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  • 義足のアーティスト片山真理が語った「自分の障害には興味がない」理由 | “感動の物語”を求めるスペイン紙の記者はたじたじ…

    義足のアーティストとして知られる片山真理がスペインでの作品展示をきっかけに、現地紙の取材に応じている。 記者は、片山に障害があるという点に着目し、いわゆる“感動の物語”をまとめようとしていたようだが、こうした「思い込み」を持って取材に向かうことの危険性を痛感したと正直に記している。片山はいったいどんなコメントをしたのだろう? 現代の巨匠を彷彿とさせる作品 アーティスト、歌手、そして注目の新星でもある片山真理の子供時代については特筆すべきことが二つある。一つは、家庭のなかに裁縫が根付いていたこと。「母も祖母も曾祖母も裁縫をしていました。私はその技術を受け継ぎました。鉛筆を持つよりも先に、針と糸を使っていました」と、片山は説明する。 スペイン・マドリードで展示されている片山の写真は、ふんだんに装飾が施され、パンクのテイストを帯びたブラックジョークが効いている。自身を題材にしたこれらの作品群は米

      義足のアーティスト片山真理が語った「自分の障害には興味がない」理由 | “感動の物語”を求めるスペイン紙の記者はたじたじ…
    • 独裁者に仕えた料理人たちの「告白」─フセイン、アミン、ポル・ポトの知られざる姿 | 暴君の胃袋を満足させるには?

      サダム・フセイン、イディ・アミン、フィデル・カストロ、ポル・ポト……世界の独裁者のお抱えシェフだった人たちを訪ね、話を聞いてみた。 フセインの涙、ポル・ポトとの秘密の恋、アミンが人肉を食べていたという噂など、元料理人たちが語る“暴君の素顔”とは──。 料理の前では怪物も“ただの人間” 「英雄も、召使いから見ればただの人間」ということわざがある。同じように、どんな冷酷非道な独裁者も、お抱えシェフから見ればまったくの怪物というわけではなく、ただの人間なのだ。 これは、ポーランド人ジャーナリストであるヴィトルド・スザブロフスキが編纂した随想集『How to Feed a Dictator(独裁者の料理人)』から得られる主要な結論だ。口述歴史の記録と取材に基づく記述とで構成された一冊である。 スザブロフスキは、かつて独裁者と呼ばれた世界の暴君たちのために、誕生日ケーキやヤギのローストなどを作った料

        独裁者に仕えた料理人たちの「告白」─フセイン、アミン、ポル・ポトの知られざる姿 | 暴君の胃袋を満足させるには?
      • ミチオ・カク「正しい知識とともに、楽観的でいよう─量子コンピュータがもたらす未来はこんなに明るい」 | 未来主義者の大家が語る展望と「知識の力」

        量子コンピュータは、がんの治療や気候変動の改善などを可能にし、我々の世界を変えてしまうだろう、と科学者やSFファンは息巻く。しかし、それは実現可能なのだろうか? 一般の人々へ向けての科学の普及活動にも力を入れる、理論物理学者のミチオ・カクは、量子コンピュータについての新著を上梓した。カクは、量子コンピュータおよび科学の未来に関して、楽観的な姿勢を貫く。英「ガーディアン」紙によるインタビュー。 それでも未来は明るい あなたは最近の技術について不安になったことはないだろうか。 もしそうなら、あなたには仲間がいる。国連はAI(人工知能)を規制する一連のルールを用意するよう、すべての政府に要請している。ユヴァル・ノア・ハラリやイーロン・マスクら著名人が名を連ねたあるオープンレターは、最先端AIの研究を、「安全で、信頼性があり、誠実である」ものに保つためにいったん停止し、規制を課すことを求めている。

          ミチオ・カク「正しい知識とともに、楽観的でいよう─量子コンピュータがもたらす未来はこんなに明るい」 | 未来主義者の大家が語る展望と「知識の力」
        • 哲学者マルテン・ブードリー 「人口増加よりも人口減少のほうが深刻だ」 | 人口が増えるほど「資源は増える」

          ベルギーのゲント大学で教鞭を執る科学哲学者のマルテン・ブードリーは、「環境問題を解決するには人口を減らすしかない」と主張する人たちに真っ向から反論する。 ブードリーが危惧するのは、人口減少と高齢化による科学発展の遅滞だ。彼が示すデータの数々から見えてくる「人口問題のバイアス」とは? 人が増えれば資源も増える 私が気候変動について話すと質疑応答では必ずといっていいほど「なぜ人口過剰の話をしないのですか」と聞かれる。私たちが抱えるすべての問題の原因は、一言でまとめられると質問者たちは信じて疑わない──そう、人口過剰だ。 人間は増え続け、人口密度のグラフは急激な増加曲線を描き、悲劇的な結末が私たちを待ち受けている。まるで時限爆弾のように、いつか爆発する……。彼らはそう信じているのだ。 しかし、人口過剰の問題など存在しない。それどころか近い将来、私たちは急激な出生率低下による深刻な人口減少に悩むこ

            哲学者マルテン・ブードリー 「人口増加よりも人口減少のほうが深刻だ」 | 人口が増えるほど「資源は増える」
          • グーグルのピチャイCEOに聞く「ChatGPTの脅威をどう見ているのか」 | AIと検索の未来、そしてマイクロソフトとの闘い

            グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は大きな試練に直面している。マイクロソフトが支援する新興企業オープンAIが開発した「ChatGPT(チャットGPT)」などのチャットボット(自動会話プログラム)の脅威に対抗する一方で、コスト削減を求める投資家の圧力に対応しなくてはならない。 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューの抜粋(編集済み)を以下に紹介する。 ──大規模言語モデル(LLM)やチャットベースのインターフェースの台頭により、検索が今後どのように変化するかについては多くの予測がある。10年後、インターネット上で情報にアクセスする方法として、リンクベースの検索が主流になっていると思うか。 今後10年間で、それは実質的に進化するだろう。ユーザーの求めていることに応えなければならない。将来の姿をすべて予測するのは困難だが、ユーザーがやり遂げたいことを理解し、

