ナミ戦記(1)はこちらから (2)はこちらから (4)はこちらから ★「新潮文庫の100冊」と広告 新潮文庫は1914年(大正3)9月に創刊された。岩波文庫の創刊が27年(昭和2)なので10年以上早い。戦後は49年に創刊された角川文庫を含めた3社が、文庫の市場を占めていた。それが71年の講談社文庫の創刊以降、中公、文春、集英社と次々に文庫に参入してくる。文庫戦争と呼ばれるなか、70年代以降の『波』は、新潮文庫の読者を意識せざるを得なくなった。 76年からは「新潮文庫の100冊」フェアがはじまる。古典的名作からその時点での話題作までを100冊揃え、売り出した。しかし、この年の『波』にはこのフェアについての記事も広告も見当たらない。 ただ、さかのぼると73年8月号の新潮文庫の新刊予告の下に「ベスト100クイズ」が載っている。「次の書き出しで始まる書名を上げてください!」というもので、5つの作品