俗流「現代思想」ではない、本当の68年5月の思想へ 安直な流行への追従と商業主義の下で消費されてきた「現代思想」の流れと手を切り、1968年5月革命の熱気を宿す哲学・思想を、あくまでも文献と文脈に忠実であるがゆえに急進的な政治性から目を背けることなく捉えること――それこそが新世代の研究者の使命なのである。【選者:鹿野祐嗣(しかの・ゆうじ : 1988-:神戸大学助教)】 哲学・思想・宗教・心理(399)
「提題:なぜ我々は日本哲学会に入らないのか」 遠藤進平(一橋大学) 第80回日本哲学会ワークショップ「若手研究者をとりまく学会の現状と課題」における提題として 序:外からやいのやいの言うことについて この文章は、日本哲学会の会員ではない者による、なぜ会員ではないのかについての事情説明と、こうしたら会員になることを検討するだろうという日本哲学会への提言である。最初に、提言の内容をひとことで書いておこう。それはすなわち、「日本哲学会は名前にみあっていないので参加していない。名前にみあう会になったときは加入を検討する」ということである。 自己紹介をしておこう。私は哲学者か。あるいは哲学研究者か。論理学をどう扱うのかという問題もあるにしても、関心やこれまで発表してきたことがらは、哲学以外のどこにも置くのが難しいことが多い。業績などはresearchmapを参照されたい。(https://resea
柄谷行人と渡部直己の対談によれば、現在、日本において《批評》というものは消えかかっており、一方で東浩紀が《ゲンロン》で、一方で山城むつみが『すばる』で、その傾向に抵抗しているらしい。 渡部:でも、海外はともかく、僕が学生の頃に日本で一番輝いていたのは、批評家でしたよ。そこは小林秀雄の功績を認めざるを得ない。小林のあとに、吉本・江藤、蓮實・柄谷とつづく。僕がおくてだったせいかもしれませんが、七〇年代は、人文系で一番冴えてるのが批評家だと思っていました。最先端の哲学・思想を語ることから、小説の批評や新人の発掘、あるいは、社会批評や文明批評まで、映画・音楽・美術もふくめいろんなことができるのが批評家である、と。もっとも幅が広くて、しかも、それぞれの専門家よりも鋭くないと、その幅を維持できない。そう思ってました。それが、僕自身をふくめ、段々そうじゃなくなってきて、ついには、今や批評自体が消えかけて
初めて本を買ったのはいつだっか。 うーむ。思い出せない。 Age17 高校の図書館で。『ゾマホンのほん』を読む。「ハゲは偉い人の象徴です。私も早く禿げたいです。」 「いやーーーーーー」と思った記憶がある。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー Age20 石田衣良『池袋ウエストゲートパークシリーズ』東野圭吾『手紙』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー Age22~24 新書に手を出す。『就活のコノヤロー』『働くとはなにか』など 大学の課題:『コモンセンス』『ASKING THE RIGHT QUESTIONS』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー Age25~26 成功本祭り・ビジネス本祭り・ナンパ本祭り、新書、たまに哲学、ノンフィクション 25のオレ「あーーーーーーー女と
宗教学は、様々な手法を用いて宗教を研究する国際的な学問ですが、どの大学でどのような特徴があるかは入学する前は分からないですよね。 今では、キリスト教だけでなく、仏教やイスラム教、その他の小さな宗教まで(現代宗教も)その範囲に含まれ、あらゆる宗教現象を様々な方法で研究します。 そこで、今回は皆さんが気になる、旧帝国大学それぞれの宗教学研究の特徴をご紹介したいと思います。あくまで私が聞いた話やイメージですので、ご自身でも各大学の教員の方の研究テーマなんかを調べてみてくださいね。 気になった方には、ホームページやSNSなどでコンタクトしてみると、いろいろ教えてくださる教員の方もいると思うので、正確な情報を得たい場合はそうなさることをお勧めします。 東京大学の宗教学 全体のイメージ:宗教科学や社会学、人類学などとさまざまな領域で幅広いアプローチから宗教学研究を行っている印象。対象を理論化する視点も
