新型コロナウイルスの感染拡大を受け、水道料金が注目を集めている。在宅時間の増加によりかさむ水道料金の減免を一部自治体が打ち出しているからだ。しかし、全国の自治体(水道企業団)で比較するとその料金にはおよそ8倍の開きがある。どうしてこれほど違いがあるのか。生活用水としてだけでなく、衛生面でも大きな役割を果たしている水道を維持していくために、水道料金のあり方の議論はこれから活発化しそうだ。 (藤原由梨) 千種川のめぐみがもたらす最安値 「なぜ水道料金が安いのか、市民の方からよく問い合わせがありますが、特に市のほうでPRはしていないんです」 公益社団法人「日本水道協会」(東京)の平成31年4月時点のまとめで、月に水道水20立方メートルを使用した場合の料金が全国で最も安い853円だった兵庫県赤穂市の担当者はこう話す。20立方メートルは2、3人世帯の家庭の一般的な使用水量を想定したもの。このまとめで