<sui-setsu> 安全と安心。本来次元の違うものを政府がひとくくりにしている例は、胸突き八丁の段階を迎えた東京オリンピックに限らない。 原発事故由来の「処理水」を、2年後に海洋放出するという政府決定(4月13日)もまた、安全と安心の乖離(かいり)を生んでいる。いくら基準値を大幅に下回るレベルにするからと言っても、14カ国・地域が福島県産食品に輸入規制をかけている現実はそのままだ。 自民党の山本拓衆院議員(68)。当選8回のベテランがこの問題で異彩を放っている。政府決定後の5月20日、菅義偉首相あてに「国民を騙(だま)していませんか?」と、与党議員とは思えない刺激的な表題の公開質問書を出した。