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ブックマーク / sakstyle.hatenadiary.jp (27)

  • アレックス・メスーディ『文化進化論』 - logical cypher scape2

    サブタイトルは「ダーウィン進化論は文化を説明できるか」 そのタイトル通り、進化論で文化を説明するという新しい学問分野について、一般向けに書かれた、分野全体を見通す 「統合」がキーワードとして出てくる。日語版序文では、「自然科学と社会科学の統合」「社会科学内部の統合」「国際的な統合」の3つが挙げられているが、特に主だったものは二つ目の「社会科学内部の統合」だろう。 進化論は、生物科学の世界に統合をもたらした。 20世紀初頭まで分裂していた遺伝学と古生物学は、1930〜40年代の集団遺伝学の発展によって、現代的総合と呼ばれる「統合」がなされ、ミクロな現象(遺伝)とマクロな現象(進化)についての研究が同じパラダイムを共有するようになった。 これに対して、現在の社会科学の諸分野はいまだ分裂したままである。文化人類学、考古学、歴史学のようなマクロな現象を扱う分野と、心理学やミクロ経済学のようなミ

    アレックス・メスーディ『文化進化論』 - logical cypher scape2
  • 坂井豊貴『多数決を疑う――社会的選択理論とは何か』 - logical cypher scape2

    多人数の意見を集約するルールとして、多数決があるが、それ以外にも方法があって、どの方法がいいのかをどういう基準で考えるか、というのが社会的選択理論である、という。 多数決以外にどういう方法があるかというと、例えば、1位に3点、2位に2点、1位に1点と点数をつけて投票し、点数の多かったものをとるという方法があったりする。 「点数の一番多かったものを選ぶ」という意味で、多数決じゃんと思うかもしれないが、「複数の選択肢の中から一つを選んで投票する」方法と、「複数の選択肢に順に点数をつけて投票する」方法とだと、結果が変わるのである。 また、単に数理的な証明の解説というのでなく、 よりよい民主主義を行うためにはどうすればいいか ということをテーマに書かれている。 もちろん、の内容の多くは、社会選択理論における各説の紹介なのだけれど、序文なんかを読むと「結構熱い」と思ったりした。 この研究によっ

    坂井豊貴『多数決を疑う――社会的選択理論とは何か』 - logical cypher scape2
  • 西村清和編・監訳『分析美学基本論文集』 - logical cypher scape2

    内容は大体タイトルの通り、ダントー「アートワールド」、シブリー「美的概念」、ウォルトン「フィクションを怖がる」といった有名論文が収録されている。 ただし、「分析美学って何?」って人は、ロバート・ステッカー『分析美学入門』 - logical cypher scape2を先に読むことをオススメする。 また、同じく分析美学の基論文としては、松永さんや森さんがnoteで公開しているモリス・ワイツ「美学における理論の役割」、ケンダル・ウォルトン「芸術のカテゴリー」 - logical cypher scape2もあわせて読みたい。 第1章 「芸術」の定義 1 アートワールド アーサー・ダントー(西村清和 訳) 2 芸術とはなにか――制度的分析―― ジョージ・ディッキー(今井 晋 訳) 第2章 美的価値 3 芸術批評における理由 ポール・ジフ(櫻井一成 訳) 4 美的概念 フランク・シブリー(吉成

    西村清和編・監訳『分析美学基本論文集』 - logical cypher scape2
  • 10周年 - logical cypher scape2

    今年、10周年というと、つい先日10周年ライブをやったアイドルマスターや、8月に10周年記念イベントを行うマルチネがあったりしますが、当ブログlogical cypher scapeも、日で10周年を迎えることとなりました。 10年もブログ続けてるなんて、我ながら驚きです。 まあ、10年続いたから何、ということもないですが。 昔に比べてブクマ数が伸びるようになった気はするので、長年やってることで読者数増えているのかなと思いますが、かといってアルファブロガーだ、というようなこともないですし。 でもまあ、1つの区切りです。 ところで、2005年から10年経っていることよりも、2010年から5年経っていることの方がショックが大きいんですが……。 こんなブログなので10周年記念イベントとかも特にないんですが、一応こういう機会なのでこの10年を振り返ってみようかなという主旨の記事となります。 この

    10周年 - logical cypher scape2
    quasimoto_san
    quasimoto_san 2015/07/24
    おめでとうございます!
  • 2015-05-21 - logical cypher scape

