雇用情勢は引き続き堅調に思える*1が、消費税率引き上げで不況になったと言う言説は良く見かけるようになったし、内閣府も景気判断を下方修正し、先行きに不透明感はある。しかし、実際にどのように不景気なのかが曖昧な気がするので、SNSでの言い争いに備えて関係ありそうなデータを整理してみた。景気の先行きに不安はあるのだが、とりあえず消費税率引き上げの影響は限定的なように思える。 1. 消費減少は限定的 消費税率をかけると消費が減ると言う人は多い。これは間違いでは無く、教科書的なラムゼー・モデルでも消費が減って投資が維持される事になっている。問題は、駆け込み需要の反動がどれぐらい続くのか、恒久的な消費減少がどの程度続くかだ。これを確認するために、小売業販売額を税抜き金額に補正したグラフを作成してみた。 まずは駆け込み需要の反動だが、だいぶ解消されている事が分かる。2014年4月には昨年比で-6.99%