シンクライアントへの移行にあたって、オープンソースのオフィスソフトであるOpenOffice.orgを採用した。2012年3月のシンクライアント環境リリースにあたってOpenOffice.orgを社内に展開し、2012年4月より標準オフィスソフトとした。オフィス文書のひな形ファイルについても、OpenOffice.org標準ファイル形式であるOpenDocument Format(ODF)への移行を進めているという。 OpenOffice.orgを採用した理由として、OpenOffice
経営者にとって、情報システムは頭痛の種になりがちだ。業務に必須だが投資に見合った効果が出るとは限らない。ほかの設備投資に比べて専門的で難解でもある。 野村総合研究所で約20年間勤務した後に、人材派遣大手スタッフサービスのCIO(最高情報責任者)を務め急成長を支えた著者が、ベンダーとユーザー両方の視点から、“システム屋”の思考回路と、上手な付き合い方を説く。 前回は、「偽装請負」を含むIT(情報技術)業界の多重取引構造について指摘しました。もう少し具体的に見てみましょう。 システム開発に関する契約は、ユーザー企業と元請け企業の間でも、元請け企業と下請け企業の間でも、請負契約であることがほとんどです。つまり委託と受託の関係です。作業範囲や成果物を明確にして、「その範囲をやってもらう」「○○を納品してもらう」といった主旨の契約です。 しかし見積書などをよく見てみると、「○○作業××人月分」といっ
これまで日本で比較的情報が少なかった「ユーザーストーリー」という要件定義手法の普及に永和システムマネジメントが乗り出した。2012年5月22日、同手法のノウハウを学ぶセミナーを初めて開催する。一般企業の情報システム部門が主な対象。 同社によれば、ユーザーストーリー手法について海外では『User Stories Applied』などの解説書が発刊されているが、国内では情報が少ない。要件定義のフェーズで起こりがちな「要求が本当に妥当か分からない」、あるいはアジャイル開発を進める途中での「予算に合わせて柔軟にスコープを変更したい」といった課題の解決にも役立つという。 具体的には、「現在の業務フローを書き出す」「関係者が要求を提示する」「要求事項を業務フローにマッピングしながら、あるべきフローを作る」「あるべきフローから、利用シーンを抽出する」「利用シーンごとにストーリーを洗い出す」「ストーリーの
松江市は2012年4月20日、同市が作成したWebアプリ「業務システムひな形生成ツール」(写真1)、「まつえRubyカレンダー」(写真2)をOSSとして公開した。「Rubyを利用して身近な内容のソフトウエアが開発できることを広く市民に知って、実際に試してもらいたい」(松江市)としている。 「業務システム画面ひな形生成ツール」は、企業や自治体の業務で使用するシステムの、画面構成のひな形を、自動生成するツール。Ruby on Railsのscaffoldの機能を拡張しており、scaffoldと同様の操作手順で生成することができる。 「まつえRubyカレンダー」は、予定を書き込み、管理できるWebアプリケーション。Rubyで記述されている。Googleカレンダーなどで作成した予定を取り込む機能や、松江市のごみ収集日データを取り込む機能なども備える。Windows版、MacOS版、Linux版を用
技術者の皆さんの中には、「コンサルティングなんてオレには関係ない」とか「コンサルタントは適当なことを言って高い報酬を得ている」などと思っている方がいるかもしれません。 この連載『あなたもコンサルタントになろう』は、そのような誤解を解くと同時に、等身大の身近なコンサルティング・テクニックについて、やさしく解説するものです。コンサルタントという職業につこうとしている人でなくても、きっと役に立つところがあると思います。最後まで気楽におつきあいください。 連載目次 わからないということをハッキリさせる 拡散から収束へ 解決策は自分で考える スピード感を共有する 仮説思考を重視する 顧客の持っている力を引き出す
まつもとゆきひろ氏は2012年4月20日、組み込みシステム向けの軽量Ruby「mruby」を公開した。まつもと氏が福岡県などと経済産業省の地域イノベーション創出事業として開発していたもの。組み込みシステムの生産性向上を狙う。 mrubyは組み込みシステム向けに文法をシンプルにし、通常のRubyに比べ少ないメモリーでも動作するようにしたもの。UNIXやLinuxだけでなく、Windows、Mac OS X、BeOSなどでも動作するという。生産性が高いとされるRubyを軽量にして移植性を高め、組み込みシステムに適用することで、家電製品などのソフトウエアの開発生産性を向上させることが目的だ。 福岡県では経済産業省の地域イノベーション創出事業として、九州工業大学、東芝などと協力し、組み込み向けのRubyプロセッサ「Rubyチップ」の開発に取り組んでいる(関連記事)。mrubyとRubyチップを組み
検討会議で要件を詰めていく際は、検討対象となる業務プロセスの漏れに注意を払わなければならない。検討漏れは、大きな要件漏れにつながるからだ。そのため、新業務を業務フロー図などとしてモデリングし、関係者で妥当性を確認するのが一般的である。 日本ユニシスの福島祐子氏(総合技術研究所 インキュベーションラボ 上席研究員)は、新業務をモデリングする際に、「例外処理の検討漏れを起こしやすい」と指摘する。「配送手配後の注文キャンセル対応」といった例外処理は、業務プロセスごとにいくつも存在する。そのため例外処理をすべて業務フロー図として書くのは難しい上に、数が膨大になるとレビューしきれなくなる。かといって、例外処理を業務フロー図の補足説明として文章で表すと、漏れがあっても気付きにくい。 そこで、業務の例外処理を漏れなく洗い出すために、日本ユニシスの開発現場では「BMAPROS」と呼ぶ独自の技法を用いている
ヤフー子会社のIDCフロンティアは2012年3月22日、自社のクラウドサービスと、米ライトスケールのクラウド管理サービス「RightScale」との連携を正式に開始すると発表した。2月15日から試験サービスとして提供していたものを(関連記事)、3月23日から正式化する。 RightScaleは、仮想マシン管理の自動化などを実現できるサービスで、IDCフロンティアのクラウドサービスも管理可能になる。さらに4月からは、RightScaleの日本語サポートを行うほか、IDCフロンティアのクラウド利用料金にRightScaleの利用料金を含めたパッケージサービスの提供も行う。 RightScaleは、専用のスクリプトや、スクリプトを組み合わせた「サーバーテンプレート」を使って、仮想マシンの運用管理ができるというサービス。ユーザーは用意されたサーバーテンプレートを選択するだけで、アプリケーションサー
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