東京大学が目指す秋入学移行について産経新聞が実施した国立大学長アンケートでは、学生の就職活動への影響を懸念する意見のほかに、「入学式の桜は捨てがたい」といった声も聞かれた。 入学や卒業後のギャップターム(隙間期間)が生じることで、家計への影響を懸念するのは埼玉大の上井喜彦学長だ。「グローバル化への対応として早晩必要になる」として、秋入学について賛成の立場を示した上で、「過度に家計負担が増大することがないよう、低所得者家庭に対する奨学金を充実させることなども必要だ」と指摘した。 4月から始まる大学の会計年度とのズレによる影響を懸念する声もあった。お茶の水女子大の羽入佐和子学長は「財政面や学務日程などの検討を開始した」と、大学の予算執行への影響に言及する。 企業の春採用とのギャップを心配する多くの声の中で、「サクラサク」の合格電報に代表される桜の季節の入学式を重んじる声も。 鳴門教育大の田中雄