ただ生きるアナキズム 哲学・宗教 森 元斎(著) 四六判 312ページ 並製 定価 2600円+税 ISBN978-4-7872-1059-3 C0010 書店発売予定日 2024年05月28日 登録日 2024年04月03日 紹介抵抗とは生である――音楽や映画、文学、思想を軽やかに跳躍して挑発的な語り口で国家や資本主義と対峙する戦略を提示し、不断の努力と相互扶助で日々の営みを支え、小さなさざ波から大きな潮目を変えていくための日常にあるアナキズムの可能性を活写する。 解説国家や資本主義が私たちの欲望をさまざまに制限する現代にあって、「ただ生きる」とはどういうことか。「ただ生きる」ために、私たちは何をすべきなのか。 アナキズムの観点から、キング・クリムゾンを聴き、ゴダールや石牟礼道子の物語に飛び込み、デヴィッド・グレーバーや鶴見俊輔と対話してその思想を大胆に読み替える。社会の編み目にある暴
ようこそ、myouyu‘s blogへ、いつもお越しくださりありがとうございます。 今日は中国医学における「陰陽学説」についてお話しします。 古代の人は宇宙のすべての事物の発生・発展・変化はみな陰陽二気の相互作用によるものだとし、そこから中医学の陰陽学説が生まれました。 『無極』とは対立のない「混沌の始まり以前」を指し、『太極』とは陰と陽の「最初の対立」を意味します。 古くからのこの宇宙感が、今から1000年ほど前の宋代に至って『太極図』と呼ばれる図式にまとめられ、それがよく太極拳や気功のシンボルマークに使われる陰陽の太極マーク(太極図)です。 太極図は「陰 極まれば陽生じ、陽 極まれば陰生ずる」という気の動きとしての時間の経過を示しており、一日も一年も人の一生も同じ時間のパターンで理解できます。 人は陰と陽のバランスを取りながら、絶えず変化しています。 気功は陰陽の気をめぐらせて宇宙と一
よく解らない用語がごく僅かならば、不明だった該当箇所だけ読み、第 II 部に進めばよい。 しかし、解らない用語が10個や20個もあるようならば、理解していると考えている他の用語についても、分かったつもりになっているだけの可能性がある。つまり、論理的思考の基礎が不十分である確率が高いので、第 II 部の実践の前に、第 I 部で基礎を固めてからの方がよい。 ページトップへ講義の対象者講義が想定する中心的な学力・知能は、高校生程度である。つまり、基本的には中学校卒業程度の知識と思考力はそなわっているものと想定している。実際、受講者は、高校生・浪人生が中心であった。また、一部中学生と大学生、あるいは受験終了直後の高校生・浪人生も受講生にいた。 しかし、向学心の強い中学生なら、何とかついて来れる程度の難易度である。特に中学校3年生にもなると、公立学校ですら2学期を過ぎたくらいには、中学校で学ぶべき内
【この本から得たこと】 本当の感情と向き合い、ゲーム感覚で合格を目指す 【得たことからつながる3つの行動】 ① ひとりトークで今の感覚のメモリを知る。 ② やりたいことリストを作成する。 ③ 自分との約束を守る。 【感想後記と補足説明】 この前読んだ「NFT徹底解説: 基礎から学ぶ非代替性トークン」がかなりテクニカル。 その揺り戻しで Kindle Unlimited 内の“哲学・思想”ジャンルを探していた。 そこで見つけたのがこの『「売れる個人」のつくり方』。 (読書感想文カテゴリーでは他にもいろんな本をご紹介!) 「売れる個人」のつくり方 作者:安藤 美冬 Clover出版 Amazon なるほど、これはかなり読みやすいし分かりやすい。 考え方とやり方の分量のバランスも良いな。 始めようと思えばすぐに始められる程度には具体性のある方法が多数。 全体の流れとしては「成功するためにはエネル
