ゆーすけべー氏の「OSSで世界と戦うために」にインスパイアされました。5年間pyserdeというOSSのライブラリを開発・メンテしてきた筆者が、ちょっとだけ世界と戦ってみたけど全然勝てなかったという話です。Honoとはプロダクトの規模も開発にかける情熱も全然違うけど、単純にポストモーテムは読み物として面白いかなと思ったので書いてみます。また、5年間の開発で学んだやってよかったことや失敗などもシェアできればと思います。 pyserde pyserdeは筆者が2019年から開発メンテナンスしているOSSで、RustのserdeというライブラリにインスパイアされたPython用のシリアライゼーションフレームワークです。 以下のようにクラスを定義すると、型アノテーションに基づいたデータ変換やバリデーションのコードが内部的に生成され、強い型付けのクラスを生成することができます。強い型付けのクラスはラ
自作のRuby gemをHacker Newsにて紹介したところ、一晩でGitHub repositoriesに100以上のstarsが付いて驚いた。また、リアルタイムでは見逃したのだがHacker News Rankingで数時間1位におり、20時間ほどトップページに載っていたらしい。2024-05-26現在は落ち着いて195pt。 投稿はこちら Show HN: PBT – A property-based testing library for Ruby | Hacker News。 2024-05-22のdaily rankingでは11位だった。 何について投稿したのか pbtという自作のテストツールで、property based testingを並列実行するというアイデアを実証したもの。このツールについてはRubyKaigi 2024で発表したので興味があればそちらの記事もご
Intro Chrome 126 で筆者が実装した URL.parse が Ship された。 Chromium にコントリビュートしたことは何回かあったが、単体機能を Ship したのは初めてだった。 invalid URL の処理 new URL() によって、文字列の URL をパースすることができるようになって久しいが、この API は invalid な場合に例外を投げる。 例外処理をするよりも、先に URL としてパース可能かどうかを知るための URL.canParse() が提案され、先に実装が進んだ。 URL.canParse(str) // boolean しかし、これでは二回パースが必要になるため無駄が多い。 if (URL.canParse(str)) { // 1 回目のパース return new URL(str) // 2 回目のパース } そこで、失敗したら
VP of Engineeringの id:Songmu です。冒頭に、大事なお知らせですが、今週土曜日(6/22)に開催される、Kotlin Fest 2024にヘンリーはスポンサーをしています。スポンサーブースも出展しますので、是非お立ち寄りください。私もいます。 また、Henryの開発者の一人でもあり「Kotlin サーバーサイドプラグラミング実践開発」の著者でもある、 @n_takehata が、2024年版 Kotlin サーバーサイドプログラミング実践開発というタイトルで登壇します。是非こちらも聞きに来てください。 ヘンリーも社員数が増えてきたこともあり、このスポンサーを機に、イベントやコミュニティ参加に関する制度づくりを始めました。また、それらに参加する社員も増えて欲しいと思っています。そのために、改めて、社員がイベントやコミュニティに参加する意義を考え直して整理した内容が本
CloudNative Days Summer 2024 の登壇資料 https://event.cloudnativedays.jp/cnds2024/talks/2274 --- 近年、トランクベース開発やAB テスト、カナリアリリースへの利用などでフィーチャーフラグを活用するケースが増えてきました。また、フィーチャーフラグAPIの標準化を目指す OpenFeature から先日ついに Web SDK v1 がリリースされるなど、徐々にその熱の高まりを感じます。しかしながら、OpenFeature を採用した開発事例はまだ少なく、活用方法などの知見が不足していると感じています。 本セッションではフィーチャーフラグの種類分けや OpenFeature の概要から、具体的な実装にいたるまでを詳しく解説します。さらに今回、自動生成を活用することによってアプリケーションコードとリモート間でのフ
シングルバイナリでローカル実行可能、高速なOLAP用オープンソースDB「DuckDB 1.0」正式リリース オープンソースとして開発されているOLAP用データベース「DuckDB」が正式版となるバージョン1.0に到達したことが発表されました。 OLAP用のデータベースといえば、クライアント/サーバ方式の大規模なサーバアプリケーションが一般的ですが、DuckDBは、SQLiteのようにローカル環境上でシングルバイナリでローカル環境でも簡単に実行できる点が最大の特徴です。 SQLでクエリを記述すると同時に、Python、Java、Node.js、Rust、Go、C/C++、R、ODBCなどから呼び出せるAPIも備えており、クライアントアプリケーションに組み込むこともできます。 対応するプラットフォームはWindows(x86_64)、macOS(Intel/Apple Silicon)、Lin
