ロシア軍に殺害された息子の葬儀で嘆く女性=ウクライナの首都キーウ近郊のブチャで2022年4月18日、AP 4月7日の国連総会で、ロシアを国連人権理事会から追放する決議が採択された。ロシアがウクライナで「重大かつ組織的な人権侵害」を行ったというのが追放の理由だ。決議は、賛成93カ国、反対24カ国で、棄権は58カ国にも上った。 棄権した国は、一律にロシアへの配慮をみせたというわけではなく、ロシアの蛮行を裏付ける十分な証拠が集まっていないことを考慮したようだ。ただ、ウクライナから連日伝えられる目を覆うような破壊と殺りくの惨劇をみていれば、ロシアの戦争犯罪は明らかであり、人権侵害をする国を人権理事会から外すという判断を世界がしたことは、当然のことだと思う。 なぜ残虐行為をするかを考える しかし、考えておかなければならないのは、ロシア兵がなぜ残虐行為を繰り返しているのかという点だ。ウクライナに侵攻し