    H-A-J-I-M-A-L-B-U-M-!! アーティスト: Tokyo 7th シスターズ,KARAKURI,セブンスシスターズ,777☆SISTERS,NI+CORA,WITCH NUMBER,SiSH,サンボンリボン,4U,水瀬いのり,篠田みなみ出版社/メーカー: DONUTS発売日: 2015/05/20メディア: CDこの商品を含むブログ (3件) を見るTokyo 7thシスターズ待望の1stフルアルバム そのタイトルに相応しい、始まりの予感に満ちたキラキラとした音色の溢れる1枚 めっちゃいいアルバムなので、是非みんな聞いてくださいっていうのが、この記事の主旨です。 Perfumeとか好きだったなーとかいう人は絶対買うべき。 ナナシスとは Tokyo 7thシスターズ(以下ナナシス)は、2014年2月にリリースされたスマホ向けアプリゲームで、アイドルもののリズムゲー&ソシャゲ

    2015-05-21 - logical cypher scape
  • E.H.ゴンブリッチ『美術の物語』 - logical cypher scape2

    西洋美術史の入門として名高い1冊 実際、読みやすく丁寧でとても面白い 読み継がれる名著とはこういうものか、と また、自分は美術については19,20世紀くらいしか知らなかったので、改めて通史を読んで勉強になった。 このの特徴はいくつかあるが 「物語」としては、それぞれの時代や流派において美術の目的がなんであったか、ということを追いかける作りになっている。 ともすると、絵画などのよしあし・巧拙を「実物そっくりかどうか」で判断してしまうことがあるけれど、そもそも実物そっくりであることが美術の目的でなかった時代もある。というか、このを読んでいると、おおむね交互に現れてくるという感じがある。 エジプトがスタートに置かれているが*1、エジプトでは「見たまま」ではなく「知っている」ことが描かれた。目とはこういうもの、顔の輪郭はこういうもの、足はこういうものといった知識に従って描かれていた。 その後、

  • ジョン・カルヴィッキ『イメージ』(John V. KULVICKI "Images")後半(6〜9章) - logical cypher scape2

    イメージの哲学の教科書 ROUTLEDGEのNew Problems of Philosophyというシリーズの一冊 全部で9章構成で、大きく前半と後半に分けられる。 前半については、ジョン・カルヴィッキ『イメージ』(John V. KULVICKI "Images")前半(1〜5章) - logical cypher scape2 前半では、描写について、経験説、認知説、類似説、ふり説、構造説の5つの説についての紹介がなされた。 後半では、以下の4つのテーマについて紹介される。 リアリズムと非リアリズム 科学におけるイメージ 心の中のイメージ 写真と対象の知覚 科学におけるイメージや心の中のイメージは、美学や描写の哲学ではなく、科学哲学や心の哲学において扱われるテーマであり、書でも科学哲学や心の哲学での議論に言及されているが、そのようなトピックに対して、美学・描写の哲学からアプローチし

    ジョン・カルヴィッキ『イメージ』(John V. KULVICKI "Images")後半(6〜9章) - logical cypher scape2
  • ノエル・キャロル「映画(movies)の力」(『分析美学論文アンソロジー』より) - logical cypher scape2

    映画が、他の芸術様式と比べて、より広くより強く人々を捉えるのはどのようにしてなのか、という論文 ラマルク+オルセン編『美学と芸術の哲学:分析的伝統:アンソロジー』 - logical cypher scapeに収録されている。初出は1985年。 映画についての、リアリズム的説明を退けて、画像的再現(pictorial representation)、可変的フレーミング(variable framing)、erotetic narrativeによって説明する。 また、ここでいう映画(movie)は、映画全般(film)ではなく、その中の一ジャンルを指しているが、詳しくは後述。 ノエル・キャロルはアメリカの有名な美学者で、映画研究を行っている人。 メディウムスペシフィックな議論を批判し、映画を、moving imageとして捉え直すということをしていて、いわゆる分析系じゃないだろうところでも言

    ノエル・キャロル「映画(movies)の力」(『分析美学論文アンソロジー』より) - logical cypher scape2
  • レフ・マノヴィッチ『ニューメディアの言語』 - logical cypher scape2

