仕事における「人を育てる」という行為において楠木建氏がことさらに重要視するのが、以前から強調してきた「センスとスキル」の区別だ。 「第1回:僕に経営ができない理由。」はこちら> 「第2回:アナリシスか、シンセシスか。」 「第3回:他動詞か、自動詞か。」はこちら> 「第4回:戦略カラオケ。」はこちら> ※本記事は、2023年3月1日時点で書かれた内容となっています。 仕事の局面における「人を育てる」とは、仕事ができるようにすることを意味します。以前から山口周さんとの対談などでも言ってきたことですが、人間の仕事能力はセンスとスキルに大別できます。育てる対象となる能力が、センスなのかスキルなのかによって話がまったく違ってくる。 スキルには、会社の部門名になっているものが多い。財務のスキル、会計のスキル、法務のスキル、マーケティングのスキル、HRのスキル。しかも、そこから細かく分かれていくというダ