「船を離れた、沈みそうだから」と携帯で 伊船長イタリア中部ジリオ島沖で大型クルーズ船「コスタ・コンコルディア号」が座礁、浸水した事故は、通常航路を大きく外れて同島に異常接近した際に起き、17日までに11人が死亡、多数が行方不明となっている。日本人乗客43人も命からがら難を逃れた。危険な航路を選び、避難誘導よりも自身の脱出を優先させたフランチェスコ・スケッティーノ船長(52)による悪質な「人災」の疑いが濃厚になってきた。 ◆救助放棄? 「船を離れた。船が沈みそうだから」。伊メディアによると、同船長は、ほぼ横倒しとなった船を望む島の岩場から、港湾当局者に携帯電話で話していた。事故発生から、わずか約3時間後のことで、船内では乗客多数が救助を待っていた。港湾当局の係員が「船に戻ってほしい」「家に帰りたいとでもいうのか」などと迫ると、船長は「大丈夫だ。戻る」と答えていたが、船に戻ることはなかった。