渡辺 先生の生い立ちからお伺いしたいのです。「雨宮健」少年はどんな少年だったのですか? 雨宮 四人兄弟の一番下でみんなに可愛がられて育ちました。小さいころ家へ遊びに来ていた叔父に「この子はものにならない」と言われるほど甘やかされていました。6歳のとき父の仕事の関係でペルーの日本人学校に入り、一年生の時の成績が良かったのは数学と音楽だけだったのです。数学は、12歳上の兄が数学者ということもあり、子供のころから兄に教わっていました。日本人学校でしたが、戦争間近の緊迫した状況のため日本人の先生は帰ってしまっていて、スペイン語を話すペルー人が教科を教えてくれたので、日本語がわからなくてもできた数学と音楽だけ成績が良かったのです。でも実は日本語は日本人が教えてくれていたのに、成績が悪かったのですが…。 渡辺 数学がお好きだったのですね、お兄さまが数学者ということは数学者におなりになる可能性もあったか