              グーグルのピチャイCEOに聞く「ChatGPTの脅威をどう見ているのか」 | AIと検索の未来、そしてマイクロソフトとの闘い
            • これはジェノサイドだ─ブラジル現政権下で存続を脅かされる先住民たち | 大統領は言った「先住民がいる土地の下には富が眠っている」

              世界中のほとんどの国が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の脅威にさらされている。5月22日世界保健機関(WHO)は南米を新型ウイルス流行の「新たな中心地」とした。中でもブラジルは、感染者数は世界2番目に高い33万人、死者は2万人を超え、その被害は拡大している。 それでもボルソナロ大統領は経済を優先し、コロナ対策を取ることをしないどころか、“コロナは風邪だ”と言い放ち、外出を促す。その犠牲となっているのが弱い立場の人々だ。特に懸念されているのがアマゾンに暮らす先住民たちへの感染拡大だ。 しかし、これはウイルス拡大で始まったことではない。ボルソナロが大統領に就任したその日から、先住民たちはその命を脅かされている──。 アマゾン川が大西洋へと流れ着く河口では、いくつかの水系が合流するが、その付近に広がる大都市「ベレン」に何度か行ったことがある。そこからセスナ機で30~40分(もしくは陸

                これはジェノサイドだ─ブラジル現政権下で存続を脅かされる先住民たち | 大統領は言った「先住民がいる土地の下には富が眠っている」
              • MITビジネススクールが教える「大衆を追い求めないマーケティング」の効用 | マクドナルドの復活劇に学ぶ

                米マサチューセッツ工科大学(MIT)の経営大学院が発刊するビジネス誌「MITスローン・マネジメント・レビュー」に、「大衆という神話」と題された記事が掲載された。 中立的な層におもねっても振り向いてはもらえない──記事にはこう書かれている。マーケッターたちは大衆を追いかけるのではなく、ファン層に向けたメッセージを送るべきというわけだ。行動を起こし、周りにブランドを拡散してくれるのはいつでもファンたちだからだ。 マクドナルドの事例をもとに、これからの時代のマーケティングを再考してみよう。 マクドナルドに訪れた危機 マクドナルドは昔から、食生活の不健康さを象徴する食べ物と思われてきた。肥満や高血圧を加速させているのはマクドナルドだ、というように。 同社はこの良からぬイメージを払拭しようと、10年以上も戦略を繰り広げてきた。新メニューを開発してアピールし、現代の食生活のトレンドに寄せた健康的なメニ

                  MITビジネススクールが教える「大衆を追い求めないマーケティング」の効用 | マクドナルドの復活劇に学ぶ
                • 時給97セントでアマゾンのサイトで働いてみたら…地獄だった | 心の折れそうな単純作業を超低賃金で請け負う「ギグエコノミーの闇」

                  単純作業を請け負うフリーランスを募集するクラウドソーシングサイト「アマゾン・メカニカル・ターク」。米巨大テック企業が運営するこのギグワークのサイトの実態は、倫理的に問題のある仕事や超低賃金の案件ばかりが並び、問い合わせ無視、支払い踏み倒しが横行する無法地帯だった。 NYタイムズの記者が、実際に時給1ドル以下で仕事を請け負った数週間の体験を赤裸々につづった。

                    時給97セントでアマゾンのサイトで働いてみたら…地獄だった | 心の折れそうな単純作業を超低賃金で請け負う「ギグエコノミーの闇」
                  • パリの「最もグリーンなスニーカー」ブランドはいかに持続可能な足さばきをしてきたのか | 2022年の収益は2億6000万ユーロ(約413億円)を計上

                    フランスの靴メーカー「VEJA(ヴェジャ)」は世界に先駆けて持続可能でエシカルな製品を出してきた。広告も出さず、新作も少ないが、それでも2022年は2億6000万ユーロ(約413億円)の収益を計上した。その息長い成功の秘訣に、米経済誌「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」が迫る。 「持続可能」という言葉がビジネスでセールスポイントになるずっと前から、それはパリの靴ブランド「VEJA」の背後にある原動力だった。VEJAは、高校時代からの友人同士でどちらも元銀行員のフランソワ=ジスラン・モリヨンとセバスティアン・コップが2004年に立ち上げた。 この二人組は、適正な賃金とクリーンなサプライチェーンの提供に専心し、他のスニーカーブランドとは違うやり方をしてきた。 広告やスポンサーシップ契約を控える。製造拠点をブラジルに置き、ブラジル産・ペルー産のオーガニックで再生型のコットンとアマゾンの天然ゴムを

                      パリの「最もグリーンなスニーカー」ブランドはいかに持続可能な足さばきをしてきたのか | 2022年の収益は2億6000万ユーロ(約413億円)を計上
                    • 選手の勇姿に“熱狂”しつつ、“冷静”な目で問題を指摘し続けなければ五輪は何も変わらない | 非難するのが開催前だけでは何も変わらない

                      この50年、オリンピックは見逃せない人気テレビ番組として仕立てあげられてきた。その間、古くなった競技を残しながら、必死に若い視聴者を取り込もうとしてきた。 東京五輪では新種目としてスケートボード、サーフィン、スポーツクライミングが加わるが、これらの種目で金メダルが授与される日が、それぞれ射撃、フェンシング、近代五種と重なる工夫もされている。 もっとも五輪廃止論に賛同する人は少数派だ。オリンピックはいまも多くのスポーツの頂点だからだ。 オリンピックにすべてをかけるアスリートもいる。アスリートにとって、それは一生の仕事であり、キャリアの頂点となりうる。倫理的な理由で五輪の出場を辞退するアスリートは少数だ。一人もいないといってもいいかもしれない。 東京五輪でも期待どおりの興奮があるのは間違いない。だが、パンデミックのために無観客開催となったので、東京五輪は二次元の劇場を世界に発信するイベントとな

                        選手の勇姿に“熱狂”しつつ、“冷静”な目で問題を指摘し続けなければ五輪は何も変わらない | 非難するのが開催前だけでは何も変わらない
                      • 「ジェノサイド」とは何か─カナダの先住民寄宿学校制度から考える | 植民地主義的な同化政策も「集団殺害」になりうるとすれば…