ニーチェだったら、現代テクノロジーをどう見るだろう? 挑戦的「思想実験」の書が上陸 【本書の概要】 ・ニヒリズムの観点から、テクノロジーと人間の関係を読み解く ・SNSや有名アプリ・サービスを題材に、人が「無」に向かう構図を解説 ・現代の研究や調査、理論を反映、ニーチェの哲学が現代に通用することを示す 【人を虚無に導く企業やサービス】 Facebook, Twitter, Netflix, YouTube, Google, Pokemon GO, Fitbit, Uber, Airbnb, Tinder, etc. 【対象読者】 ・哲学的観点から現代テクノロジーとの向き合い方を考えたい人 ・AIやアルゴリズムが人に与える影響が気になる人 ・テクノロジーと自己の関係を見直し、批判的かつ楽観的な思考を得たい人 ※哲学理論が登場します。不慣れな方は事前に目次や内容をご確認ください ※テクノロジー
「パレスチナ問題」を経済学的に分析し、世界的に注目される著者が明らかにするイスラエルの占領の実態と国際社会の援助の行方。ホロコースト生存者の娘という出自から問う、人間の記憶と倫理への思考。
山口 周(やまぐち しゅう、1970年[1] - )は、日本の著作家・経営コンサルタントである。株式会社ライプニッツ代表。北九州市アドバイザー[2]。 「経営におけるアートとサイエンスのリバランス」「組織の潜在的創造性の開発」「資本主義とビジネスの未来」などを主な専門領域とする。コーンフェリー(英語版)のシニアパートナーを務めながら、研究、経営大学院での教職、著作、各種ワークショップの実施、パブリックスピーキングなどに携わる。学部と大学院で哲学・美術史を学んだという経歴を活かし「人文科学と経営科学の交差点」をテーマに活動を行っている。 来歴[編集] 東京都生まれ[1]。慶應義塾高等学校・慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻を卒業後[3]、慶應義塾大学大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程を修了した[1]。電通、ブーズ・アレン・ハミルトン、ボストン・コンサルティング・グループ、[4]A
CONDORCET, Marie Jean Antoine Nicolas de Caritat, Esquisse d'un Tableau Historique des progrès de l'esprit humain. , Paris, Chez AGASSE, L'an III. de la République., ppviii+389, 8vo. コンドルセ『人間精神進歩史素描』、1795年刊初版。 著者略歴:コンドルセCondorcet, Marie Jean Antoine Nicolas Caritat, Marquis de (1743-1794)。 帯剣貴族(注1)の子として北フランス、リブモンに生まれる。父はコンドルセ生後35日にしてオーストリア継承戦争に戦死したとされる。父はシャヴァリエ(騎士)とは呼ばれても、家系上のマルキ(侯爵)と呼ばれなかったことから解る
新刊「ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた」を出版した東大大学院准教授の斎藤幸平さん=東京都新宿区で2022年11月15日、内藤絵美撮影 ベストセラー「人新世の『資本論』」で知られる気鋭の経済思想家、斎藤幸平さん(35)が、全国各地の「現場」を歩いた記録「ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた」(KADOKAWA)を刊行した。経済格差は広がり、気候危機も年々深刻化する社会で、「より良い未来」を描くヒントは見つかったのだろうか。時に人々との出会いに打ちのめされながら、斎藤さんが2年間の「旅」でつかんだものを聞いた。【平林由梨】 現実から正しい未来を ――本書は、2022年3月まで2年間、毎日新聞朝刊で連載した「斎藤幸平の分岐点ニッポン」を書籍化したものです。話題になった初回の「ウーバーイーツで配達してみた」にはじまり、書籍化のために追加取材した「アイヌの今」まで
