小さな子どもの性同一性障害が日本でも親や学校関係者の関心を集めつつあるが、性的マイノリティー(LGBT)に友好的で、さまざまな支援もあるカナダには、76年から40年近くにわたって子どもの性同一性障害の治療と研究に取り組んできた医療施設「トロント大学付属中毒および精神保健センター」(CAMH=キャムエイチ)がある。これまでに800人以上の診療実績があるこの施設を訪ねた。【丹野恒一】 ◇トロント大で心理療法 性別の違和感軽減 「子どもの性同一性障害」と一言で言っても、小児期(12歳以下)のものは青年期(13〜18歳)以降とはやや異なる特徴がある。CAMH教授で、子どもの性同一性障害の世界的権威でもある心理学者のケネス・J・ズッカー博士(61)がこう解説してくれた。 「青年期以降は、性別への違和感が既に固定されてしまっている。だが、12歳以下でCAMHに来た子どもを追跡調査したところ、大人になっ
同性愛や性同一性障害などの性的マイノリティー(LGBT)を取り巻く環境は、時代や国によって大きく異なる。多文化・多民族国家のカナダは05年、同性間の結婚が合法化された「先進国」の一つだ。特に性的マイノリティーに友好的とされるトロントで、若者や子どもたちに対する支援の現状を取材した。【丹野恒一】 ◇当事者だけの高校も 同世代に体験語り 五大湖のオンタリオ湖岸にあるカナダの最大都市、トロント。性的マイノリティーの多様性と共感をアピールするイベント「プライド・トロント」最終日の7月1日、メーンストリートでは10日間のイベントを締めくくる恒例のパレードが行われていた。 参加者は3万人に上り、沿道は国内外から集まった120万人の観衆で埋め尽くされた。思い思いの格好で歩く当事者たちに加え、警察や銀行など「お堅い」イメージの組織も「あなたたちの生き方を支持する」などと書かれたプラカードを掲げて歩く。ひと
メッセージを書いたプラカードを掲げてパレードする参加者ら=東京都渋谷区で2012年8月11日、丹野恒一撮影 同性愛や性同一性障害などの性的マイノリティーが性の多様性を訴えるイベント「セイブ・ザ・プライド!」(実行委主催、東京都、米国大使館後援)が11日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。野外音楽堂でエイズ防止の啓発やダンスショーが行われた後、約600人が渋谷や原宿の街を約2キロにわたってパレードした。 参加者は、多様性を象徴するレインボーカラーの旗を身にまとったり「同性愛は趣味や病気ではありません」と書いたプラカードを掲げて行進。東京都内に住む、ともに26歳の男性カップルは「同性愛者はごく普通にみんなの近くで暮らしていると知ってほしい」と、ワイシャツにネクタイ姿で手をつないでアピールしていた。【丹野恒一】
大阪に先日出張し、久しぶりにJR大阪環状線を利用したが、ある日、車両に入った途端に警備員に呼び止められた。「ここは女性専用車両なので移動をお願いします」。私はうっかり女性専用車両に乗っていたのだった▼しかし、この女性専用車両の存在には疑問を感じる。女性専用車両の乗客はまばらだが、他の車両は混雑が激しく、高齢者がつり革を持って立っていることも少なくない。男性専用車両は存在しないし、通勤時間帯ともなれば利用客は男性の方が圧倒的に多いのだから、当然の事態だ▼女性への迷惑行為防止を目的に始まった車両だが、ならば利用者の性別に応じた比率で車両を男女別に設定すればいいのではないだろうか。いや、それよりも、高齢者や体の不自由な人たちに配慮した専用車両の導入こそ優先するべきだと思う。【高谷均】
大阪市の橋下徹市長は19日、市民サービスを大幅に削減する市政改革プランで全館廃止を決めていた男女共同参画センター(クレオ大阪、5カ所)と生涯学習センター(5カ所)について、一部を存続させる方針を表明した。全廃に市民の反発が強く、市議会第2会派の公明党の強い要望を受け、方針転換した。 市議会常任委員会で、公明党議員の質問に答えた。クレオ大阪は、女性の社会進出支援を目的に、93年から女性向けの語学講座や育児、DV(ドメスティックバイオレンス)相談などを実施。市政改革プランでは全5カ所を廃止し、区民センターなどの施設に機能を集約するとしていた。 橋下市長はこの日、「DVなどの相談は身近な施設ではしにくい」として、「複合化、多機能化を図りながらオール大阪のセンター館として1カ所を存続させる」と話した。
