本稿では、我が国のワーク・ライフ・バランス(WLB)の現状および課題を、「働き方」の視点からとらえ、企業のWLB施策の実施、職場マネジメントと関係づけて分析を行った。働き方の柔軟化を進める欧州諸国との比較検討を行うこととし、具体的には、イギリス、オランダ、スウェーデンの3カ国を比較国として選定した。WLBの議論を整理した上で、3カ国と日本の働き方を比較した結果、日本は労働時間が長い層への分布が多く、その男女間の格差が大きいこと、労働時間や就業場所の柔軟性が低い実態が明らかになった。こうした働き方の実態が、企業のWLB施策の実施や職場マネジメントとどのように関連しているのかについて分析を行った結果、企業レベルでは休業制度や短時間勤務制度などの制度導入を重視する傾向があるが、従業員サイドから見ると制度以上に職場の上司のマネジメントや互いに助けあう風土などが重要であることが明らかになった。従業員