宮城県栗原市瀬峰の丘陵地にある宮城県循環器・呼吸器病センター跡地が、2カ月ではげ山に一変した。土地を借りた医療法人が、県から保存を求められていた樹木を含めて伐採した。憩いの場として長年親しんできた自然が失われ、住民からは保水機能低下による水害を不安視する声も上がる。 【写真】紅葉した街路樹が並ぶセンターの敷地=2018年11月 跡地は約6.7ヘクタール。瀬峰地区を一望できる高台にある。伐採は道路沿いのイチョウやソメイヨシノなど、確認できただけで大小約350本に上る。中には記念樹もあった。 樹木は施設完成2年後の1954年ごろから植えられたという。植樹した市内の元看護師の女性(85)は「同僚と花見をした。昔の面影がなくなり寂しい」と嘆く。 水害を懸念する声も上がる。2019年秋の台風19号豪雨では、地元のJR瀬峰駅周辺などで86戸が浸水被害に遭った。辛うじて自宅の浸水を免れたという瀬峰地区の