                        先住民の子供たちをキリスト教会が運営する寄宿学校に強制的に入学させ、その文化を剥奪しようとした「インディアン寄宿学校制度」は、カナダ政府が19世紀から1990年代まで実施していた同化政策だ。この制度が「ジェノサイド(集団殺害)」に当たるとしたカナダ庶民院の決議は今後、国際的にどんな意味を持つのか? アフリカ、ヨーロッパ、北米で法律を学んできた研究者が読み解く。 2022年10月27日、カナダの庶民院は全会一致で、「インディアン寄宿学校制度(IRS)」がジェノサイドだったと認める歴史的な判断を下した。 この決議は、「カナダ真実和解委員会」が2015年に出した報告に基づいている。だが同委員会は法的な理由により、ジェノサイドという言葉を使うことを禁じられており、その代わりに、IRSの慣行を文化的ジェノサイドと呼んでいた。 決議がなされたタイミングは、教皇フランシスコがカナダ訪問中、寄宿学校のせい

                          「ジェノサイド」とは何か─カナダの先住民寄宿学校制度から考える | 植民地主義的な同化政策も「集団殺害」になりうるとすれば…
                        • なぜアジア系女性は、白人至上主義者に好かれてしまうのか? | アジア系アメリカ人と交際するオルタナ右翼たち

                          「アジア系女性は可愛いし、頭もいい」 ネット世代の新右翼「オルト・ライト(以下、オルタナ右翼)」を中心に、「白人男性のナショナリストは、アジア系女性を(性的に)好む傾向がある」──。このことは以前から指摘されていたが、黒人男性ジョージ・フロイドが死亡した事件(加害者である白人警官の妻がモン族系だった)を受けて、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が過去に掲載した「オルタナ右翼のアジア系フェティッシュ」という記事が、米国でふたたび話題になっている。 記事の筆者は、アジア系アメリカ人(以下、アジア系)のジャーナリスト、オードリア・リム。彼女は、米国のオルタナ右翼の男性インフルエンサーらが、現在もしくは過去に、アジア系女性と交際・結婚しているケースが多いと述べる。 たとえば、極右・ネオナチメディア「デイリー・ストーマー」の創設者のアンドリュー・アングリンや、オルタナ右翼の白人至上主義者であるリチャード

                            なぜアジア系女性は、白人至上主義者に好かれてしまうのか? | アジア系アメリカ人と交際するオルタナ右翼たち
                          • 「リアルわらしべ長者」が、1本のヘアピンから“一軒家”を手に入れるまで | 1年半に及ぶ「物々交換」の旅、その内訳は…?

                            28回目の交換で夢、叶う 血と汗と涙のにじむような1年半の努力の末、デミ・スキッパーはたった1本のヘアピンから物々交換を重ね、家を手に入れることに成功した。 彼女がこのプロジェクトを始めたのは、2006年に赤いクリップ1つから物々交換を重ね、最終的に一軒家を手に入れたカイル・マクドナルドに影響を受けてのことだった。2021年の5月に取材した当時、スキッパーは夏の終わりまでに目標を達成したいと考えていた。 1本のヘアピンがイヤリングになり、イヤリングがマルガリータグラスになり…… 希望の時期よりも遅れることわずか数ヵ月、29歳のスキッパーは、テネシー州ナッシュビル近郊の小さな家の鍵を渡された。住宅ローンも手数料も発生しない。それどころか、これまでに1銭も費やしていない(交換した物の送料を除いては)。 広い庭を備えた、小ぢんまりとした「ぼろ家」であるこの家は、スキッパーが2020年5月にこのチ

                              「リアルわらしべ長者」が、1本のヘアピンから“一軒家”を手に入れるまで | 1年半に及ぶ「物々交換」の旅、その内訳は…?
                            • 「育休では解決しない」 フィンランドの学者が語る少子化の“本当”の理由 | 本当の問題は子供を欲しがらないこと

                              男女平等が進み、手厚い育児ケアが無償で提供されるフィンランド。「モデル」とされてきた北欧の同国でも、いま急激に少子化が進んでいる。その原因は、これまで見過ごされてきたことにあると、フィンランド家族連盟人口研究所のアンナ・ロトキルヒは、英紙「フィナンシャル・タイムズ」に語った。 全世界で急激に進む「少子化」 20年前、フィンランドはすべてを実現させたように見えた。出生率は上昇し、労働力人口に占める女性の割合は高かった。その背景にあった北欧モデルを学ぶため、東アジアや英国など世界中の政策立案者たちがやってきた。同国には、世界最高水準の産前産後ケア、両親共に与えられる手厚い育児休暇、就学前保育の権利などが整っていた。 しかし、フィンランドに対する認識は間違っていたのかもしれない。同国では親が手厚い支援を受けられるにもかかわらず、2010年以来、出生率が3分の1近くも低下した。それは提供される社会

                                「育休では解決しない」 フィンランドの学者が語る少子化の“本当”の理由 | 本当の問題は子供を欲しがらないこと
                              • 裁判官の「見せかけの法」にだまされてはならない | トマ・ピケティ「新しい“眼”で世界を見よう」

                                この記事は、世界的なベストセラーとなった『21世紀の資本』の著者で、フランスの経済学者であるトマ・ピケティによる連載「新しい“眼”で世界を見よう」の最新回です。 フランスの年金改革は、憲法院の「9人の賢人」がその合憲性を審査することになった(註:2023年4月14日、憲法院は年金改革法を大筋で合憲とする判断を示し、年金改革法が公布された)。 そこで、こんな素朴な質問をするのも無駄ではないように思える。「一般論として、憲法院の裁判官は信頼できるのだろうか?」 誤解のないように言っておきたい。憲法院はすべての国で必要不可欠な役割を果たしている。だが、残念なことに、あらゆる権力がそうであるように、この貴重だが脆弱な国家機関は時折、その重責を託された人々によって道具として使われ、損なわれてしまうことがあるのだ。憲法院の裁判官が、単に自分の政治的な好みに過ぎないことを、まるで法であるかのように見せか

                                  裁判官の「見せかけの法」にだまされてはならない | トマ・ピケティ「新しい“眼”で世界を見よう」
                                • 英紙の提言「日銀はイールドカーブ・コントロールをいまこそ撤廃すべきだ」 | 世界中から注目が集まる植田新総裁の方針

