私が小学校の4年生のとき、父が勤める建設会社が倒産しました。 それまで父はその会社の営業所の所長で、私の家庭は割と裕福な家庭でした。 本社が遠いところにあり、父はその営業所で大きな権限を持ち、すべてを 任されていたようです。 地元の取引先は父を社長のような気持ちで接していました。 夏と冬には取引会社からたくさんのお中元・お歳暮が届き、子供心ながらに 父はとても偉い人なんだなと思っていました。 しかし会社が倒産してからは私の人生は大きく変わりました。 私の家には、お金を支払ってもらえない多くの取引先が押し寄せ、家のドアを たたいて、父を出せと大声を出していました。 私の父は倒産後の処理のためにあちこち回っていて家にはいませんでした。 父が不在だとわかると彼らはいなくなりましたが、また次の取引先が来て ドアをたたきました。 私たち家族は怖くなり、彼らが帰った後、荷物をまとめ、親戚の家に避難しま