このところ本ブログでアメリカ経済に関する記事を書いていません。2007年になったことで、今年の経済見通しを分析しなければと感じています。ただ、年初に東洋経済の『金融ビジネス』(2007年冬号)に「ポールソン財務長官の対中国戦略:ルービンに匹敵する手腕を示せるか」と書評にジェフリー・サックスの『貧困の終わり』を書いたり、大学の授業の準備などで時間が取れませんでした。そこで、今回、アメリカの金融政策の担当者二人の経済分析と見通しを紹介します。それは連邦準備制度理事会のドナルド・コーン副議長が1月8日に行なった演説と、トーマス・ホーニング・カンサスシティ連邦準備銀行総裁が1月19日に行なった演説(The National Economy and Monetary Policy in 2007)です。二人ともアメリカの金融政策に携わる人物ですが、経済に対する見方は決して同じではありません。両者の見