世界的な低金利で日本の大学基金が運用難に苦しむ中、三鷹市にある国際基督教大学(ICU)の基金は、リスク投資に力を入れている。マイナス金利で投資妙味がないとして国債など国内債券には投資せず、私募リートやヘッジファンドなどの代替投資(オルタナティブ)に資金の半分を充てている。 基金の規模は約450億円で、2015年度は2.8%(簿価ベース)の実現利回りを確保した。単純比較はできないが、15年度の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の収益率はマイナス3.81%。 ICU卒業生で基金担当の新井亮一理事(52)は、取材に対し「国内債券は絶対駄目。買った瞬間にマイナス金利なので、損が確定する」と述べ、前年度から国内債は保有していないことを明らかにした。全体の半分を占めるのがオルタナティブ投資であり、中でも私募リートについては都心への人口集中やインバウンド効果などがプラス要因と分析し、12年度から