「Zoraxy」は外部からのアクセスを設定に応じてさまざまなサーバーに振り分けるリバースプロキシです。オープンソースで無料なのに加え、転送など各種の設定をブラウザからアクセス可能なコントロールパネルで完結できるとのことなので、実際に使い勝手を確かめてみました。 Reverse Proxy Server | Zoraxy https://zoraxy.arozos.com/ 公式サイトにアクセスし、「Download」の右側にある「Open」をクリック。 Windows向けの実行ファイルは2種類存在しています。Windows 7を使用する場合は「zoraxy_windows_amd64_NT6-1.exe」を使用し、それ以外の場合は「zoraxy_windows_amd64.exe」を使用すれば良いとのこと。今回はWindows 11を搭載したPCを使用するので、「zoraxy_window
別にみんなそうするべきとは全く思わないのだけど、僕は最近GitHub Copilotを意図的に無効にすることがあるので、そのへんについて雑に書いておく。 あらかじめ言っておくが、僕はGitHub Copilotを有効にすることもある。この記事もGitHub Copilotおよびそのユーザーを批判する意図は全くない。 GitHub Copilot が便利な場面 僕がGitHub Copilotを使い始めて少なくとも一年以上は経ってる。自分が書こうと思っているコードに近いものが簡単に生成されていくことに最初は感動したし、便利な場面がはたくさんある。 具体的に便利な場面を思い返してみる。 僕は仕事ではNext.jsでフロントエンドを書いたり、NestJSでバックエンドを書いたりしているのだが、その用途では便利だった。僕は自分が関わっているプロジェクトのReactやNode.jsの書き方はある程度
この記事はQiitaのアドベントカレンダー記事のリバイバル公開です。 ※ 当時の記事から、一部表現を見直し加筆しています。 はじめに先日ガートナーのレポートで「多くの企業において、特定のクラウドベンダにシステムを集中させるリスクの重要度が上昇している」との発表がありました。 https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2023-10-30-gartner-says-cloud-concentration-now-a-significant-emerging-risk-for-many-organizations 日本においてクラウドの活用はますます進んでいる一方で、特定の Cloud Service Provider(CSP)にロックインされるリスクについては、常に議論の余地があると考えています。 本記事では、特定のクラウドに強く依
本業の傍ら、「クリアコードをいい感じにする人」として働いているたなべです。「クリアコードをいい感じにする人」とは何かについては過去に『「クリアコードをいい感じにする人」の採用を開始』という記事や採用情報の『「クリアコードをいい感じにする人」』にて解説されています。 今回はその活動の中で最近取り組んでいる「共有するほど皆が得するモデルをつくりたい」という取り組みを説明します。興味を持ってくれる人・助けてくれる人と話すきっかけになることも期待しているので、記事を読んで話を聞いてみたい・してみたいと思った方は sunao.tanabe@gmail.com 宛に連絡をください。 「共有するほど皆が得するモデル」とはなにか 「共有するほど皆が得するモデル」とは、ソフトウェアに関わる人が増えれば増えるほど、そのソフトウェアに関わる人が得をするという、関わる人の増加と得られる恩恵に正の相関がある状態のこ
動画編集アプリは数多くの種類が存在しますが、「動画に字幕だけを付けたい」といったちょっとした編集のために動画編集アプリをインストールするのは面倒です。「omniclip」はブラウザ上で動作するインストール不要の動画編集アプリとのことなので、実際にomniclipを使って動画に字幕を付ける編集をやってみました。 GitHub - omni-media/omniclip: Open source video editing web application https://github.com/omni-media/omniclip 今回は、以下の動画に字幕を追加してみます。 ビワマスを釣り上げる寸前に逃げられた - YouTube まず、以下のリンクをクリックしてomniclipを開きます。omniclipはChromeとEdgeに対応しているので、どちらかのブラウザを使ってアクセスしてくださ
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 オランダのRadboud University Nijmegenに所属する研究者らが発表した論文「Rethinking open source generative AI: open-washing and the EU AI Act」は、オープンソースと主張する生成AIを対象に、どの程度オープンなのかを調査した研究報告である。 近年、オープンであると主張する生成AIシステムが急増しているが、実際にはどの程度オープンなのかは疑問だ。「オープンソース」と謳いつつ、詳しく見てみると部分的にしか公開していないことはよくある。「オープンソース」は研究
これなに? モチベーション 使った技術 工夫ポイント 配布形式をどうするか GoでGoogleライクな検索クエリで文字列マッチするような関数を作った 取得したフィードを一瞬だけキャッシュする バイナリにviewを同梱する 最近のエコシステムに乗っかる 2024/06/14 13:28 追記:ブコメレス これなに? RSSフィードを任意のキーワードで絞り込んだ結果をさらに別のフィードとして返すためのproxy的なウェブアプリです。 github.com モチベーション 僕はSlackで色々なRSSフィードを購読しています。 YouTubeのチャンネルにもRSSフィードが存在しているのでSlackで購読しています。 例えば 東映アニメーション公式YouTubeチャンネル - YouTube にはプリキュアをはじめとして様々な動画が公開されています。その中でプリキュアに関係する動画だけをSlac
