携帯電話事業の設備投資が重荷になり、巨額赤字に陥っている楽天グループ(以下、楽天)。そんな楽天の命綱になる可能性があるのが、自社で導入した仮想化通信技術の輸出ビジネスだ。オープン化や仮想化への期待が高まるなか、楽天はいち早く基地局を含めた完全仮想化ネットワークを構築し、世界の通信事業者から大きな注目を集めている。2021年8月にはドイツの新興通信事業者に仮想化通信技術を提供する大型契約を結んだ。通信インフラ輸出ビジネスは、楽天を救えるか。 既に数千億円規模を受注、楽天シンフォニー事業 「現在、既に数十億ドル(約千億円)規模の契約を顧客と結んでいる。見込み顧客を含めると約130のパイプラインがある。スタートアップの組織としては、立ち上げ当初から非常に順調だ」――。 楽天シンフォニーでCRO(Chief Revenue Officer、最高収益責任者)を務めるRabih Dabboussi(ラ