「すべてのまちに本屋を」 本と読者の未来のために、奔走する日々を綴るエッセイ 年が明けて最初ということで、本年も「読書の時間 未来読書研究所日記」をどうぞよろしくお願い致します。 2024年が出版界にとって明るい一年となりますように。 出版業界についての実績が公表される11月、12月は、僕にとって気になる数字の推移を定点観測する季節となっている。 昨年11月10日には、日本出版販売株式会社(以下、日販という)の『出版物販売額の実態』最新版(2023年版)が発売された。出版市場の現状を把握するための統計資料として、日販が毎年電子版(PDF版)で発行していたが、データ活用の要望が多いことを理由に、今年からより汎用性の高い Excel 版での発行となった。類似の出版系の販売額に関する実態分析調査が相次いで廃止されたこともあり、日販の『出版物販売額の実態』は個人的に大変重宝しており、今後も調査を継