はじめに あなたは、最後のページに辿り着き、呆然としているだろうか。それとも、書店やネット上で表紙を見かけて、この本、草野原々による『大絶滅恐竜タイムウォーズ』を買うべきかどうかをまだ迷っているのだろうか。いずれのあなたもさいわいだ。前者のあなたは、人類史のなかで、運よく、この物語を読むことのできた人間なのだから、そして、後者のあなたは、これからこの物語を読むことのできる人間なのだから。 だが、いずれのあなたも困っているかもしれない。呆然としたあなたは、この物語をいったいどう評したものか、どう受け止めたものか、と、そして、購入を検討するあなたは、この魅力的なタイトルの本『大絶滅恐竜タイムウォーズ』を買うべきかどうか、読むべきかどうか、と。 ふたつのあなたは同じ情報を必要としている。すなわち、 「この物語は(何が)おもしろいのか?」 本解説では、これらの問いに答えることを目指す。 先に結論を
「紀伊國屋じんぶん大賞2020 読者と選ぶ人文書ベスト30」が発表された。 「読者の皆さまと共に優れた人文書を紹介し、魅力ある『書店空間』を作っていきたい」との思いから立ち上がった「紀伊國屋じんぶん大賞」は、今年で第10回目を迎えた。一般読者からのアンケートを元に、出版社、紀伊國屋書店社員による推薦を加味して事務局にて集計し、ベスト30を選定した。 ◆紀伊國屋じんぶん大賞2020 読者と選ぶ人文書ベスト30 1位『居るのはつらいよ――ケアとセラピーについての覚書』東畑開人(医学書院) 2位『「差別はいけない」とみんないうけれど。』綿野恵太(平凡社) 3位『在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活』 荒木優太(明石書店) 4位『お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』北村紗衣(書肆侃侃房) 5位『チョンキンマンションのボスは知っている――アングラ経済の
かおりのオラクル占いブログ オラクルカード占いなど読んでくださった方がニコニコ楽しい人生になるようなブログを目指しています。 今日ゆる~く動画を撮る日にしたら、口からペラペラ言葉が出てきてびっくりしています。 宇宙系マルデック★チャネリング講座はこんな感じでやっています♪ 先日、チャネリングをさせて頂きました~♪ 宇宙系マルデック★チャネリング動画講座 ================= Iさまご感想 驚きました。 私はスピリチュアルな方で、直感がすごく鋭いのですが、 相手の方が言っていることが当たっていると、足がびりびりきたり、頭の右の上の方から聞こえてくるような気がするのですね。 今回、かおりさんとお話してすべてそういうことだったので、 やっぱりあたってるんだ。。。 と安心することができました。どうもありがとうございます。 実際に質問をして、答えを聞いている時に、もう 感覚でびりびりと
あとがき、はしがき、はじめに、おわりに、解説などのページをご紹介します。気軽にページをめくる感覚で、ぜひ本の雰囲気を感じてください。目次などの概要は「書誌情報」からもご覧いただけます。 ロバート・ブランダム 著 加藤隆文・田中凌・朱喜哲・三木那由他 訳 『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか(上・下)』[現代プラグマティズム叢書] →〈「訳者解説」(冒頭)(pdfファイルへのリンク)〉 →〈目次・書誌情報・オンライン書店へのリンクはこちら〉[上巻][下巻] 【動画解説第2弾「翻訳篇」公開!】 第2弾●訳者が語る『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』(プラどこ) 訳者4名がまたまた動画で解説! 「プラどこ」の世界にどっぷり浸かろう! 【ビデオ解説追加!】 訳者が語る『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』(プラどこ) Twitterで寄せられた質問に訳者4名が