                                  黒田東彦前日銀総裁が任期を終了し、10年ぶりに日銀は新体制を発足させた。学者出身として初めて総裁に就任する植田和男新総裁の政策には、世界中から注目が集まる。英「フィナンシャル・タイムズ」紙の前東京支局長が指摘する日銀の取るべき政策とは。 YCCは撤廃すべき 2023年4月9日、日本銀行総裁に植田和男が就任した。彼が早急に着手すべきは、イールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃である。 YCCは持続不可能であるとか、いまこそ日本の金融政策を「正常化」すべき時なのだといった理由からではない。むしろ逆だ。日本経済が必要とする金融支援策の維持を、より容易にするにあたり、YCCの撤廃は順当な戦略的施策なのだ。 植田に課せられた使命の難しさと、彼が実際に取れる施策の限界は、実のところ誰の目にも明らかである。その使命とは、中央銀行の役割において最も困難な仕事なのだから。 とはいえ、総裁就任に際して植田

                                    英紙の提言「日銀はイールドカーブ・コントロールをいまこそ撤廃すべきだ」 | 世界中から注目が集まる植田新総裁の方針
                                  • 私たちを賢くしてくれるはずの「批判者」への恐れが、アメリカをここまで愚かにした | 左派と右派の機能不全はどのようにして起こったか

                                    バベル崩壊後の政治 2010年代に何が変わったのだろうか? ここで、ツイッター社のエンジニアによる「4歳児に装填済みの銃を与えた」というメタファーを再考してみよう。 意地の悪いツイートが人を殺すことはない。それは誰かを公に辱めたり罰したりしながら、自身の正しさや賢さ、党派への忠誠を広く知らしめようという試みである。それは弾丸というよりも短い矢のようなもので、痛みを与えるが死に至らしめるわけではない。 しかしそうだとしても、2009年から2012年にかけて、フェイスブックとツイッターは約10億ものダーツガンを世界中に送り出してきた。それ以来、我々はお互いを射続けている。

                                      私たちを賢くしてくれるはずの「批判者」への恐れが、アメリカをここまで愚かにした | 左派と右派の機能不全はどのようにして起こったか
                                    • 「職場の生産性」に関する世間の考え方は完全に間違っている | 会社に生活を乗っ取られず、仕事の成果を上げるには

                                      あなたはとてつもなく忙しい。ビジネスチャットのスラックでやり取りして、メールを書き、ズーム会議も次から次に入っている。これらを同時にこなすこともある。しかし重要な仕事はできているだろうか。 カル・ニューポート氏の答えはノーだ。 「ちょっと待てよ、どれも重要じゃなかった、といったところだ」。ジョージタウン大学でコンピューターサイエンスを教え、注意力散漫の時代における集中力の重要性を訴えるニューポート氏はそう話す。 ニューポート氏によると、私たちは重すぎる負担を減らすことでより多くを達成できるという。同氏が提案する解決策「スローな生産性」──同名の本も出版している──は優れた成果を上げる人々が引き受ける仕事を減らして、仕事の質を上げ、ときどき戦略的に手を抜く一つの方法だ。最高の質こそ目指すところであり、がむしゃらに働くことは敵である。 これこそが、人工知能(AI)や人員削減から私たちの仕事を救

                                        「職場の生産性」に関する世間の考え方は完全に間違っている | 会社に生活を乗っ取られず、仕事の成果を上げるには
                                      • 子ども連れの家族に飛行機の座席交換を頼まれるも拒否した女性に賛否両論 | これってあり?

                                        飛行機内での搭乗客による問題行動が多く報道されるなか、ある女性客の行動をめぐって、インターネット上で議論が起きている。 マレッサ・フリードマンはこの日、米航空会社「デルタ航空」の飛行機に搭乗していた。フリードマンの購入した席はファーストクラスで、通路を挟み、2席ずつ設置されている構造だったという。 座席に座っていると、ある3人家族が「家族で並んで座りたいので座席を交代してくれないか」とフリードマンに尋ねてきたそうだ。 フリードマンは、これを拒否。代わりに、家族皆で座れる構造の別のクラスの座席に移るよう、提案した。これに家族は激怒し、フリードマンを睨みつけてきたという。

                                          子ども連れの家族に飛行機の座席交換を頼まれるも拒否した女性に賛否両論 | これってあり? 
                                        • 老人のような子供たち… 虐待された「ルーマニアの孤児」の40年後を訪ねて | 排せつ物まみれでネグレクト

                                          黒い瞳に黒い髪の男の子イジドルは、人生最初の3年間をその病院で過ごした。 1980年6月20日、イジドルは生後数週間で親に捨てられた。右脚がやや変形していたからだ。何かの病気(おそらくポリオ)にかかっていた彼は、こうしてルーマニア社会主義共和国に大量にいた孤児の海に投げ込まれた。 当時の孤児院を記録した映画には、看護師が組み立てラインの労働者のように新生児を次々と布でくるみ、不安げな幼子の列に継ぎ足していく様子が映し出されている。赤ん坊をあやしたり歌をうたったりする女性はいない。布で包まれた小さな顔は、自分たちの身にいったい何が起きているのか、推し量ろうと辺りをきょろきょろ見回していた。 南カルパティア山脈を望む町シゲトゥ・マルマツィエイの病院で、おそらくはイジドルもベビーベッドの柵に寄りかかり、口に突っ込まれた瓶から栄養をとっていたのだろう。自力で食べられる年齢をとうに過ぎても、彼と同年

                                            老人のような子供たち… 虐待された「ルーマニアの孤児」の40年後を訪ねて | 排せつ物まみれでネグレクト
                                          • 座る時間と立つ時間は1日にどれくらいだと最も健康にいいのか? | 新研究で判明

                                            座りっぱなしでいるよりも立っているほうが、なんとなく健康にいい気がする。だが立ちっぱなしでいるのも、それはそれでしんどい。そもそも、「健康にいい」とはどういうことなのか。具体的にどれくらいの時間、座っているまたは立っていると、どう健康にいいのか。 もっといえば、1日24時間をどんな活動にどれくらい費やすのが、われわれの健康にとって最適なのか。 オーストラリアの研究チームが、こうした問いに答える研究論文を発表し、一般向けの解説メディア「カンバセーション」でそのエッセンスを紹介している。 健康にいい活動の時間配分とは この研究チームは「健康にいい」を定義するために、心臓疾患、脳卒中、糖尿病の危険因子に着目し、さまざまな活動時間の組み合わせがそうした因子とどう関連するのかを調べた。 研究対象は2000人以上の成人で、参加者はまず胴囲、血糖値、インスリン感受性(低下すると血糖値が下がりにくくなる)

