訴状や舞の海氏への取材を基に、経緯を振り返る。 舞の海氏は5年ほど前から、野村証券に投資信託など金融商品の投資に関する助言を受けていた。コロナ禍にあった2022年2月頃、舞の海氏に野村証券担当者が次のように持ち掛けた。「特別なお客様にしか伝えていない、節税になる良い投資案件があります。よかったら事業主の社長に引き合わせます」。 舞の海氏が当時を述懐する。「コロナ禍で収入が減少していて、将来に不安を覚えていた。銀行にお金を預けていても増えない。ならば運用で増やしていくしかないと、良い投資案件を探していた。そんな時に野村証券の担当者から『特別なお客様にしか伝えていない案件がある』と言われたので、話を聞いてみたいとお答えした」。 面会場所は野村証券本社 野村証券の担当者が面会場所として指定してきたのは大手町にある同社本社。2022年3月7日、舞の海氏と顧問税理士が本社ビルに赴くと会議室に通された