    ニューメディアとは、CG合成の映画やコンピュータゲーム、web、メディアアートなど、コンピュータを使ったメディア(作品)の総称で、そうしたものについての美学理論入門*1 ニューメディアと(オールドメディアである)映画との連続性を検討している感じの。 アニメーションが映画の一種なのではなく、映画がアニメーションの一種、みたいなこと言ったので有名なでもある。 2001年のアメリカなので、出てくる例は分からないものも多いし(具体的にはゲームが。CD-ROM5枚組のアドベンチャーとかFPSとかが出てくる)、また古いところもあるのだけど、書かれている内容としては分かりやすいし古びてもいない。もちろん、そういう2014年の日人に分かりにくい例だけでなく、有名なハリウッド映画や、もっと日常的な例(Wordとか)も出てくる*2。コンピュータによる映像全般を扱ったもの、と考えてもいいかもしれない。

    レフ・マノヴィッチ『ニューメディアの言語』 - logical cypher scape2
  • 鈴木雅雄編著『マンガを「見る」という体験』 - logical cypher scape2

    サブタイトルは、「フレーム、キャラクター、モダン・アート」 去年の6月から12月にかけて開催された三回連続のWS「マンガ的視覚体験をめぐって――フレーム、フィギュール、シュルレアリスム――」をもとにした論集。 参考:伊藤剛・鈴木雅雄「マンガ的時間、シュルレアリスム的時間」感想ツイート - Togetter マンガとシュルレアリスム美術を比較しながら、論じられたもので、非常に刺激的で面白かった。 第1部 マンガの時間、絵画の時間 消える男/帰ってくる男――マンガから見た絵画・シュルレアリスム 伊藤剛 瞬間は存在しない――マンガ的時間への問い 鈴木雅雄 第2部 マンガのコマ、絵画のフレーム マンガにおけるフレームの複数性と同時性について――コマと時間をめぐる試論(一) 野田謙介 分裂するフレーム――シュルレアリスム〈と〉マンガ 齋藤哲也 第3部 マンガをめぐる言説、美術をめぐる言説 マンガと美

    鈴木雅雄編著『マンガを「見る」という体験』 - logical cypher scape2
  • 三輪健太朗『マンガと映画』 - logical cypher scape2

    マンガと映画についての美学的メディア比較論であり、これまでの議論・言説を丁寧に再検討しながら、「映画的」であるとはどういうことなのかを論じ、それが「近代」を前提しにした視覚文化であることを示していく。「映画的」っていうのが単に技法的な話ではなくて、近代の大衆文化とか時間概念とかにおける考え方のことなんだ、という話 メディアの特性とか技法とかを形式的に判断するのではなくて、それがどういう思想・システムのもとで動いているかを見て判断しないといけないよっていう話でもある。 また、サブタイトルに「コマと時間の理論」とあるように理論を書いたであるのだが、落下のモチーフをめぐるマンガ批評(作品論)として読めなくもないところが各所に差し挟まれているでもある。 ちなみに修士論文がもとになっているらしい。 このは、メディア比較の方法論から説き起こして、これまでの議論の検討も含め、丁寧な解説がなされて

    三輪健太朗『マンガと映画』 - logical cypher scape2
  • 井手口彰典『同人音楽とその周辺』 - logical cypher scape2

    ほとんどそのタイトル通り、同人音楽についての研究の。 自分は、同人音楽といってもニコ動やネットレーベルで触れているだけなので、普通に勉強 音楽学系のもほぼ読んだことないのでそういう意味でも。 第1章 同人音楽への招待 そもそも同人音楽とは一体どういうようなものなのか、ということで、同人音楽即売会*1M3を例に、紹介される。 この章は、「同人音楽とは何か」ではなくて、あくまでも同人音楽の雰囲気の紹介という感じ。即売会が一体どういうような場所なのかということのレポートとなっている。 第2章 概念としての同人音楽とその射程 同人音楽とは何か、山田晴通がポピュラー音楽とは何かを論じたのに倣いながら論じていく。 「ポピュラー」という語が、それが何に対置されるかによって意味を変えていくのと同様、「同人」という語もこれという1つの意味に限定することはできない。ここではその複数の意味を見ることで、多角

    井手口彰典『同人音楽とその周辺』 - logical cypher scape2
    quasimoto_san
    quasimoto_san 2014/06/03
    シノハラさんの書評。ブクマしてなかったか
  • ウィトゲンシュタイン『青色本』 - logical cypher scape2