                                              座る時間と立つ時間は1日にどれくらいだと最も健康にいいのか? | 新研究で判明
                                            • 刑務所で25年間、性犯罪者を治療してきた私が考える「彼らが二度と罪を犯さないために大切なこと」 | 性犯罪者とは本質的にどんな人たちなのか

                                              刑務所の中で長きにわたり重い性犯罪を犯した男性たちと接してきた筆者は、一人の女性として、また子供たちの親として、彼らと彼らが犯した罪を恐れ、日常生活でも過剰に反応するようになってしまった。それでも、彼女がこの仕事を続けてきたのには理由がある。 「ここにある質問のリストは、あなたが犯した子供への性暴力についてお尋ねするためのものです。差し支えないようでしたら、そのなかには……」と言いかけて、言葉が見つからなくなる。 「……やや突っ込んだ質問や、個人的なことに関する質問もあるかもしれません」 目の前に座っている白髪混じりの老齢の男性は、うなずきはするものの目を合わせてはくれない。私は彼と自分のどちらが、この面談をより恐れているのかわからなくなる。 凶悪犯罪者向けの重警備刑務所で、重い性犯罪を犯した男性の独房に私が残されたのはこのときが初めてだった。もうずいぶん昔のことだ。 1990年代半ば、当

                                                刑務所で25年間、性犯罪者を治療してきた私が考える「彼らが二度と罪を犯さないために大切なこと」 | 性犯罪者とは本質的にどんな人たちなのか
                                              • 人質交渉のプロに学ぶ「交渉で望んだ結果を得るためのテクニック」 | 自分の感情とエゴに取り込まれないために

                                                スコット・ウォーカーは長年にわたり、誘拐事件をはじめとする危機的な場面での交渉役を担ってきた。ロンドン警視庁に勤めた後、危機対応コンサルタントとして働く彼によれば、「交渉は複雑で難解な技術ではなく、日常のコミュニケーション」なのだという。給料や家賃の交渉、家族の危機にも役立つという彼のテクニックとは──。 ヨーロッパのどこかで、ある男が銃を突きつけられ、乗っていたBMWから連れ出された。男は成功したビジネスマンで、その資産は2億ユーロとも言われている。焼け焦げた車の残骸を見れば、これがプロの犯行であることは明らかだった。 48時間後、ロンドンでは、スコット・ウォーカーが人質解放のためのチームに召集されていた。人質交渉人として10年以上のキャリアがあるウォーカーは、長丁場を覚悟していた。誘拐犯がこちらに連絡し、要求を突きつけてくるまで、何週間もかかるかもしれない──だが、当面の交渉相手は誘拐

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                                                • “脱成長する日本”の姿から見えてくる「資本主義社会の未来」 | 自然と共存することは経済思想的に見ても重要だ

                                                  成長の止まった日本はこの先、どんな未来を目指せばいいのか? 米誌「ノエマ・マガジン」の編集長を務めるネイサン・ガーデルスが、日本の哲学者で経済思想家でもある斎藤幸平へのインタビューを交えながら考察する。 「失われた時代」の終焉から数十年、日本はいまだ脱成長のただなかにある。2022年の最終四半期のGDPは年率0.1%増にとどまった。こうしたことから、日本は、多くの経済学者から先進国の「病人」とみなされているのだ。 だが斎藤幸平は、過剰消費で加熱する世界のなかで、健全な社会が落ち着く先はこの「脱成長の軌跡」にあると考えている。 現在36歳の斎藤は『人新世の「資本論」』の著者だ。本書で彼は、脱成長によってふたつのことから脱却できると論じている。ひとつは気候危機、そしてもうひとつは絶え間なく続く競争の不安である。日本ではサラリーマンの多くがこの競争に疲弊し、絶望してきた。

                                                    “脱成長する日本”の姿から見えてくる「資本主義社会の未来」 | 自然と共存することは経済思想的に見ても重要だ
                                                  • アラン・ドロン事件の真相は─告訴された日本人女性「ヒロミ」の告白 | 彼女はただの「同居人」か、疎まれ軽視された「伴侶」なのか

                                                    ヒロミ・ロラン(66)は、いまも打ちひしがれた様子だ。私たちがこの女性と最初に会ったのは2023年11月、パリにあるこの女性の弁護士の事務所でのことだった。 アラン・ドロンの3人の子供の一致団結した行動によってヒロミがKOされたのは、2023年7月5日だった。それ以降、ヒロミはいまもまだ立ち直れていない。一方、アラン・ドロンの子供たちのほうも、もともと悪かった仲が、その後さらに険悪なり、もう2度と3人が一緒に行動することはないと思えるほどだ。いずれにせよ、ヒロミはあの日以来、自分の人生を生きている気がしないという。 「もう一度、アラン(・ドロン)に会いたいんです。それができないなんて信じられません。私は彼に会えなくて寂しいですし、彼も私と会えなくて寂しいのだと思います。私がどこに行ったのか、なぜいなくなったのかが気になっているはずです。もう一度、アランと会う。その希望に私の全人生を託してい

                                                      アラン・ドロン事件の真相は─告訴された日本人女性「ヒロミ」の告白 | 彼女はただの「同居人」か、疎まれ軽視された「伴侶」なのか
                                                    • インドの選手たちは東京五輪の選手村で出されるインド料理をどう評価している? | 副団長は「選手にはコンチネンタルか日本食を勧めます」

                                                      東京五輪の選手村に滞在しているインド選手団の様子をインドメディアが報じている。 「インディアン・エクスプレス」は、メダルが最も期待されているひとり、女子重量挙げのミラバイ・チャヌのコーチに取材し、次のようなコメントを紹介している。 「東京に到着する前に読んでいた記事のせいで、多少の疑念はありました。でも着陸した瞬間から、もっとずっと前向きな感じがしています。施設はどこもすごく良くて、選手の必要はほぼすべてケアされています。ボランティアもスタッフもとても丁重です」 一方、「タイムズ・オブ・インディア」は、インド選手団の選手村での戸惑いも含めて報じている。 同紙によれば、電気湯沸かし器を100以上送ってほしいと選手団から駐日インド大使館にリクエストがあったという。インドの選手たちが朝にお湯を飲むのに、選手村の部屋には備え付けのポットがなかったためだ。 新型コロナ感染症対策で、部屋の清掃が3日に

