いつもなら他愛のない会話が飛び交う団らんのひとときなのに、静まり返っている。 全員が前を向き、黙々と食事をする様子は、ちょっと異様だったかもしれない。 1月下旬から2月半ばに掛けて、Jリーグの各チームがトレーニングキャンプを行なった。世の中はコロナ禍の真っ只中だが、2月末のシーズン開幕を控え、キャンプを張ってチーム作りを進めないわけにはいかない。 どのチームも細心の注意を払って日程を消化したが、沖縄でキャンプを張ったFC東京も、そうしたチームのひとつだ。 キャンプも半ばに差し掛かった頃、キャプテンの東慶悟がこう語っていた。 「県外から来て、沖縄で感染を広めるようなことはあってはならない。ましてや僕らは感染者が最も多い東京から来たわけですから。受け入れてくれた沖縄の方々、ホテルの方々のために、節度のある行動を心がけています」 マスクの常時着用はもちろんのこと、移動の飛行機では一般客と隣り合わ