中国が見据えるメタバースの可能性とは。清華大学教授による「メタバースの発展と研究」セッションレポート ライター:丸谷健太 2022年4月18日,NetEase Gamesが開催する「NetEase Gamesゲーム開発者サミット2022」にて,清華大学で新聞学院教授博士指導教員を務める瀋陽氏の「メタバースの発展と研究」と題した講演動画が公開された。 メタバースと言えば,昨今話題のバズワードであり,仮想現実の空間を指す言葉だが,まだ明確な定義はない。本稿では動画内で語られた,同氏が考えるメタバースの成り立ちや定義,超長期的にメタバースを見た際の可能性,ゲームとメタバースの親和性,ハイレベルなメタバースを作り出すために超えるべきハードルといった話題を紹介していく。 瀋陽氏がメタバースと関わり合いを持つようになったのは,2007年のこと。博士課程を修了したタイミングでメタ宇宙(メタバース)に関す
池袋の「暴走事件」を、運転する高齢者の注意義務にとどめてはならない 自動車システムについての本質的な議論を 杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史) 2019年4月に起きた「池袋事件」について東京地裁判決が出された。同事件では、乗用車を運転していた高齢者(事件当時87歳)が、信号前でブレーキと間違ってアクセルを踏み続けたために、横断歩道を横断中の母子2人を死亡させ、9人に重軽傷を負わせるという、凄惨きわまる事態となった。 問題を高齢者の運転にしぼってはならない まず記せば、私は同事件が高齢者問題と見なされている点を残念に思う。例えば朝日新聞では、「人身事故」および「踏み間違い」事故の件数を、75歳未満と75歳以上の運転の場合に分けて報じている(2021年9月3日付)。 もちろん高齢者の知覚・認知・身体反応等の能力が青壮年層より低下している事実を論ずることは、重要であろう。だが、これに関
日曜日の午後、 「午前中、漢文の勉強を終え世界の歴史(中世)を読む内にに寝る」 「午後からは、ウオーキングと儒学の勉強」 「夜は映画を観るか、S・キングの短編集でも読むとしよう」 #自由律 https://t.co/2BOI4E0yog 日曜日の午後、 「禁酒四日続いて負け二日、今日から禁酒一日目」 「今年は家酒は呑むと負けルールを採用する」 「酒は買わぬが、昔からあるウイスキーやジンがある」 #自由律 https://t.co/qXPxFqwnRN 日曜日の午後、 「実は大人になったら負けと思っている」 「見かけ親父(頑固)ながらバカをするのが大好き、と自分では思っている」 「歳を重ねた分、おもんない、人に迷惑をかけるバカは憎しみすら感じる」 #自由律 https://t.co/hvP9bZD8c4 日曜日の午後、 「死はもちろん怖いが、むしろ家族の死を恐れる」 「仏教道教儒教哲学思想、
11月27日に行われたカント『判断力批判』(岩波書店版、作品社版)イベントについてレポートするで。関西弁はこのまえの國分功一郎さん登壇回のレポートで使ってみてなかなか好評やったから、いけるとこまでナチュラルに使ってみることにしたんや。今回の登壇者のおふたりにも承諾もらってるで[★1]。 今回のイベントは、小田部胤久さんが今年9月に出した『美学』の刊行記念イベントや。この本は480頁の大著で、『判断力批判』の注釈本でもあり(A)、そこに出てくるトピックに沿って古代からカントまで(B)とカントから現代まで(C)の美学史を辿るっていう三重構造が全10章を貫いてるえらい本やねん(つまりぜんぶで3×10=30の話題があるってことになるな)。 対談相手を務めたんは宮﨑裕助さん。近著『ジャック・デリダ――死後の生を与える』やその刊行記念イベントもめっちゃ評判やったけど、博論をもとにして2009年に出した