                                                        インドの選手たちは東京五輪の選手村で出されるインド料理をどう評価している? | 副団長は「選手にはコンチネンタルか日本食を勧めます」
                                                      • フランス大統領選への「貧弱な討論」を是正するには制度の“換気”が必要だ | トマ・ピケティ「新しい“眼”で世界を見よう」

                                                        フランスの大統領選の第1回投票まで4ヵ月を切った。しかし、来年4月のこの大統領選では何を期待できるのだろうか。 この問いには二つの角度から切り込める。一つは2022年の大統領選自体について。もう一つは大局を見て、フランスの政治制度で大統領選が占める地位がどんなものなのかを考えるというものだ。 2022年の大統領選に関して言えば、始まり方が悪かったことは認めなければならない。フランスの政治の風景が極端に右傾化しており、それは政権を握るマクロン大統領の政治も例外ではない。その極端な右傾化のせいで、フランスの未来を決める社会や経済の大きな課題について討論することがほとんど不可能になってしまっている。 解放のための闘争、知性のための闘争、そして人的資本のための闘争で勝利するためには、いまも教育や育成への投資が最重要の課題であることに変わりはない。だが、残念ながら2022年の歳出予算が示す最新の数字

                                                          フランス大統領選への「貧弱な討論」を是正するには制度の“換気”が必要だ | トマ・ピケティ「新しい“眼”で世界を見よう」
                                                        • 湿地遺体が物語る「その残忍な最期」─史上初の包括的な調査でわかったこと | 彼らはなぜ殺されたのか?

                                                          泥炭地で自然にミイラ化した「湿地遺体」は、泥炭の化学的特性ゆえに保存状態が極めて良いことで知られる。1月に発表された初の包括的な調査の結果、彼らがどんな人々で、なぜ、どのように亡くなったかが明らかになった──。 「イデガール」との出会い 1990年代の初頭、オランダに住む10代のロイ・ファン・ビークは、課外授業で地元の博物館へ行った際、「湿地遺体」の展示を見学した。湿地遺体とは、北欧の湿地帯や吸水性の芝土、泥炭湿地に埋葬された古代人の遺体で、人骨と自然ミイラの両方を指す。 ファン・ビークはそのなかに、驚くほど完全な状態を保った、奇妙にねじ曲がった遺体があったことを覚えている。それは身長およそ140センチ弱、1世紀頃に生きていたと思われる、彼と同じ年頃の女性の遺体だった。 「彼女は現在のオランダ・イデ村の南方にある、浅い泥炭湿地に葬られていました」と、いまではワーヘニンゲン大学・研究センター

                                                            湿地遺体が物語る「その残忍な最期」─史上初の包括的な調査でわかったこと | 彼らはなぜ殺されたのか?
                                                          • 易富賢「国連が考えるほどインドや中国の人口は多くない─過剰な人口抑制策がもたらす危機的な未来」 | このままいけば、インドもすぐに中国と同じ道をたどるだろう

                                                            インドはまもなく、中国を上回る世界最大の人口を持つ国になると、国際連合が宣言した。 だが、中国の人口統計が過大に見積もられていることを明らかにし、公式にはタブー視されていた「人口減少」を初めて表立って指摘した一人である人口学者の易富賢(イー・フーシャン)は、インドの人口についても、国連が言うほど多いのかどうかは疑わしいと考えている。 ほかの国に関する推計にも疑義が出てくれば、国連による推計そのものが、世界経済を予測する際の信頼できるデータとしての役割を失ってしまう──そう易は警告する。 国連統計と国勢調査の乖離 4月、国連はインドの人口が中国を抜いて世界一になるだろうと見積もった。この発表はメディアから大変な注目を集めたが、インドの2024年の国勢調査は、国連の予測が過大なものであったことを明らかにするだろう。 インドで最も新しい統計によれば、インドの人口は2001年には10億3000万人

                                                              易富賢「国連が考えるほどインドや中国の人口は多くない─過剰な人口抑制策がもたらす危機的な未来」 | このままいけば、インドもすぐに中国と同じ道をたどるだろう
                                                            • フレデリック・グロ「『戦争とは何か』をいま敢えて問うことで見えてくるもの」 | プーチンの心理的動機と、講和の可能性

                                                              ロシアのウクライナ侵攻により、突如として私たちの目の前にリアルな姿で立ち現れてきた「戦争」。しかし、その哲学的な定義や、人類史における意味が深く考察される機会は少ない。そして、「なぜ人間は戦争をするのか」という根本的な問いも──。 21世紀のいま、それを改めて考える哲学者、フレデリック・グロに、仏「ル・ポワン」誌がインタビューした。 なぜ戦争をするのか?──。 まるで子供の質問のようだが、そんな書名の本がフランスで出版された。もっとも著者のフレデリック・グロ(55)に言わせるなら、哲学とは、子供の質問のような問いに大真面目に取り組み、合理的に考えていくことが多いのだという。 平和の時代に人はなぜ平和なのかと問わない。では、なぜ人は「なぜ戦争をするのか?」と問うのか。グロは162ページのこの著書で、人間の闇の部分を含むこの謎に取り組んでいる。その筆致は濃密かつ明快。かのレイモン・アロンの大著

                                                                フレデリック・グロ「『戦争とは何か』をいま敢えて問うことで見えてくるもの」 | プーチンの心理的動機と、講和の可能性
                                                              • 世界の「超長生き5大スポット」を研究してわかった100歳まで生きる食生活 | センテナリアンの長寿の秘訣に学ぼう

