長嶋茂雄、野村克也、アントニオ猪木、原辰徳……江本孟紀75歳の人生を振り返る時、大物の存在は欠かせない。「ベンチがアホやから野球がでけへん」というプロ野球史に残る名言を放って球界を去った彼は、翌1982年に発表した著書『プロ野球を10倍楽しく見る方法』が200万部超えの大ベストセラーに。巧みな話術を武器に野球解説のみならず、ドラマやバラエティ、講演会など多方面から引っ張りだこになる。そんな江本に政治家の話が舞い込んだのは、45歳になる直前だった。(全3回の1回目/#2、#3へ)※敬称略、名称や肩書きなどは当時 ◆◆◆ 「猪木さんは『うん』と言わざるを得ないパワーや心意気を持っている人なんですよ」 日本のプロレス界を牽引し続けたアントニオ猪木は1989年、『国会に卍固め』『消費税に延髄斬り』を掲げ、スポーツ平和党を立ち上げて参議院議員選挙に出馬。比例区の当選50枠のうち48番目で滑り込み、初