文学通信|多様な情報をつなげ、多くの「問い」を世に生み出す出版社 日本語・日本文学の研究書を中心に、人文学書全般を刊行する出版社、文学通信のブログ。 文学だけにこだわらず周辺領域も含め、意欲的に刊行していきます。 出版活動と同様に、webでも積極的に活動することで、多様な情報をつなげ、多くの「問い」を世に生み出していきたいと思います。 〒113-0022 東京都文京区千駄木2-31-3 サンウッド文京千駄木フラッツ1階101 電話03-5939-9027 FAX03-5939-9094 info@bungaku-report.com インボイス登録番号:T4011501023591 Tweet Share on Tumblr 11月下旬の刊行予定です。 下田正弘・永﨑研宣編『デジタル学術空間の作り方 仏教学から提起する次世代人文学のモデル』(文学通信) ISBN978-4-909658-1
以下は、2013年に友人のラッコ君(twitterID: @rakkoannex)の『概念迷路』という雑誌に寄稿した「近代日本に於ける思想と文学の社会性の起源についての考察――人生相渉論争を基準にした思想と文藝の存在意義について――」の再掲となります。 「近代日本に於ける思想と文学の社会性の起源についての考察」再掲に当たっての弁明 - 夢現抄 上述の弁明の通り、アナキストとなった現在では当時とは考えが異なる部分や、ぎこちない文体など修正したい箇所が多々あるのですが、最小限の修正に止めてあります。「文科の学(純文学のみならず、歴史学、哲学、社会科学を含む明治時代までの「文学」が指していた意味です)の社会的意義存在意義とは何なのか?」というテーマについて、何かしらの考える材料となってくれれば望外の喜びです。 一.序言 元来本稿は、論文として書く構想を持っていたものであった。しかし、書き進める内
東京五輪を含む五輪がもつ問題点を論ずる。 五輪史を振り返れば、「五輪憲章」(この問題性については後述する)からはずれた、あるいはそれが明確に禁じた異常が、常態化してきた。 ◎強められる国家間競争 ◎国家的宣伝・国威発揚の場としての五輪大会の利用 ◎勝敗・メダル獲得を至上とするエリートスポーツ観 ◎不透明かつ常軌を逸する商業主義 ◎米TV局の放送権料との関係で決まる真夏の開催・異常な時間帯の競技 ◎五輪大会の巨大化 ◎そのために開催国・開催都市に課される膨大な財政支出 ◎その結果生ずるハード/ソフト面での負の遺産・市民生活への直接/間接のしわ寄せ、等 「国家間の競争」――あおられるナショナリズム ここで私が何より問題にしたいのは、五輪によって国家間競争が強められてきたという事実である。 まず問われるのは、IOC委員による本国への五輪大会の誘致である。この際、国と国とのし烈な招致合戦がくり広げ
「生命は尊貴である。一人の生命は,全地球より重い。」 この一文はある小説のものでも,ある哲学者の名言でもありません。実は,日本国憲法の主旨と死刑制度の存在は矛盾せず,合憲であると判断した最高裁判所の判決の一節なのです(最大判昭和23年3月12日 刑集2巻3号191頁)。 現在の日本国憲法において大審院は最高裁判所に生まれ変わりました。そして,最高裁判所設立された当初の10年間は,合議における多数意見と少数意見の白熱した議論がかなり過激に表現されていました。場合によっては行き過ぎてしまい「少数意見制度の濫用」と批判されるものすら生じました。 憲法学者であり後に最高裁の裁判官となられた伊藤正己先生は,著書『裁判官と学者の間』において,「少数意見制は,ときに不当とみられる用い方をされるおそれがあるといわれる。その一つの例は,もっぱら個人的感情を露呈し,自己と異なる意見を論難し,さらに特定の裁判官
ニューアカブームから40年、浅田彰『構造と力』文庫化で再ヒット 紀伊國屋書店店長「千葉雅也さんの解説で理解が深まる」 40年越しの文庫化で大ヒット 浅田彰の現代思想書『構造と力』が、昨年初めて中公文庫から文庫化され、売れに売れている。初版は1983年に勁草書房から出版されてベストセラーとなり、ニュー・アカデミズムと呼ばれるブームを牽引。構造主義やポスト構造主義などのフランス現代思想を解説した名著として知られていた。出版後、約1ヶ月で「紀伊國屋書店新宿本店」では約500〜600冊を売っているという。購買層は往年の読者だけでなく、20〜40代の読者が6〜7割を占めているそうだ。 さて、紀伊國屋書店新宿本店では、レジ前の目立つ位置に『構造と力』が平積みされるなど、大々的に売り出されている状況だ。綾辻行人や東野圭吾といった人気小説家の文庫本とともに思想書が並ぶのは独特な光景だが、店長・星真一さんに
