冨士宏氏は、前述のようにナムコタイトルでキャラクターデザインやイラストを担当するとともに、社員(のちに退職)としては珍しい仕事を担当する。それが、ナムコのゲームセンターなどで配られていた無料冊子“NG”でのマンガ連載だった。 NGはナムコ直営のゲームセンターを中心に配られていた冊子(いわゆるミニコミ誌、フリーマガジン)で、ナムコの新作紹介、読者投稿のコーナーなどに加えて、ナムコタイトルにまつわるマンガも掲載。NGは、プレイステーションで展開していた『ナムコミュージアム』シリーズに収録されていたこともあるので、知っている方もいるだろう。冨士宏氏は、そんなNGの中でオリジナルマンガ『午後の国』、そして『迷廊館のチャナ』を連載していた。 しかし、NGは1993年に休刊。『迷廊館のチャナ』は未完となる。その後、冨士宏氏はマンガ家として、ワルキューレが主人公の『ワルキューレの降誕』、『ワルキューレの