スタンフォード大学の名誉教授ロバート・サットンは、学界でも特別な存在だ。彼は精力的に研究を続けてきたが、その講演の聴衆は学者たちではない。企業幹部や管理職の人々、そしてあらゆる企業の社員たちが、サットンの声に耳を傾けてきた。 組織心理学者としての40年以上の経験を通して、サットンは、組織内で起こりがちな問題と解決策を追求してきた。その成果は、ベストセラー『スタンフォードの教授が教える職場のアホと戦わない技術』をはじめとする著書にまとめられている。 サットンの最新作は、スタンフォード大学で長年研究をともにしてきたハギー・ラオとの共著『フリクション・プロジェクト 職場のおかしなルール改革』(未邦訳)だ。本書でサットンたちは、あらゆる企業の管理職者に向け、業務を困難に(ときには不可能に)している職場での「摩擦」について真剣に考えるよう呼びかけている。また、仕事の効率アップから大幅な働き方改革まで