                                                                世界には100歳を超えて生きる「センテナリアン」が多く暮らす地域が5ヵ所ある。これら「ブルーゾーン」と呼ばれる長寿スポットを研究すると、その食生活に4つの共通点があることが見えてきた。 サルデーニャ島、沖縄、イカリア島… この世に100歳まで生きられる確実な方法はない。だが世界の超長寿者の食生活からは多くのことを学べるはずだ。 これまでの研究から、世界には100歳を超えて生きる人たち、いわゆる「センテナリアン」の存在が珍しくない地域が5ヵ所あることがわかっている。 コスタリカのニコヤ半島、米カリフォルニア州のロマリンダ、日本の沖縄、イタリアのサルデーニャ島、ギリシャのイカリア島で、これらの地域は「ブルーゾーン」と呼ばれている。 ブルーゾーンに住む人々の食事やライフスタイル、習慣は、一見するとあまり共通点がないように思える。 サルデーニャ島の長寿者の多くは山間部に住み、狩猟や釣り、農業をして

                                                                  世界の「超長生き5大スポット」を研究してわかった100歳まで生きる食生活 | センテナリアンの長寿の秘訣に学ぼう
                                                                • 日本メディアが反省すべきなのは「ジャニーズの性加害問題」だけではない | 米メディアのコラムニストが指摘

                                                                  これまで大きな影響力を持ってきた旧統一教会とジャニーズ事務所がその力を失うなか、米経済メディア「ブルームバーグ」のコラムニストは日本メディアに対しても反省すべきだと訴える。彼はジャニー喜多川の性加害を調査しなかったことだけでなく、旧統一教会に対する過熱報道が今後にもたらしうる影響についても指摘している。 大きな影響力を誇った2つの組織 最近の日本における、旧統一教会と芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」の没落は、表面的には正義の勝利のように見受けられる。悪事を隠蔽するために長年にわたって強大な影響力を行使してきた2つの団体が、完全な崩壊は免れたにせよ、ついに進退窮まったのだ。 旧統一教会の解散を惜しむ国民はいないだろう。旧統一教会の創設者で救世主を自称した文鮮明(ムン・ソンミョン)にちなみ、信者が「ムーニー」と蔑称で呼ばれることも多い旧統一教会。その献金の強要に対する捜査が入り、日本では

                                                                    日本メディアが反省すべきなのは「ジャニーズの性加害問題」だけではない | 米メディアのコラムニストが指摘
                                                                  • イギリスの“事件現場清掃人”が語る「忘れられない凄惨な現場と、この仕事の最高のやりがい」 | 仕事終わりに何も食べられないことがあっても、続けられる理由は…

                                                                    事件や自殺、孤独死などにより誰かが亡くなった現場を原状回復する「特殊清掃」は、肉体的にも精神的にもタフな仕事であり、誰にでもできることではない。イギリスで特殊清掃業を営む筆者が、現場で抱くさまざまな想いや、この仕事を続けられるモチベーションを語った。 自分で特殊清掃業を始めた理由 私ははじめ、シャワーを売る仕事をしていた。その後、清掃会社の営業の仕事の面接を受ける機会を得た。試用期間中、私は自分でも清掃の仕事をやることになり、こぼれた油や下水やカビを掃除することになった。 やり始めるとすぐに、自分にはこの手の仕事がまったく苦にならないことがわかった。最終的に、私は自分で清掃ビジネスを始めることにした。 私と仕事の相棒のジョージは、2020年に起業した。当初は寝室をオフィスとして使っていたが、いまではちゃんとしたオフィスがある。15人以上のスタッフが、5台の社用車を使って常に仕事に出ている。

                                                                      イギリスの“事件現場清掃人”が語る「忘れられない凄惨な現場と、この仕事の最高のやりがい」 | 仕事終わりに何も食べられないことがあっても、続けられる理由は…
                                                                    • ChatGPTの「失言」から考える、人間との“あまりにも大きな相違点” | 哲学者とメタの専門家が提言

                                                                      人間とAIの大きな違い ChatGPT-4の前身GPT-3は、ユーザーのプロンプト(AIに対する指示)から導ける範囲のことしか理解できない。だから、プロンプト最後の数単語がなんであれ、それに対して統計的に正解の可能性が低い回答をしてしまう。 ChatGPT-4では、この点が多少改善されている。このモデルは正解の可能性が高い回答をするだけでなく、その反応は人間の評価者によって“調教”されてもいる。GPT-4がある回答をすると、人間の評価者がその回答の善し悪しを判断して、強化学習をさせる(評価者にとっては神経が疲れる、トラウマものの作業だ)。 結果としてできあがるのは、妥当性の高い回答だけでなく、(理想的には)人間が適切と評価する回答、つまり正しいとまでいかなくても、少なくとも侮蔑的ではない回答をするシステムだ。

                                                                        ChatGPTの「失言」から考える、人間との“あまりにも大きな相違点” | 哲学者とメタの専門家が提言
                                                                      • #156 香港の歌姫アニタ・ムイの伝記映画が各地で大ヒット 近藤真彦の“二股”熱愛の真相が明らかに | 香港・日本ニュース拾い読み

                                                                        香港のトップ歌手・女優で1980〜90年代アジアを代表するスターとして知られる梅艶芳(アニタ・ムイ、1963〜2003)の伝記映画『梅艶芳(アニタ)』が11月12日に香港、マカオ、中国、台湾、英国、米国、豪州で封切られ、ヒットしている。映画の見どころのひとつは、アニタと近藤真彦(57)の国境を超えた愛だ。 中森明菜との“二股”熱愛 『梅艶芳』は封切り1週間で興行収入2000万香港ドル(約3億円)を突破。分断が進む香港を生きる人たちにとっては、「香港の歌姫」「香港の娘」と呼ばれたアニタを懐かしむとともに、1970~90年代の香港黄金期が再現され、郷愁を誘う作品にもなっている。 1963年、香港の貧しい母子家庭に生まれたアニタは幼い頃から姉とともに盛り場で歌って家計を支え、18歳の時、新人歌手コンテストで優勝しデビュー。以来死ぬまでトップシンガーとして香港芸能界の第一線で活躍し続けた。 日本で

                                                                          #156 香港の歌姫アニタ・ムイの伝記映画が各地で大ヒット 近藤真彦の“二股”熱愛の真相が明らかに | 香港・日本ニュース拾い読み 
                                                                        • 話し方より「黙り方」が大事? 戦略的“沈黙”を会得するための3ヵ条 | 黙り方が9割

