日本で読書バリアフリー法が施行されてからまもなく1年。障害の有無にかかわらず本が読める環境作りに向け、書籍の電子データの活用が注目されている。一方、データ流出リスクやコストなど、乗り越えなければいけない課題は多いのが現状だ。 障害の有無にかかわらず誰もが読書しやすい環境を整える「読書バリアフリー法」が施行されてから間もなく1年。視覚や身体など障害の種類に合わせ、電子書籍や点字書籍など多様な形式の本をそろえることが必要とされるなか、書籍の電子データの活用が注目されている。ただ、費用負担や不正流出の懸念など、乗り越えなければいけない課題は多い。(文化部 油原聡子) 多様な形式を 障害者の読書環境というと、これまでは視覚障害者に焦点が当てられてきた。読書バリアフリー法では、「障害の有無にかかわらず全ての国民が文字・活字文化の恵沢を享受できる社会の実現に寄与する」と明記されている。 筑波大学付属視