いろんなことを感じ、様々なことを想いながら読んだ きっと読み返すたびに、頭や心に浮かぶ想いは違うのだろう 解説で桐野夏生が触れていたけど、ちょっとだけ死ぬのが怖くなくなる 枯れ木は火力が足りないため、死人が出るとすぐ人々は山に木を伐りに入った。伐り出される生木-まなきの半端でない量に、人焼きは木焼きであると知った。人が死ぬと大勢の木が死ぬ。まるで木の殉死だ。島では穴を掘って土の中に埋-いけ込む。岩礁の島だから深くは掘れない。それで島では犬は飼わないのだ。猫ばかりいる。犬は穴掘りの名人だから埋け込んだ死人を掘り出すという。 [9] 海女は子どもを産んでも、中年になっても、小娘のような乳房で小腰で引き締まった腹部をしていた。魚のような流線型の肢体でないと素早く水に潜れない。