    文フリよりもさらに2週間くらい前に読み終わっていたのだが、なかなか書く時間がなかった。 帯に「もっとも読みやすいウィトゲンシュタイン」とあり、実際そうかもなあと思う。 といっても自分は、ウィトゲンシュタインの『論考』と『探求』の一部を読んだに過ぎないのだけれど、そもそもあの2作は一人で読める気が全くしない。誰か専門家の助けを借りないと分からなすぎる。 ウィトゲンシュタインはこう考えた-哲学的思考の全軌跡1912~1951 (講談社現代新書)に書いてあるけれど、『論考』と『探求』は彼のノートの中から抽出されたエッセンスだけが書かれていて、そこに至るプロセスは省かれている。なので、読みにくいのだと思う(普通に僕たちが読むの書かれ方と違いすぎる)。 それに対して、青色は講義の記録であり、口述筆記であることもあって、プロセスが圧縮されずに残っている。で、この中にはところどころ、「なんか『探求』

    ウィトゲンシュタイン『青色本』 - logical cypher scape2
  • スティーヴン・ミズン『歌うネアンデルタール』 - logical cypher scape2

    認知考古学者ミズンによる、音楽と言語の起源に関する仮説についての。人類の祖先は、ミズンがHmmmmmと呼ぶコミュニケーション形式を用いていた。ネアンデルタール人は、Hmmmmmを高度に発達させたが、言語を獲得することはなかった。一方、ホモ・サピエンスはHmmmmmから言語を獲得し、また言語と分化したHmmmmmが音楽となっていたという仮説。 Hmmmmmは、Holistic, Manipulative, Multi-Modal, Musical, and Mimetic(全体的、操作的、多様式、音楽的、ミメーシス的)の略。初期人類が持っていたとされるコミュケーション方法の諸特徴。 書は、二部構成になっており、一部が現代、二部が過去を扱っている。 一部では主に心理学などの知見を用いながら、言語と音楽の類似点、相違点や音楽の特徴などを論じていく。 二部では霊長類学や考古学の観点から、霊長類

    スティーヴン・ミズン『歌うネアンデルタール』 - logical cypher scape2
    quasimoto_san
    quasimoto_san 2013/11/21
    “言語と音楽には共通の先駆体があったのではないかとみなす。そして、この先駆体のことをミズンは、Hmmmmmと呼ぶのである。”
  • 第17回感想 - logical cypher scape2

    『invert vol.1』 平均年齢19歳の超若手批評系サークルが文フリデビュー、ということでよいのだろうか。 特集は「若者と社会」 1目、神山和人の評論。清涼院流水とAKB48を取り上げて、断片化されない「私」について論じている。ざっと読んだ印象にすぎないけど、流水論もAKB論も目新しい感じはせず、最後の論となるべき部分も短いので、「え、当にその結論でいいの」となる。 2目、高光のエッセイと評論のあいだのような文。筆者が見かけた学生自治の話とかから、社会について論じている感じ? 3目、伊丹空互の評論。園子温の90年代初頭の活動、東京ガガガの紹介から始まり、最近のクラブ・風営法問題を取り上げながら、カウンターカルチャーとしてのサブカルチャーを論じるというもの。悪くはない。悪くはないと思うんだけど…… 4目は、なんか女子大生が自分の父親に向けて、社会学か何かの授業で出された宿題

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    quasimoto_san
    quasimoto_san 2013/11/09
    フミカ感想あるで
  • 大和田俊之『アメリカ音楽史』 - logical cypher scape2

    僕の周辺で覇権*1とまで呼ばれていたをようやく読んだ。 その名の通り、アメリカ音楽歴史であるが、いわゆる大文字のHistoryを解体し、様々な伏線を通してhistoriesを見出していくタイプの研究。自分が大学の時に受けていた授業には、これと似たようなアプローチのものもあったこともあって、アメリカ音楽には全く明るくないけれど、面白く読めた。 著者は、アメリカ文学とポピュラー音楽研究を専攻しているらしいが、音楽研究がどういうものなのかあまりよく知らないけれど、文学研究っぽいということは感じた。 基的には、アメリカ音楽史というのは白人と黒人とのせめぎ合いとして記述される。 例えば、白人のカントリー・ミュージックと黒人のリズム&ブルースが混淆して、ロックンロールが生まれた、というように。 書でも、白人と黒人の関係というものが軸に進んでいくことになるが、上に述べたような、白人+黒人→

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    quasimoto_san
    quasimoto_san 2013/10/24
    ブクマしてなかった。
  • OUT OF DOTS2013 - logical cypher scape2

