顧客目線が大事、共感の時代と言われる近年のマーケティングで、外してはいけないポイントとは何か? 『逆・タイムマシン経営論』の楠木建氏と、『超クリエイティブ』の三浦崇宏氏が忌憚なく語り合った、これからのビジネスに必要な力。(全2回の2回め/1回めを読む) ◆◆◆ 「美味しい生活」というコピーに含まれた対概念 楠木 三浦さんの『超クリエイティブ』を読んで強く感じたのは、「対概念のない概念は意味がない」ということです。例に出ていた「おいしい生活」という有名な糸井重里さんのコピーがなぜ優れていたのか? 多くの人は時代の雰囲気を捉えてるとか、「おいしい」と「生活」という言葉のコンビネーションが面白いとか言いますが、「よりよい生活」ではないというところが肝なんですね。「よりよい生活」の対概念として「美味しい生活」を提示したところに意味がある。 『ゼクシィ』の「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は