赤城毅名義で架空戦記等を、本名の大木毅名義でノンフィクションを手がけているakagitsuyoshi氏*1。 かつて従軍慰安婦問題をあつかった秦郁彦氏の著作に翻訳を提供したことがあり、ツイッターでふりかえっていた。話題ごとに前後させつつ引用する。 ここまでは秦郁彦氏の著作がどのように書かれたかの背景として興味深い証言ではあった。 しかし慰安所制度がどのように問題視されてきたかという話にうつると、いささか首をかしげるところが出てくる。 ここで不思議なのは、「Seidlerの研究」が「従軍慰安婦は日本にしかない悪逆非道な制度であると主張していた左翼には、きわめて都合の悪い」という認識。 たとえば1995年の吉見義明『従軍慰安婦』には「軍隊に慰安婦はつきものか――各国軍隊の場合」という章があり、「各国軍隊の周辺でも、日本軍の慰安所にある程度まで類似した施設がつくられたことが、次第にあきらかになり