圧巻の完成度を誇った1話が沸点かと思いきや、続く2話もなんら緩むことなくおもしろい。恋はスリル、ショック、サスペンス(©愛内里菜)とでもいうようなエンターテインメント性を保ちながら、芯をくった人間ドラマが並走している。坂元裕二『anone』と野木亜紀子『アンナチュラル』、まったくタイプの異なる2本の傑作を同クールで鑑賞できるこの2018年の冬は、後のテレビドラマ史において語り草となるに違いありません。不明瞭で複雑ゆえに豊かな『anone』、単純明快でポップな『アンナチュラル』、というように対比させたくもなるのだが、実のところ『アンナチュラル』もかなり攻めたドラマである。その展開は目まぐるしいほどに速い。誰もが同時多発的に喋り出し、通常のドラマであれば”ノイズ”とされるような環境音や生活音が当たり前のように役者の台詞に被ってくる。2話で言えば、冒頭の会話を切り裂くパトカーのサイレン音の堂々た