株式会社インフィニットループは今年も The PHP Foundation に寄付をしました こんにちは、仙台支社のいがらしです。インフィニットループは前回、前々回に引き続き、今年も会社として、The PHP Foundation に寄付をしました。 TL;DR この記事では以下について述べています。 The PHP Foundation は PHP そのものの開発を支援する団体で、多くの成果をあげてきました 言語の継続性と更なる発展には私たちに限らず、多くの企業からの支援が必要です PHP の存続と発展のため、みなさんの会社でもぜひ寄付を検討してみてください 勝率を上げる賭け方がある 現代人はとても忙しく、世にはありとあらゆる種類の情報があふれており、限られた時間の中で読める文章の量は限られています。 今、冒頭の 3 行まとめを乗り越えてこの記事を読み進めているあなたは、きっと PHP
はじめに こんにちは、Techouseに2023年に新卒入社し、ジョブハウスでバックエンドエンジニアをしているozachunです。 Techouseでは、エンジニアとしてより高みを目指すための刺激を与えることを目的に、新卒向けの研修を実施しております。本記事では、その一環として2024年4月に開催した『OSS Gate ワークショップ』について紹介させていただきます。 OSS Gate ワークショップは、OSS Gateが主催する、OSS開発に参加する「入り口」を提供するワークショップで、株式会社クリアコード様を講師としてお招きしました。 当日は、「OSSとは?」「なぜOSS開発のワークショップを行うのか?」といった座学から、どうやってOSSにIssueやPull Requestを提出すれば良いのかなど具体的な手順まで丁寧にご指導いただきました。 OSS Gate ワークショップの流れ 当
Godot Engineはオープンソースであり非営利のプロジェクトです。 開発はコミュニティによって行われ、コントリビュータ(貢献者)によって実際のコーディングが行われています。 これを聞くと、Godotは責任の所在が不明でアマチュア集団が作っていると勘違いされがちです。 偉い人の中にはこのような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか? コンソールでちゃんとリリースできるの? トラブルが起きた時サポートされるの? 突然使えなくなったりしない? こういった疑問に対して、ある程度回答のようなものができたらと思います。 本記事がGodot採用の一助になれれば幸いです。 コンソールでちゃんとリリースできるの? 結論から言うとできます。現にSwitchなどでGodot製のゲームがいくつもリリースされています。 ただしハードルは少しあります。まずOSSとコンソールプラットフォームは相性が良くない
Slipshow is a tool specifically designed for technical presentations where traditional slides are not enough. In a slipshow presentation, the equivalent of a slide is called a slip. Each slip is like a slide, but with no bottom limit. That is, the content can be arbitrarily long! During the presentation, the camera will "scroll" down to reveal the hidden content, following a script given by the pr
2024年5月31日に、4月1日よりサービスリリースしていたPDF翻訳アプリ「Indqx」のサービス提供を終了させました。 本記事では、PDF翻訳アプリIndqxをなぜ作ったのか? なぜ、2ヶ月でサ終了させたのかを開発者である私が、書き残したいと思っています。 1.PDF翻訳アプリIndqxとは?DeepL翻訳とIndqx翻訳比較翻訳例 左原文 右翻訳翻訳例 左原文 右翻訳Indqx翻訳は、論文読者向けのPDF翻訳Webアプリ。 論文特化の翻訳サービスで、DeepL翻訳+自作のPDF翻訳エンジンにて、PDFを翻訳します。それだけ! サービスURL(サイトは残してるけど、サーバー課金を切ってしまったので、開くのにすごく時間が掛かる) https://indqx-demo-front.onrender.com/ 2.何がすごいの?2-1.すごい所①「PDFフォーマットが崩れない」ご存知の通り、
ミッションクリティカル領域へのオープンソースソフトウェア適用拡大を目的とした 株式会社NTTデータグループとの資本業務提携について プレスリリース PDF 版 140KB 2024 年 5 月 30 日 株式会社SRA SRA OSS合同会社 株式会社SRA(本社:東京都豊島区、代表取締役社長 平田 淳史、以下SRA)と、その子会社であるSRA OSS合同会社(本社:東京都豊島区、社長 稲葉 香理、以下 SRA OSS)は、2024年5月30日に、株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)と資本業務提携に合意しました。 本資本業務提携により、SRA OSS が提供するオープンソースソフトウェア(以下OSS)のサポートサービスをNTTデータグループの顧客への適用を拡大し、よりミッションクリティカルなシステムに適したサービスへの変革を目指します。 SRA OSS は、OSSのデ
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