サイエンスクリップ トンガ沖海底火山大噴火で発生した「揺れを伴わない津波」の解明進む 気圧波「ラム波」が大きな要因と判明 2022.05.24 内城喜貴 / 科学ジャーナリスト 南太平洋・トンガ沖の海底火山が1月15日に大噴火した。その影響により日本の太平洋岸の潮位が最大1メートル以上も上昇し、全国8県で一時23万人近くが避難対象になった。潮位変化はまれに見る「揺れを伴わない津波」だった。津波などの研究者は噴火の衝撃波による空気の振動が関係しているとみていたが、詳しいメカニズムははっきりしなかった。 その後、気象庁はや理化学研究所(理研)、防災科学技術研究所(防災科研)などの研究者によって解明が進み、日本に到達した津波が予測よりなぜ早く到達したか、などいくつかの謎が解かれた。大きな要因と分かったのは「ラム波」と呼ばれる大気の波で、「揺れを伴わない津波」の構造が明らかになった。気象庁はこれら