内閣府男女共同参画局の「女性に対する暴力に関する専門調査会」(会長・辻村みよ子東北大大学院教授)は9日、刑法の強姦(ごうかん)罪を、被害者からの告訴がなければ起訴できない「親告罪」から外し、捜査当局が職権で起訴できるよう法改正を求める報告書原案をまとめた。今後政府の男女共同参画会議で議論する。 強姦罪を巡っては10年12月に閣議決定された「第3次男女共同参画基本計画」が、見直しを視野に入れた検討を関係省庁に求めていた。これを受けて調査会は昨年9月から11回にわたり、性犯罪対策について話し合った。 被害者の名誉やプライバシーを守る観点から、刑法は強姦罪を親告罪と定めているが、被害者自身が告訴を判断するため精神的に重い負担を強いられたり、被害者が子どもや知的障害者の場合は、裁判で告訴能力を否定される例もあり、関係者から「泣き寝入りにつながる」と指摘されていた。国連の自由権規約委員会は08年、強
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字から「LGBT」と呼ばれる性的マイノリティーへの理解を深めようと、駐大阪・神戸米国総領事館(大阪市北区)でこのほど、同姓婚を明らかにしているパトリック・リネハン総領事(53)との懇談会が開かれ、ゲイをテーマにした映画も鑑賞した。 関西の性的マイノリティーら約40人が参加。米では6月が「LGBTプライド月間」に定められていることなどから、同総領事館が今年初めて企画した。 参加者は、ゲイであることを公表し米で初めて公職選挙に当選したハーヴィー・ミルクを描いた映画「ミルク」を鑑賞。リネハン総領事と日本社会での性的マイノリティーへの受け止め方などについて語り合った。ゲイで神戸市から参加したTAKEさん(35)は「性的マイノリティーが受け入れられる環境を日本でも整えていきたい」と話していた。【宮嶋梓帆】
過激な性描写がある漫画やアニメソフトなどの販売規制に新たな基準を導入した東京都の改正青少年健全育成条例が、7月1日で施行1年になる。条例改正は出版界から「表現の自由の侵害だ」と猛反発を受けたが、今のところ新基準に抵触するとして指定された「不健全図書類」は1件もない。都は「条例の趣旨が理解された結果」と受け止めるが、創作現場からは「表現の萎縮が広がっている」との指摘も出ている。 「昨夏以降、どの版元(出版社)も性表現には今まで以上に注意している。新基準での不健全図書指定第1号という『不名誉』な称号は、やはり避けたいのが本音だ」。漫画雑誌などを出版する「少年画報社」(千代田区)の戸田利吉郎社長(66)は、業界内の空気をこう説明する。 性描写がある漫画やアニメを18歳未満にも売るかどうかを決めるのは、一義的には版元だ。「成人向け」と判断すれば、識別マークをつけて出荷し、書店は成人コーナーで販売す
[ワシントン 26日 ロイター] 同性愛者らの人権運動の実績をたたえる特別月間にあわせて、米国防総省でも26日、イベントが開催された。 同イベントには400人以上が出席し、パネッタ長官は「これからも米軍を機会均等のモデルにするため、できるだけ多くの障壁を取り除いていく」とビデオメッセージを送った。 国防総省では従来、同性愛者が入隊する場合は、同性愛者であることを公にしてはならないという政策が導入されていた。しかし2010年10月、米カリフォルニア州の連邦地裁は同性愛者の軍務禁止規定を違憲と判断し、同年12月にはオバマ米大統領が同性愛者の入隊規制を撤廃する法案に署名した。 このイベントに参加した同性愛者のマシュー・フェルプス海兵隊大尉は、イラクに従軍した時のことを振り返り、愛する人のことを同僚と話せず、部隊と団結できなかったとし、同性愛者の入隊規制撤廃は軍の能力を向上させると語った。 一方で
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