                                                                          トップレベルのビジネスパーソンは、意見を言うべきときと口を閉ざすべきときを心得ている。名門ウォートン・スクールの経営学専門家マイケル・パークが最新研究で明かした「戦略的沈黙」の活かし方とは。 いつ話すかより「いつ黙るか」 然るべきタイミングや活かし方がわかっていれば、ビジネスシーンにおいて「沈黙は金なり」だ。 優れた業績を誇る従業員のなかには、頭のなかに情報やアイデア、問題点などがあっても、然るべきタイミングが訪れるまで“あえて”何も言わない人がいる。そんな事実が、米ペンシルベニア大学ウォートン・スクールの経営学助教マイケル・パーク率いる研究チームが発表した最新研究で明かされた。 「戦略的沈黙(strategic silence)」と呼ばれるスキルは、上司がその従業員の意見が組織や目下の課題にとって有益だと考えていると、高く評価されることが多い。 一般的には、仕事に関する問題などが生まれた

                                                                            話し方より「黙り方」が大事? 戦略的“沈黙”を会得するための3ヵ条 | 黙り方が9割
                                                                          • 「彼を見つけなければ」─アマゾンの先住民族の“最後の希望”の捜索 | アマゾンの森は誰が権利を有しているか

                                                                            「逃亡」を続ける男 そこは見渡す限り熱帯雨林しかないような場所だったが、ブラジル政府から派遣された職員はそれを見つけた。雨風をしのぐ、にわか作りのシェルターだ。焚き火はまだくすぶっていた。2人分の足跡、2本のマチェーテ(刀身の長いなた)、そして2つのハンモックが残されていた。 「さっきまでいたんだ」。派遣された職員のひとり、ジャイール・キャンダー(63)は、ヤシの葉の覆いの下で身をかがめてそう言った。そのかたわらで、もうひとりが手早く写真撮影をおこなった。キャンダーは35年間、追跡をかわし続けてきた男の発見に全力を注いできたが、またしても先を越された。 それはピリプクラ族のタマンドゥアという男だ。彼の人生は、まさに逃亡そのものと言っていい。多くの人がその姿を執拗に追うものの、彼が逃れようとしているのは政府当局からでも、敵からでもない。彼は現代文明から逃げ続けているのだ。 タマンドゥアは、ピ

                                                                              「彼を見つけなければ」─アマゾンの先住民族の“最後の希望”の捜索 | アマゾンの森は誰が権利を有しているか
                                                                            • 脳の仕組みを知れば「人の考え方」を説得で変えられる! | 意見を聞き入れてもらうコツを伝授

                                                                              過去と他人は変えられない。 だが今ここから始まる未来と自分は変えられる──これはカナダの精神科医、エリック・バーンが残した言葉だ。 どれだけ間違っているように感じられても、他人の考え方を変えることは難しいものだ。だけど脳の仕組みを知れば、意見を聞き入れてもらえる可能性をあげることができるという。 脳は情報をどうカテゴリー分けしているのか 誰かの考え方を改めたいけれど、その人が自分の考えをまったく曲げようとしない──そんなときには「脳の働き」を理解することが助けになる。 「自分や他人の考えを変えることは、同化や融和を通して行われる複雑なプロセスです」 『考え方はどう変わるのか』(未邦訳)の著者で、科学ポッドキャスト「You Are Not So Smart」の司会者であるデビッド・マクレーニーはそう語る。 「認知的不協和を引き起こすような新しい情報に直面したとき、脳は解釈情報を更新するか、そ

                                                                                脳の仕組みを知れば「人の考え方」を説得で変えられる! | 意見を聞き入れてもらうコツを伝授
                                                                              • 北京大学教授が分析「ロシアの敗北を不可避にする4つの要因」 | 英高級誌で激論

                                                                                ロシアとウクライナの戦局は、どちらの側にも立たない中国からはどう読めるのか? 中露関係が専門の北京大学教授・馮玉軍(フェン・ユジュン)が、英誌「エコノミスト」で明快な主張を展開し、国際的に話題になった論考を全訳でお届けする。 ロシアとウクライナの戦争は、両国にとって悲惨なものとなっている。どちらかが圧倒的に有利なわけでもなく、それぞれの政治的な立場も完全に反目しており、この戦いがすぐに終わるとは考えにくい。 だが、明白なことがひとつある。この戦争は、冷戦後の転換点であり、世界的に重大で、永続する影響をもたらすだろうということだ。 4つのおもな要因がこの戦局に作用するだろう。 その第一は、ウクライナ人たちが示した抵抗と挙国一致の度合いであり、これはいままでのところ並外れている。 第二は、ウクライナに対する国際的な支援だ。最近は同国の期待に応えられていないものの、その支援はなお広範なものだ。

                                                                                  北京大学教授が分析「ロシアの敗北を不可避にする4つの要因」 | 英高級誌で激論
                                                                                • 米紙が報道「軍事化が進む沖縄で、若年層は米軍基地に反対していない」 | 戦争を知る高齢者の声は届くのか

                                                                                  自衛隊で最も新しい駐屯地は、石垣島に建設された。米軍普天間基地の辺野古への移設問題で、国と沖縄県は激しく対立している。 こうした軍事化が急速に進むなか、沖縄に暮らす人々はどう考えているのだろうか。台湾有事を想定しておこなわれている避難訓練を取材しつつ、現地の人々の声と「世代間のギャップ」を米紙「ロサンゼルス・タイムズ」が深掘りした。 「日本中が危険だ」 最初の空襲警報が鳴ったとき、草で覆われた公園でうろうろしていた人々はほとんど動かなかった。5歳になるサノ・タエは母親の手をつかんだ。 周りにいる黄色いビブスをつけた人のなかには、心もとなく歩きだす人もいた。だが、本当に緊迫感が高まったのは、困惑した群衆のなかを青いユニフォームを着た男性が駆けていったときだった。 「もう一度やります」と、その男性はメガホンで叫んだ。 またサイレンが鳴り響くと、「たったいまミサイルが発射されました。ただちに避難

                                                                                    米紙が報道「軍事化が進む沖縄で、若年層は米軍基地に反対していない」 | 戦争を知る高齢者の声は届くのか