仕事場で矢吹ジョー、力石徹の絵を見ながらインタビューに答えるちばてつやさん=東京都練馬区の仕事場で2024年4月25日、宮本明登撮影 立て……、立つんだジョー! この名セリフ、今のZ世代だって、一度は耳にしたことがあるのではないか。ボクシング漫画「あしたのジョー」。その連載終了から、はや51年。不屈のヒーロー、矢吹丈はやっぱり空前絶後の存在だ。そう思って、漫画を描いたちばてつやさん(85)を訪ねると、「令和の時代にはジョーはいないだろうって? ヘヘヘ。それはね……」。ちょっと照れながら、意外な話を披露した。 不朽の名作「あしたのジョー」。宿命のライバル、力石徹が絶命すれば詩人の寺山修司らが葬儀を営み、最終回を迎えると編集部にファンから抗議電話が殺到したことで知られる。それは1967年、少女漫画で商業デビューしていたちばさんと、原作者、梶原一騎さん(高森朝雄名義)の異色タッグによって産声をあ