日本人が日本株を買わなくなった。コロナ禍で広がった現役世代の「貯蓄から投資へ」も、お金の向かう先はもっぱら米国を中心とする海外株だ。巨額の利益を稼ぐ米ハイテク企業と比べると、日本企業の成長ストーリーは色あせて見える。日本株を支えた日銀や公的年金の買いも今後は細り、いずれ売りに回る。このままでは買い手が誰もいなくなる。「日本株はもはや泥船だ」。東京都の兼業投資家、乙丸英広さん(40)は12月に入
ところが、である。輸出産業を中心に日本企業の売り上げが急減、その余波で国内消費も落ち込んで、日本経済は大打撃を受けた。その後、東日本大震災に襲われたこともあり、日本経済の回復は遅れに遅れた。米国や欧州の経済がその後、急速に戻していったのを横目に、結局、日本経済は世界の先進国の中で最も影響を受けたと言っていいだろう。 それと似たような事が再び起きている。 2020年から世界を揺さぶった新型コロナウイルスの蔓延まんえんでは、まさに世界経済が凍りついた。欧州や米国では感染者や死者が溢れ、ロックダウン(都市封鎖)に踏み切るなど深刻な状況が続いた。一方の日本は感染者も死者数も欧米に比べれば桁違いに少なく、世界の中でも最も影響が軽微とも言えた。 コロナ禍からの回復で、日本は大きな後れを取った ところが、である。経済への打撃は予想以上に大きい。米国は2020年4-6月期にGDP(国内総生産)が年率実質で
岸田総理大臣は国際社会の課題などを討議する会議にビデオメッセージを寄せ、これまでの新自由主義的な考えは多くの弊害も生んでいると指摘し、みずからが掲げる「新しい資本主義」を世界に発信し、主要国の首脳と議論を主導していく考えを示しました。 岸田総理大臣はアメリカの調査会社の主催で、各国の有識者らが国際社会の課題などを討議するオンライン会議に、ビデオメッセージを寄せました。 この中で岸田総理大臣は「新自由主義的な考えは世界経済の成長の原動力となった反面、多くの弊害も生み出した。これまでの市場偏重・株主偏重の資本主義がもたらしたゆがみが、偏狭なナショナリズムとなり、権威主義的な国でも軍事的拡張などの形になっている」と述べました。 そのうえで「これ以上、問題を放置できないというのが、主要先進国共通の思いではないか。来年の春に『新しい資本主義』のグランドデザインを世界に向けて発信し、主要国の首脳ととも
やまざき・はじめ/1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。現在、楽天証券経済研究所客員研究員。株式会社マイベンチマーク代表取締役。東京大学を卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など、計12回の転職を経験。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会、各種委員会委員等を務めた。2024年1月1日、永眠。 山崎元のマルチスコープ 旬のニュースをマクロからミクロまで、マルチな視点で山崎元氏が解説。経済・金融は言うに及ばず、世相・社会問題・事件まで、話題のネタを取り上げます。 バックナンバー一覧 岸田文雄首相の看板政策とされた「新しい資本主義」は、もともと中身がなかったが、「異次元の少子化対策」という言葉に取って代わられた。そこで「新しい資本主義」と
岸田首相の看板政策である新しい資本主義の柱は、株式や投資信託などの保有者が税優遇を受けられる「資産所得倍増プラン」だ。ただ、個人株主の割合は日本人全体の1割程度で、政策の恩恵は富裕層に偏りかねない。首相が昨秋の就任時に強調していた「格差是正と分配」からは大きくかけ離れた内容となった。(原田晋也) 実行計画案で、個人の金融資産2000兆円のうち半分以上が預金や現金で保有されていると指摘。これら資金を投資に向かわせるため、少額投資非課税制度(NISA)の「抜本的な改革」や、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入対象年齢を現行の64歳以下から65歳以上に引き上げることを検討した上で、今年末に「資産所得倍増プラン」を策定する。 しかし、日本証券業協会によると、2020年度末の個人株主は日本人全体の11.2%にとどまり、高齢者層が多い。現役世代は投資に資金を回す余裕に乏しいとされ、今回の株式投資
2021年9月、岸田文雄は「新しい資本主義」という野心的な綱領を掲げて首相に選出された。岸田は、自民党の党首として、経済成長と所得分配の好循環をもたらす新規で、より良い経済システムの実現を約束してみせた。日本政府はこの「新しい資本主義」を推進するための計画をいくつか提示したが、日本国民は依然として現在の実体経済に不満を抱いている。日本の株式市場は急騰し、日経平均は一時的に約34年前のバブル期の水準を超えたが、2023年半ば以降の経済成長は停滞している。岸田政権の支持率は着実に低下しており、2022年当初には50%を超えていたが、2024年2月には25%にまで低下した。 革新的な経済運営を約束したのは、岸田政権が初めてではない。2013年、安倍晋三は、拡張的な金融政策によって日本経済を復活させることを約束した。しかし、アベノミクスや、現在の岸田プランにも関わらず、賃金の伸びは停滞したままだ。
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日本発の次世代エネルギー技術「QHe」 原油の価格高騰等、エネルギーを海外に依存しているわが国では、次世代エネルギーの開発が急務となっています。そんな次世代エネルギーの中で、天然ガスの1万倍のエネルギー密度を有し、東北大学と日本の企業のチームが世界で開発の先頭を走っている「QHe(量子水素エネルギー)」を紹介します。 QHeは、水素の量子拡散を利用した発熱技術です。ニッケルベースのナノ複合金属材料に吸蔵させた少量の水素を加熱することにより、水素が量子拡散し発熱反応が起こります。 発熱の原理(イメージ) ※画像提供:(株)クリーンプラネット この反応は、研究者の間では、「凝縮系核反応」「金属水素間新規熱反応」「低エネルギー核反応」等と呼ばれ、世界中で研究が活発になってきています。 このQHeの実用化に向けた取り組みで世界をリードしているのが、株式会社クリーンプラネットです。同社が東北大学と実
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