最初に担当した科目はゼミで、選んだテキストは、倫理学者であるピーター・シンガーの『マルクス』だった。これは最近新版も出た英語圏では定評のあるテキストで、著者のマルクス解釈は一面的で浅いところがあるものの、基本的な解釈視点は適切で、推薦できる入門書の一つといえる。 この時の受講生のリアクションがどうだったのかは残念ながら覚えていないが、これ以降はゼミではなく講義課目で毎年マルクスを取り上げ、今に至るも実に25年以上、マルクスを教え続けている。 そうした時間の経過の中で、いつ頃からかは定かではないが、学生のマルクスに対するリアクションが、明らかに変化してきたのである。 マルクスを否定する声が減っていく 私がこのことを意識するようになったのは、博士論文の出版が一つの節目になっている。大学で教え始めて以降もマルクス研究に没頭し、その成果を博士論文として一冊にまとめ、2000年に出版した。このことに
はじめに 周知の通りドゥルーズは、「転倒したプラトン主義」を標榜し「あらゆる価値の価値転換」を企てたニーチェの影響下で、西洋哲学の起源のひとつであり続けているプラトン主義と正面から対決し、それを転倒させることこそが現代哲学の使命であると主張した[1]。そして彼の第一の主著『差異と反復』は、この書物が書かれた68年5月の反時代的な空気を纏いつつその使命を全うしている。すなわち『差異と反復』は、その厳密な哲学体系の至る所でプラトン主義への反抗を企てており、その試みは「シミュラークル」や〈理念イデア〉などの、すでに多くの研究が扱ってきた概念によって代表されているのである[2]。これらの先行研究に倣い、本稿もまた『差異と反復』における「プラトン主義の転倒」について論じたい。そしてその際本稿は、この書物で提示されている「超越論的経験論」をプラトン主義批判の文脈で捉えなおすことを目指して、さしあたりは
肯定論者×懐疑論者。自由意志から現実世界を問いなおす。 デネットは自由意志と決定論についての両立論を肯定し、私たちには自由意志があるとはっきり主張する。カルーゾーは決定論と自由意志は両立せず、私たちは自由意志を欠いていると考える。伝統的に対立してきた二つの立場をとるデネットとカルーゾー。異なる立場から、自由意志、そしてそこから派生する責任、賞賛、非難、刑罰の問題までをも縦横無尽に議論する。 [目次] 序文 デーク・ペレブーム まえがき 序論 グレッグ・D・カルーゾー 論戦一 自由意志と道徳的責任を論じ合う 論戦二 もっと深い議論へ――それぞれの立場を支持する論証 論戦三 刑罰・道徳・相応しい報い 訳注 訳者あとがき 参考文献および読書案内 索引 [著者]ダニエル・C・デネット(Daniel C. Dennett) タフツ大学哲学教授、同大学認知科学センター所長。単著に『心の進化を解明する』
日本は「慰安婦判決」で国際司法裁判所へ提訴しても敗訴する 公判では、慰安所経営に関する国際社会の事実認定が期待できる 杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史) 国際司法裁判所への提訴はつまずきの石になる 本年1月8日、韓国の裁判所が元慰安婦の訴えを認めて、日本政府に賠償を命じた。外務省は即座に国家免除(主権免除)――国家は他国の裁判権から免除されるという法理――を持ち出して判決は受け入れられないと主張したが、その姿勢に固執すれば、「慰安婦制度に関与していない、責任はない」という日本政府の立場との矛盾が明らかになるだろう。前回私はそう論じた。 「慰安婦」裁判で日本政府は「主権免除」を韓国に主張できない さらに問われるべきは、日本政府が同判決を遺憾と見なして、国家間の法的紛争の解決を任務とする国際司法裁判所(ICJ)への提訴を検討している、という事実である(朝日新聞1月10日付)。自民党の
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