社員がいきいきと働き、高いパフォーマンスを発揮する職場をつくるには何が必要か。産業医として多くの企業で社員の健康管理をアドバイスしてきた茗荷谷駅前医院院長で、みんなの健康管理室代表の植田尚樹医師に、具体的な事例に沿って「処方箋」を紹介してもらいます。 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の発令で、外出の自粛を求められた多くの人たちが、これまでとは異なる毎日をおくっています。不自由さがストレスの原因となりますから、今まで以上にメンタルヘルスケアに注意を払いたいところです。外出自粛は働く人たちにどのような影響をもたらしているのでしょうか。産業医としても気になるところです。面談で聞いた幾つかの事例を紹介します。 IT企業に勤める20歳代男性の事例です。 憂うつな気分や強い不安感を訴えることから適応障害と診断され、1年近く休職していますが、外出自粛で一段と気分が落ち込むと話します。一人暮