    見てきた。 当日タイムテーブル Qrion→Nyolfen→Hypo77→Q/Ghost→CallaSoild→Saitone→mergrim x kazuya matsumoto →PARKGOLF→Phasma→Seiho→GoQualiaと見た。 今回、一番見れてよかったのは、Q/Ghost Qrionもよかった 飛び跳ねれたのは、CallaSoild、PARKGOLF、Seiho 今回、やおきさんとかじもとさんが来るのは事前に知っていて、途中フロアで会ったりした。 当日twitter見てて、とりばーけーさんとたけくらさんも来ているのを知り、終わったあと5人で集まった。とりばーけーさんは途中で帰ってしまったが、4人で軽く夕飯べるなどした。今まで、クラブ行ってもぼっち参加が基で、終わったらそっこう1人で帰っていたので、感想言い合えるの楽しかったw OUT OF DOTS2013の個

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    quasimoto_san
    quasimoto_san 2013/10/16
    たのしかった
  • 限界研編『ポストヒューマニティーズ――伊藤計劃以後のSF』 - logical cypher scape2

    店頭に並ぶのは25日からの予定ですが、見が届きました! というわけで今日は宣伝記事 こちらのに、瀬名秀明「希望」論を書かせていただきましたので、是非皆さん読んでみて、よければお買い上げお願いしますw 概要 現代日SFをめぐる評論集 タイトルにある伊藤計劃だけでなく、宮内悠介や長谷敏司、飛浩隆、円城塔などを論じた、いわゆるSF小説の作品論を中心にしつつ、アニメや映画について論じたものや、SFミステリ、ネット小説といった近隣ジャンルの小説について論じたものもあり、SFど真ん中じゃない人にも興味を持って読んでもらえるものが何かしらあるかと 個人的にお薦めなのは、冒頭の岡和田晃「「伊藤計劃以後」と「継承」の問題」と末尾の飯田一史「ネット小説論――あたらしいファンタジーとしての、あたらしメディアとしての」の2編。 岡和田論は、現在のいわゆる「伊藤計劃バブル」に対して疑義を呈して、伊藤計劃の問題

    限界研編『ポストヒューマニティーズ――伊藤計劃以後のSF』 - logical cypher scape2
    quasimoto_san
    quasimoto_san 2013/07/21
    扱う話題がけっこう幅広いっぽい
  • 高井研『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』 - logical cypher scape2

    この前、しんかい6500のニコ生を見て高井さんが面白かったので、読んでみたw (前から読もうと思っていたではあったけど) そこかしこにネタを挟んでくる軽い文体で進むのだが、内容はかなり濃い 非常に面白いだった 生命の起源についての自説を紹介しているなのだが、それに対するライバルの話もしていて、研究者たちが鎬を削っているさまが読み取れるのも楽しい。 また、周辺分野(地質学)などについては、著者は改めてを読んだり同僚研究者に話を聞いたりして書いていたようなのだが、文中で「今、わかった!」みたいなことが書いてあったりする ネタ的な意味での面白ポイントもひろっていきたいが、そんなことをするときりがないので、以下はそういうのは削って、淡々と内容についてまとめておこうかと思う。それだけでも十二分に面白いと思うが、書の面白さの全てを伝えるものではない。 第1章 生命の起源を探る、深海への旅

    高井研『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』 - logical cypher scape2
  • 超文フリにて新刊『筑波批評2013春』! - logical cypher scape2

    ご無沙汰しておりました。1年半ぶりの新刊です。 4/28(日)開催の超文学フリマにて、『筑波批評2013春』刊行です! フミカ 筑波批評と合同スペースになってます。 今回、僕は書いてませんが。 詳しくは【フミカ宣伝】レヴュー・オブ・レヴュアーズ【枠組み編/実践編】 - フシギにステキな素早いヤバさ 筑波批評2013春 表紙は、分かる人には分かるかもしれないあの階段ですw 目次 グッドマン『芸術の諸言語』を読む 座談会 記号から美学へ――グッドマン『芸術の諸言語』をめぐって 『芸術の諸言語』要約 用語集 天海春香は遊具となりて揺動す――『百円M@ster』論 シノハラユウキ にわかラブライバー対談―音楽・キャラクター・声優― 島袋八起+シノハラユウキ ダンスについて――TVアニメ『ラブライブ!』OP「僕らは今のなかで」論 島袋八起 丘の向こうの不確かな楽園――『まおゆう魔王勇者』論 塚田憲史